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プロを目指す学生たち〜学生時代にできること〜

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【 ETIC. 】プロを目指す学生たち〜「もう、切っても切れない縁になっていた」〜

発行日: 2004/12/5

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├┼┼┼┨      〜プロを目指す学生たち〜       ┠┼┼┼┤
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├┼┼┼┼┼┨    2004.12.5   Vol.101-1 (全3話)   ┠┼┤
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┃ ■■
┃ ■■ 〜もう、切っても切れない縁になっていた〜
┃ ■■

┃  □ 池上智之

┃  □ 早稲田大学政治経済学部3年

┃    神奈川県立湘南高校卒業。
┃    高校時代友人と組んだバンドで、ヨコハマ・ハイスクール・
┃    ミュージック・フェスティバル2000、
┃    TEENS’MUSIC FESTIVAL 2000、
┃    全国大会出場。
┃    2002年12月、「国際協力 風の会 東京」の代表就任。
┃    http://kazenokai.com/
┃    2003年、2004年、チャリティーコンサート
┃    「ASIAN HEAL JAM」を開催。
┃    http://www.geocities.jp/asianheal/

┃  【本号のポイント】
┃    ふとしたきっかけが、大きなパワーを引き起こす原動力になる。
┃    だからこそ、きっかけや出会いはどこに転がっているか
┃    わからない。
┃    一人のアーティストが自分の理想を全力疾走で追いかけるのは、
┃    いったい何のためなのか。

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃●第1話:一人のアーティストのはなし
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┃○第2話:すべてはこの瞬間のために
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃○第3話:彼らの追い風になりたい
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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        〜第1話〜 一人のアーティストのはなし
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 ■■ ASIAN HEAL JAM
 ■■


  2004年10月9日。
  東日本では史上最大級だったと言われる台風22号が上陸している最中、
  川崎のとあるライブハウスでコンサートが催された。

  ASIAN HEAL JAM‘04

  収益金は、アジア発展途上国の孤児たちを支援するNGOへの
  寄付に充てられるチャリティーコンサート。今年で2度目になる。

  「あの日はホントに大変でしたよ。台風で時間通りに来られる
  アーティストがほとんどいなくて到着した人から順に演奏して
  いくっていう状態でした(笑)」。

  このイベントを企画・運営したのは池上智之。

  半年以上前から計画していた日に、
  タイミング良く台風が上陸してしまった。
  この時の尋常じゃない状況で開催されたライブの様子を話してくれた。

  「HEAL」という単語は造語で、

  Honesty    「誠実」
  Enthusiasm 「情熱」
  Action     「行動」
  Love       「愛情」

  HEAL 「癒し」 (HEEL 「悪役」)

  というメッセージが込められている。
  ここまで、池上が歩いてきた道がこの単語に集約されていた。


 ■■
 ■■ 音楽というアイデンティティー
 ■■


  音楽を始めたきっかけは単純。

  中学生のころ、彼のいとこが長渕剛にあこがれてギターを弾いていた。

  「正直、ギターやったらもてると思った」。

  淡い期待から、池上もギターを握ってみた。
  そんな期待は空しく、早くも泡と消えてしまったが、
  それ以来、彼がギターを放すことは無かった。

  高校で本格的に始めて、音楽をやる楽しさを知った。
  中学でやっていたコピーバンドには満足できず、
  自分でオリジナルを作曲して、同級生とバンドを組んだ。

  放課後、週2、3回はスタジオを借りて練習。
  暇があれば、ギターの弦をいじっていた。

  気づけば、アマチュア5000組以上が参加する
  プロへの登竜門的なミュージックフェスティバルで、
  全国大会決勝に駒を進めていた。

  もしかしたら、グランプリを獲る実力をそなえていたかもしれない。

  しかし、本番はテンションが上がりすぎたせいか、
  規定時間オーバー。
  それに加えて、
  ヴォーカルがマイクスタンドを曲げるパフォーマンスのおまけつき。

  「将来のことを考えると、これで飯を食っていけると思った」。
  でも、世の中もっといろんなことがある。色々知りたいというのも本音。

  大学に進学すれば、学生という立場を利用して、
  ゆっくり自分のできることを模索できると考えた。
  もちろん音楽以外のことも含めて。

  卒業後まもなくバンドは解散。
  久々に勉強に集中し、一浪の末、早稲田大学に入学した。


 ■■
 ■■ 風の会
 ■■


  出会いは彼にとって一方的なものだった。

  入学後まもなく、サークル探しをしていた折に参加説明会で受け取った
  チラシの1枚。
  特別目を引くものがあった。

  「風の会 〜新規メンバー募集〜」

  そこには、東南アジアの子どもの写真が何枚か載っていた。
  こちらをじっと見つめている目がとても印象的である。
  その目はとても純粋であり、
  どこかハングリーさをぎらつかせているようにさえ見えた。
  恵まれている日本人の子どもにはできない表情。

  何か大きな衝撃を感じた。

  向こうで色々厳しいこと経験してるんだろうなぁと
  自然にメッセージが伝わってくる。

  すでにこの子どもたちと兄弟になったような気分だった。


  「こんな純粋なまなざしを向けてくれる子どもたちに
  俺は何ができるだろうか?」


  「国際協力 風の会 東京」は、
  事実上NGOとしてカンボジアなどの孤児たちへ支援活動を
  直接的にしている団体。

  普通に活動するサークルという域を超えているので、
  やるからにはしっかりついて来てほしいという意図が伝わった。

  さらに、ボランティア活動の一環として、
  音楽チャリティーコンサートを開催している。

  人のために活動することもできるうえ、加えて音楽もやっていける。

  そこで、ほとんど決意を固めていた。

  突然、ボランティア精神に目覚めたわけではない。
  幼いころから、ボーイスカウトなどの経験を通して、

  「人のために尽くす行動=自然と自分が楽しめる行動」。

  ということを本能的に理解していた。

  2002年、池上智之は新たなアーティストとして活動を再開した。


 ■■
 ■■ 反正統派
 ■■


  2002年12月8日。
  大田区のとある区民会館でコンサートが催された。

  「国際協力 風の会 東京」主催のチャリティーコンサート。
  出席者が椅子に座り、静かにジャズピアニストの演奏に聞き入っている。

  池上はプロジェクトリーダーとしてこのコンサートに携わっていた。

  しかし、彼は本当にやりたい音楽との方向性に違いを感じていた。

  もちろんこのコンサートを否定するわけではないのだが、
  伝統のある「風の会」のチャリティーコンサートとは別の色で、
  好きな音楽とチャリティーを結びつけられないだろうか、と考えた。

  「ボランティアをするにしても、まずは自分たちが楽しむことが大切。
  本当にオレがやりたいのは、型にはまらないアウトローなアーティストを
  集めて、参加者と一体で盛り上がれるようなライブ。外道(悪役)とも
  思われるくらいの・・・」。

  今回の仕事を通して、自分の理想が固まったような気がした。

  「こういうチャリティーというのは、アカデミック(正統的)なものこそ
  ふさわしい」と、方向性の違いに眉をひそめる人もいた。

  周りに話をしても、どういうものになるかわからないこともあってか、
  話に食いついてくれる人は少なかった。
  でも、根底にある思い、ボランティア精神に何ら違いは無い。

  「それじゃあ、実際にライブをやって形で示すしかないな」。

  池上は団体とは別に独自でチャリティーコンサートをすることに決めた。
  その一方で「国際協力 風の会 東京」の代表を引き受けていた。


  第1話終わり
  (文中敬称略)
___________________________________
  『次号予告』

 本当にやりたいことのヒントを見つけた池上。そのヒントを活かして、
 どのように動こうとするのか?そして、そこにどのような苦労が
 待っているのか?

         第2話「すべてはこの瞬間のために」につづく
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