プロを目指す学生たち〜学生時代にできること〜 |
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├┼┨ ETIC.mailmagazine 〜プロを目指す学生たち〜 ┠┼┼┼┼┼┤
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├┼┼┼┼┼┨ 2005.7.6 Vol.115-2 (全3話) ┠┼┤
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┃ ■■ 〜出来ることから一つ一つ〜
┃ ■■
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┃ □ 岡田 精一郎(おかだ せいいちろう)さん
┃
┃ □ 所属
┃ 「ピース・インターナショナル・アソシエイション」理事長
┃ http://www.k3.dion.ne.jp/~pia/index.html
┃
┃ □ プロフィール
┃ 1986年、東京都出身。
┃ 2003年、任意団体であった
┃ 「ピース・インターナショナル・アソシエイション」を
┃ NPO法人として設立。
┃ 理事長に就任。
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┃○第1話: フィジー
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┃●第2話: 楽しむこと
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┃○第3話: ひとつひとつ
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〜第2話〜 楽しむこと
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■■ 原点
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地平線に吸い込まれるように沈んでいく太陽。
満天の星空。
変わらない彼らの心の温かさ。笑顔。
幼いころ岡田少年の心を捉えた彼らの魅力と共に
雄大な自然に圧倒された。
バイト、人間関係。
自分の悩みの小ささ、くだらなさに気づいた。
「今まで何をやっていたんだろう。
もっと大きくいこう」。
今まで閉じこもっていた心が一気に晴れていった。
同時に小学生のころの自分の姿が頭を駆け巡った。
汚い川、海、よどんだ空気。
自分の生活する周りの環境がどんどん汚染されているのに
気づきながらも、何もしていなかった自分。
子どもたちの喜ぶ笑顔が見たい。
その想いの基、フィジーでの寄付活動にやりがいを感じていた
小学校のころの自分。
将来の仕事を考えたときに、今の状態から脱してもっと広い世界を
見てみたいと思う気持ちが強まった。
「いい体験になるかもしれない。
ピース・インターナショナル・アソシエイションの活動をやっていこう」。
ほとんど勢いでの決断だった。
けれども不思議と迷いはなかった。
それまでは父親の環太平洋文化教育交流財団の任意団体として
フィジーで物資支援やマングローブの植林などを行っていた
ピース・インターナショナル・アソシエイション。
「せっかくやるのなら大きな組織として活動してみたら」。
支援者の中にはそう言って支持してくれる人もいた。
折りしも世間ではNPO法人が注目を浴び始めていた。
任意団体では無く、NPO法人となればそれだけ世間から
注目を浴び、寄付や物資も集まる。
より大きな活動を行うことが出来るが、
その分責任も重くなる。
もちろん不安はあった。
16歳。
世間から見たらまだまだひよっ子だ。
周囲からは驚きや無理なのではないか、
という声もあがった。
けれども、考え方が同じならば誰がリーダーであろうと構わないと
言って賛同してくれる人の方が多かった。
今まで小さなことばかりに捉われてしまっていた自分から
脱したかった。
もっと大きな視野で考えたい。広い世界を見てみたい。
やる前からあきらめてしまうのも嫌だった。
何事もやってみないとわからない。
「周囲からなんと言われようと構わない。
やってみなくては始まらない」。
2003年7月。
ピース・インターナショナル・アソシエイションが
NPO法人として認定された。
300人以上のメンバー、支援者を束ねる
若干16歳の高校生理事長が誕生した。
■■
■■ マングローブ
■■
出来ることから一つ一つやっていこう。
自分のやりたいことが定まった今、迷いはなかった。
まずは今まで行っていたことを継続、拡大して
活動していくことから始めることにした。
「地球温暖化」
その頃ちょうど、この問題の深刻性、緊急性が日本でも
認識され始めていた。
環境問題にもっと本格的に取り組む必要性が高まっていた。
任意団体として活動していたときはフィジーの一部の場所で
数千本しか植えていなかったマングローブ。
「もっと大々的にマングローブを植えよう」。
そう決心した岡田の前に立ちはだかったのは、
フィジーの住民の無関心だった。
環境保全の必要性がわからず、せっかく植えたマングローブを
切ってしまう。
広範囲で行うには彼らの理解なしにマングローブを育てることは
出来ない。
そのためにも酋長のもとに足を運び、マングローブの
重要性を説いた。
生活環境や文化の違い。
何度も繰り返す話し合い。
そして、度重なる話し合いの末、ようやく酋長も理解し、
マングローブを伐採しないという契約を結んでくれた。
こうして、マングローブの植林を本格的に行えるようになった。
毎日何十本もスタッフとともに植えていく日々。
「まずはやってみないと始まらない」。
そう考えていた岡田にとって、フィジーで実際に自ら汗を流し、
マングローブを植えるのに何よりもやりがいを感じた。
けれどもこのまま自分たちが活動し続けることに疑問も感じた。
酋長との話し合いで、環境保全活動をわかってもらうためには
住民一人一人にきちんと説明して理解してもらわなければ
いけないことを実感した。
自分たち現地の住民でないものがその国の環境保全活動を
行うのではなく、理想はフィジーの現地の住民一人一人が
マングローブの重要性を理解し、植えること。
「どうすれば彼らもやってくれるだろうか」。
無理にやらせるのではなく、出来るだけ彼らの意志で
動いてほしい。
そこで、小学校にて環境教育を始めた。
子どもたちにマングローブの重要性を教えて環境問題に
関心を持ってもらうためだ。
また、マングローブを植えたら日本から寄せられた文房具を
あげる試みを行ってみた。
すると、文房具をもらうために子どもたちは毎日進んで
マングローブの植林を行うようになった。
マングローブ植林を仕事とする住民も増えてきた。
仕事がなく、貧しい生活をおくっている村の住民にとっては
新たな収入源となり、生活の助けになった。
自分たちの周りの環境は自分たちの手で改善していく。
たとえ環境保全そのものが純粋な目的でなくともかまわない。
義務として行うのではなく、楽しんで行ったほうが
活動が広がり、継続していく。
その結果として、自分達が生活する周りの環境が
少しでもよくなっていけばいい。
今まで数千本しか植えていなかったマングローブも
何万本の単位で植えるようになり、
現在では累計15万本以上に及ぶ。
マングローブの森はフィジーの住民の手によって
作り上げられている。
■■
■■ ふれあいロード
■■
インターネットやホームページによって活動が広まり、
これまで以上に物資や寄付金が寄せられるようになった。
その集まったお金でさらにマングローブを植えていく。
ピース・インターナショナル・アソシエイションの活動は
ますます拡大していった。
その活動場所もフィジーだけにはとどまらなかった。
ある日、東京都建設局が主催する
東京ふれあいロードプログラムの新聞記事を見かけた。
都内の道路の清掃活動や道路沿いに花を植える、
という記事の内容だった。
「まずは出来ることから一つ一つ」。
無理に大きな事から行うつもりはない。
地球温暖化。
この壮大な問題に取り組むのに、難しく考え始めてしまっては
何をしたらいいか分からなくなり、結局何も変わらない。
自分の手の届く範囲、生活している身のまわりから
きれいにしていこうと思った。
少しずつ道路や線路沿いに花や緑を植えていく。
頑張った分だけ道路がきれいになり、花が増えていった。
現場で実際に体を動かして活動することが何よりも
好きな岡田にとって、清掃活動や道路の緑化運動はやりがいを
感じられる活動だった。
そして、それ以上に岡田を魅了したのは地域の住民たちとの
活動だった。
地元の商店街の人たちと一緒に声を掛け合って
清掃活動を行ったり、花を植えていく。
活動を継続するためには、周りの環境に対する意識を高め、
理解、納得してもらわなければいけない。
フィジーでもそんな想いで活動を続けてきた岡田にとって
住民と一緒に汗を流すことは楽しくてたまらなかった。
道路をきれいにする、というボランティア精神で
活動しなくても構わない。
コスモスやマリーゴールドなど、自分の好きな花を植えるのを
楽しんだり、みんなでおしゃべりをしながら作業するのを
楽しむ人もいる。
大切なのは、地元の人が楽しんで行うこと。
楽しいことや好きなことをすることによって、
結果として自分の周りの環境保全につながればいい。
岡田自身も楽しむことを何よりも優先した。
「疲れたら休んで、時には息抜きをして。
無理に頑張り過ぎない」。
これは焼肉屋のバイトで学んだことだ。
自分を追い詰めすぎてしまっては楽しくなくなってしまう。
楽しくなくては続かない。
メンバーを率いる者として、
自分が続かなくなってしまっては
組織が成り立たない。
そのためにも、自分のペースを大事にした。
学んだことは他にもある。
焼肉屋でのバイト時代は、目上の人との
コミュニケーションに困り、ストレスに感じていた。
年上の人との接し方がわからなかった。
無理に構えたり、気にしすぎる必要はない。
あくまで自然体でいること。
分からないことは積極的に岡田から質問する。
そうすると、相手も自分に話しかけやすくなる。
こうすることによって、年の差がある中でもお互いに
コミュニケーションをとり、仲を深めることができた。
やりたいことに向かってまっすぐに進んでいけば
年齢は関係なくなる。
考えが同じなら、誰も年などは気にしなかった。
第2話終わり
(文中敬称略)
*マングローブ
一般の樹木に比べて、温暖化の原因といわれる
二酸化炭素(CO2)を3倍〜5倍吸収する性質を持っている。
また、CO2を削減するだけでなく、水の浄化や、生態系にも
よい影響をもたらすこともマングローブの良さの1つである。
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『次号予告』
フィジーでのマングローブ植林活動、国内での清掃活動や
緑化運動など、まずは出来ることから始めた岡田さん。
彼の行動を支える想いとは。
次号では改めて、現在の岡田さんに焦点を当てていきます。
第3話『ひとつひとつ』につづく
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