プロを目指す学生たち〜学生時代にできること〜 |
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├┼┨ ETIC.mailmagazine 〜プロを目指す学生たち〜 ┠┼┼┼┼┼┤
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├┼┼┼┼┼┨ 2006.7.22 Vol.140-3 (全3話) ┠┼┤
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┃ ■■ 〜「元気、勇気、情熱」で、子供たちをイキイキと〜
┃ ■■
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┃ □ 佐野 一郎(さの いちろう)さん
┃
┃ □ 所属
┃ NPOじぶん未来クラブ 代表
┃
┃ □ プロフィール
┃ 1960年 愛知県に生まれる
┃ 1984年 慶応義塾大学卒、同年株式会社リクルート入社
┃ 1997年 リクルート学び事業部にて
┃ 学校経営改革推進グループGM、企画室長などを歴任
┃ 現在 NPOじぶん未来クラブ代表
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┃○第1話:希望と挫折。三浦海岸で一人
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┃○第2話:元気・勇気・情熱がなぜ大切か
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┃●第3話:『じぶん未来』
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〜第3話〜 『じぶん未来』
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■■
■■ 大きな違和感
■■
苦しい時期にあった製薬会社をなんとか立て直し、
「先入観を持たず、元気、勇気、情熱を持って仕事に取り組む」
という、仕事に対する信念をさらに深めた佐野。
自らの役割を果たした彼は、
元々いた会社であるリクルートに戻ることにした。
古巣に戻った佐野に任された事業は、
大学や専門学校の紹介を主に扱う
「学び事業部」。
学び事業部では、
進学先を選ぶ際に、色々な学校を比較できる
「リクルート進学ブック」の製作や、
各学校の進路相談や模擬授業が受けられる
「進学ワクワクライブ」の開催に携わった。
そこでは、沢山の高校生を相手に仕事をするのだが、
進路を選択する立場の若者を見ていて、
佐野はあることに気がついた。
「あれ? 高校生に元気がないな」
自分の進路を真剣に考えている若者が、
どうもあまりワクワクしていない。
目の前の光景に、大きな違和感を覚えた。
■■
■■ 自分たちの手で創り出す「イキイキ」
■■
元気のない高校生の顔を見て、
「どうしたら、子供たちがもっとワクワクしながら
自分の将来を考えられるんだろう」
そうしたことを考えるようになった。
ちょうど、社長も同時期に、
リクルート独自の「教育の事業化」を計画しており、
佐野は、そのプロジェクトのリーダーとして抜擢された。
「じぶん未来」――
子供たちがもっとワクワクしながら
自分の将来を考えられる環境を創る
そのコンセプトのもと、
『キャリア教育プログラム』の開発がスタートした。
子供たちの「じぶん未来」のために、
学校ではできない、自分たちにしかできない教育。
それはいったい何なのか。
世界中の面白い教育プログラムを調査し、
自分たちの会社にしかない強みを分析し、
実際に、様々な試みがなされた。
例えば、高校生を社内研修という名目で、リクルート社内に招待し、
社員と一緒に行動させ、将来の仕事に関して考えさせた。
そして一方で、研修のレポートとして、
面白い「壁新聞」を作るという課題を与えた。
この試みは成功した。
価値観の違う社会人と行動を共にし、
また、行動に対する責任を与えられたことで、
高校生たちは皆、目を輝かせながら、
じぶんの将来について考えることができたようだった。
高校生たちのイキイキとした表情を見て、
佐野は自分たちの行っている「教育事業」の重要性を確信した。
しかし、1つだけ大きな問題があった。
それは、「採算がとれない」ということ。
会社として事業をするからには、
一定の収益をあげる必要がある。
だが、高校生相手の教育プログラムでは、
十分な収益をあげられない。
結局、会社の判断により、
教育事業は打ち切りとなった。
■■
■■ 俺がやってやる
■■
会社の判断で、教育プログラムは打ち切られた。
そして、佐野は別の部署に配属され、
教育事業とは関係のない別の仕事を任された。
だが、「じぶん未来」というコンセプトの大切さ、
子供たちがワクワクしながら、
自分たちの将来について考えられることの素晴らしさ。
それが頭から離れることはなかった。
そして、キャリア教育プログラムの構想から2年が経った頃、
ついに佐野は決意した。
「よし、俺が独立してやってやる!」
2005年10月、
佐野はリクルートの2度目の退職をし
「NPO じぶん未来クラブ」の設立に取り掛かった。
■■
■■ 8回泣いた
■■
会社をやめ、NPOを創ることを決心したのは良いものの、
実際に、何の事業から取り掛かるかは決めていなかった。
そんな時に出会ったのは、
アメリカに教育プログラムを実施している
「ヤングアメリカンズ(Young Americans)」という名前のNPO。
「ヤングアメリカンズ」は、アメリカで歌や踊りを勉強している
10代後半から20代までの、ブロードウェーの卵たちによる団体で、
その活動は主に、子供たちへの教育と、ミュージカルの公演である。
「アウトリーチ」と名づけられた彼らの教育プログラムは、
ヤングアメリカンのメンバーが世界の各地を訪れ、
現地の子供たちに向けた2〜3日間のワークショップを開き、
一緒に歌や踊りの練習をし、
最終日に観客を呼んで、ミュージカルを上演するというもの。
佐野は、会社を辞めた2日後にシカゴを訪れ、
ヤングアメリカンズによる子供たちへのワークショップを視察した。
その練習風景と、本番の舞台を見て、
46歳だった佐野は、
8回泣いた。
初めは内気だった子供が、ヤングアメリカンズとの交流を通して、
自分を解放し、どんどん表情が豊かになっていく様子。
違う価値観を持った、たくさんの子供たちが、
ミュージカルの上演という目標に向けて1つになり、
素晴らしいものを作り上げる様子。
それらは、佐野が「じぶん未来クラブ」において、
まさに実現したいことであった。
感動につぐ感動。
8回もの涙を流し、
佐野の中で何かが弾けた。
「決めた! 日本でヤングアメリカンのアウトリーチをやる!」
『NPOじぶん未来クラブ』の最初の事業が決定した。
■■
■■ 明るい『じぶん未来』
■■
シカゴでの感動体験によって、
日本で、ヤングアメリカンズによるアウトリーチを開催することを
決意した佐野。
だが、周囲はそんな彼に対して冷たい反応を示した。
「無理無理、絶対。採算がとれないからやめた方が良いよ」
「そもそも、アメリカ人の若者と、
日本人の子供じゃコミュニケーションできないだろう。
日本でやるのは無茶だよ」
事実、50人以上ものアメリカ人を日本に招待して
アウトリーチを実施するには、莫大な予算が必要であり、
また、ヤングアメリカンズは基本的に、英語が通用する
アメリカとヨーロッパにおいてしか活動をしていなかった。
だが、佐野は屈しなかった。
「そもそも、英語が全然しゃべれない大人の俺が、
ワークショップを見て8回も泣いたんだ。
大人より感性の豊かな子供たちなら、絶対にできる!」
「今の日本の子供たちに必要なものが、
このプログラムには全部詰まっている。
そのことを理解してくれる人はきっといる。
そして、続けていく中で、必ず収益はあがるはずだ!」
佐野の「先入観を持たず、元気・勇気・情熱を持って物事をやり遂げる」
という信念は、揺らぐことは無かった。
佐野は、周囲の反対にあいながらも、
自らの退職金の全てを投じて、
2006年の2〜3月に、日本でのアウトリーチを実施した。
ヤングアメリカンズのワークショップは2ヶ月の間に8回実施された。
6回は各地域の子供たちのため、2回は首都圏の大学生のため。
そして、全ての回において、
周囲の予想を見事に裏切り、
結果は大成功であった。
懸念であった英語の問題は、
ヤングアメリカンズのメンバーと、日本の子供たちの
身振り手振りや、表情によるコミュニケーションによって解決された。
内気だった日本人の子供たちは、ワークショップをすすめていく中で、
どんどんイキイキとした表情をするようになった。
そして、全てのワークショップの最終公演において、
観客からはスタンディングオベーションが送られた。
最終回、8回目のワークショップの公演では、
佐野の隣に、散歩がてらに劇場を訪れた
近所の老夫婦が座っていたのだが、
その2人は、舞台を見て号泣していた。
誰が、何のショーをするのかも知らずにフラリとやってきた2人。
もちろん、英語など全く分からない。
だが、子供たちのイキイキとした表情、楽しそうに劇をする姿に、
彼らは心打たれたのである。
佐野は、観客が舞台を見て感動している様子や、
参加者の子供たちのイキイキとした目を見て、
自分のやってきたことに間違いはなかったと確信した。
ショーを作り上げることは、一見すると
子供たちが自分の将来のことを考えることとは関係ないように思える。
だが、そうではないと佐野は言う。
「アメリカ人の若者。そして日本人の子供たち。
違う価値観を持った人間が、ショーの完成のために
1つになって集中する。
その過程では、
『自信を持つこと』
『他人への尊敬』
『チームワークの大切さ』
『表現することの喜び』
そういったことを学んでいくんです。
またそこでは、皆が自分の中にある先入観を打ち壊し、
元気・勇気・情熱を持って、一つの物を作り上げます。
それら全て、じぶんの将来をワクワクしながら考えるという
『じぶん未来』のコンセプトにおいて重要なことなんです」
佐野が目指した『じぶん未来』というコンセプトは、
ヤングアメリカンズのショーを通して実現した。
子供たちのイキイキとした表情が、まさにそのことを証明していた。
だが、その実現の過程において、一番大きな要因は何だったのだろうか?
それは、佐野が長年培ってきた、仕事に対する考え方であろう。
英語圏の子供たちのための教育プログラム。
絶対に成功しないと誰もが思った。
しかし、佐野だけは違った。
「先入観を持たず、元気、勇気、情熱を持ってすれば、
仕事は何でもできる」
佐野の強い信念。
これこそが、誰もが成功を疑ったプログラムの
素晴らしい成果を生み出したのである。
ヤングアメリカンズのワークショップは、
今年の夏に再び開かれる。
その後も、NPOじぶん未来クラブは、
「子供たちが、もっとワクワクしながら自分の将来を考えられる」
環境作りのため、様々なプログラムを展開していく。
佐野の「元気・勇気・情熱」は、
どんな困難な状況も乗り越えてきた。
それは、これからも変わることはないだろう。
そして、
佐野の「元気・勇気・情熱」は、
子供たちの「元気・勇気・情熱」に火をつけ、
ワクワクした『じぶん未来』への道に、明かりを灯し続けるだろう。
日本中の子供たちが、自分の将来を、
目を輝かせながらイキイキと考えられるようになる日が
もうすぐやってくる。
終わり
(文中敬称略)
___________________________________
【NPOじぶん未来クラブからのお知らせ】
☆Young Americans Meet Japanese Youth☆
もっと人とうまくコミュニケーションを取りたい人、
国際交流を通して刺激を受けたい人、
ジブンらしさって何だろうって考えている人、
夏休みに何か楽しいことしたい!
と思っている人……
日本の全ての若者に、
コトバを超えて、
文化を超えて、
今のジブンを超えていく、
奇跡の体験をお送りします!!
2日間のワークショップで、ダンス、歌、ミュージカルなどの
様々なジャンルのパフォーマンスの練習をします。
2日目の夜には800人の観客の前でショーを披露!
音楽の素晴らしさ、自己表現の楽しさが詰まった2日間。
「ヤングアメリカンズ」とは
アメリカの大学生を母体とするパフォーマンス集団です。
世界中で若者とショーを作る活動をしており、
今回のメンバーはBONJOVIとの共演後、来日します。
○●日程
8月15日(火)10時〜20時(ワークショップ)
8月16日(水)10時〜15時(ワークショップ) 16時〜18時(ショー)
○●会場
神奈川県立青少年センター(桜木町駅徒歩10分/みなとみらい駅徒歩15分)
○●参加費
12,000円(ワークショップ参加、Tシャツ、教材、ショーチケット2枚含む)
○●受講対象
18〜25歳位の男女 (定員200名)
※学生限定ではありません
○●ショーチケット (ショー鑑賞のみ・800席)
1,000円 ※ショー鑑賞のみご希望の方は、チケットぴあにてお買い求め下さい。
(P607-459)
○●申込み/詳細情報
→ YMJ 公式webサイト http://www.jibunmirai.com/ya/ymj/
○●お問い合わせ
→ YAアウトリーチツアーズ2006 YMJ事務局
古林奈保子 ymj@jibunmirai.com
___________________________________
【編集後記】
ライターの小笠原隼人です。
今回の佐野さんのお話、いかがだったでしょうか?
実は、僕が今回、
佐野さんに取材をお願いしたいと思ったのは、
僕自身が今年の春にヤングアメリカンのアウトリーチを体験し、
素晴らしい感動を与えてもらったからでした。
自らの退職金を全て投じ、一見無謀とも思える
プロジェクトを実現された方。
それはいったいどんな人物なのか?
その人物の過去の経歴
事業にかける情熱などをお聞きし、
そこから学べるエッセンスを、
このメールマガジンを読んでいる
全ての方に伝えたい。
その思いがきっかけとなり、今回の配信に至りました。
「先入観を持たず、元気・勇気・情熱を持って物事にあたる」
この考え方は、私たちの生活全てにおいて、
大きな意味を持つと思います。
辛い時期にあった佐野さんと同じように、
これを読んでいるあなたにも、
この先きっと困難な状況が待ち構えているでしょう。
ひょっとしたら、今がその時期なのかもしれません。
そんな時、今回の佐野さんのお話が、
状況を改善するヒントとなれば幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
ライター:小笠原 隼人
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■□次号予告□■
「俺たち学生の力で、武道館で1万人のイベントを開く!」
次号は、時代に新たな風を吹かすため、
武道館でのイベント実現に情熱を捧げる、闘志溢れる学生のお話。
「ロクデナシ」だった高校時代、訪れた退学の危機。
偏差値11から70へ、どん底からの這い上がり。
大学入学後、見失った自分の姿。
そして、決意を固めた現在。
今、彼が描くものは、
「僕らが本気で生きた時代。僕らの世代が次世代に残していきたい場所」
「本気」で生きる、男の生き様に迫ります。
8月5日号も、お見逃しなく!
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1)非常に満足している
2)まぁ満足している
3)やや不満である
4)非常に不満である
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4.主人公(もしくはライター)に一言!
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