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プロを目指す学生たち〜学生時代にできること〜

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プロを目指す学生たち〜学生時代にできること〜

発行日: 2003/3/8


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■ ■      E T I C.      ma i l    m a g a z i n e
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■ ■ ■        2003.03.08   Vol.63-2(全3話)
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           密着取材!プロを目指す学生たち

         〜学生時代に出来ること〜
                    
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                    〜This week CONTENTS〜    
  
     今回3日連続でお届けする内容のご紹介
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○第一話 :私の転機(前)
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●第二話 :私の転機(後)
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○第三話 :生きる選択肢
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■今回の「プロを目指す社会人」家本 賢太郎さんの横顔


□名前:家本 賢太郎 さん

□所属:(株)クララオンライン 代表取締役社長

http://www.clara.co.jp/company/iemoto/

□プロフィール:

1981年、名古屋生まれ。現在21歳。
12歳で脳腫瘍を発症し、その除去手術中に起きた医療ミス
によって下半身不髄となり生涯車いすでの生活を宣言される。
病室で読んだ新聞の株式欄に興味を持ち、株価予想のためパソ
コンを購入。その後、15歳でレンタルサーバーサービスを行う
会社を立ちあげる。「生涯車いすでの生活」が、1999年、奇跡
的に両足の運動機能が回復し、現在車いすなしでの生活に戻る。
2001年、慶応大学環境情報学部入学。2002年、特定非営利活動
法人、湘南コミュニティバス設立。


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              〜第二話〜  私の転機(後半)
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■本号のポイント

脳腫瘍の除去手術で医療ミスにあい、
下半身が麻痺してしまった家本さん。

生きる希望を断たれた彼を救ったのは、
同じく下半身が動かなくなった、
車いすのセールスマンでした。

彼と接していくうちに、
車いすの生活という現実を受け入れる
ことができるようになりました。

過去の出来事への後悔から、
しだいに現在、そして将来に、
気持ちが向かっていく。

その過程で、彼が気づいたこととは
何だったのでしょうか?

その気づきは、後の彼の人生に
どう影響したのでしょうか?

本号は、入院生活から起業そして大学生活まで、
彼の転機(後半)に迫ります。
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■■
■■ 『もし、彼らの行動になにか見返りを要求しているものがあれば、
■■  僕はおそらく拒んだと思うんです』

 今振り返って、社会に対して役立つことをしたいと
思うようになったきっかけは、入院中にいろんな人に
助けていただいたことですね。

そういう人たちっていうのは、対価を求めていない
んですよ。これは今思うことですけどね。僕がその人
たちのことを純粋にありがたかったと思うのは、彼ら
は自分たちの時間を犠牲にし、金銭的なものを犠牲に
してまで、僕が立ち直ることに対して必死に協力をし
てくれたわけですよ。

もし、彼らの行動になにか見返りを要求しているもの
があれば、僕はおそらく拒んだと思うんです。あの当時、
手術の失敗で体が動かなくなって、言葉も出なくって、
早く死にたかったですから。

そういう状況で、彼らは一切の見返りを求めずにサポート
してくれて、それに救われて、生きてみようと少し思え
るようになりました。

自分を犠牲にして他人の幸せなり他人が立ち直ろう
とするのに協力しようとする姿勢が、すごく
大きなことだと気づかせてもらいました。それが
自分は何をして生きるべきか考える大きなきっかけ
になったと思っているんですね。

"人に支えてもらってる"んだと、しみじみ感じたことで、
何か"人を支える手助けをしたい"って漠然と思うよう
になりました。

■■
■■ 『経営するという選択肢に、僕は初めて気がつくわけですね』
■■  

 入院生活では外部の人とコミュニケーションが
なかなか取れないので、ストレスがたまるんです。

そんな時、両親がパソコンを買ってくれました。
それからというもの、メールでいろんな人とやり
取りするのが、毎日の楽しみになりました。

そしたら、どんどん夢中になっちゃって。退屈しのぎ
に面白半分で作ったソフトウェアが賞をもらって、
その後ソフトの権利を売らないかとか、わざわざ
海外から病室まできてくれるオファーもあったんです。
なかには数百万〜数千万という値段で買いたいという
申し出もありました。

けれど、僕はお金儲けをしようなんて気がこれっぽっちも
なかったし、親が大反対したので断っちゃった。

その時に、自分で仕事をやれるんだっていうことに、
つまり経営するという選択肢があるということに、
僕は初めて気がつくわけですね。そうすると選択肢が
もっと広がってきて、どんな仕事をするのかがもっと
いろいろ見えてきた。

病気になって、コミュニケーションの取れない状況に
置かれなかったら、起業という選択肢を知らずに
生きてきたでしょうね。
 

■■
■■ 『ビジネスは社会に対する素晴らしい貢献だと思います』
■■

 中学校3年生の終わり頃、ようやく退院しました。
私立の中学校に通っていたので、同系列の高校には
自動的に進学できるはずでした。

けれども、その高校へ下見に行った時に、思い知った
んです。車いすで通学するのは、簡単なことじゃないって。

駅には階段の上り下りが多く、僕ひとりで利用する
のは困難がつきまとう。さらに、駅から学校まで
かなり距離があったので、タクシーを使おうにも、
タクシーは乗り降りが大変なんです。そして毎日
タクシーを使えば、金銭面も相当な負担がかかります。

学校の校舎も古かったので、車椅子の人に配慮した
つくりになっていません。狭い廊下、狭くて傾斜の
きつい階段。今の自分を考えたら、通学するのは
難しいかもしれないと思って、高校に行くことを
断念しました。

高校に行かないことを選択したことによって、
逆に、社会の役に立つことをやるという道がはっきり
しました。社会に役立つということは、僕には仕事
というものしか見えなかったんですね。

で、何の仕事をしたらいいか。僕にコミュニケーション
の喜びを与えてくれたインターネットを、こういう
コミュニケーションの武器があることを同じように
ハンディキャップをもっている人にも知ってもらいたい。

で、たまたまインターネットで知ったレンタルサーバー
の事業が当時はまだ日本にはなかったので、そういう
ものって面白いかなぁ、人の役に立てるかなぁと思える
ようになったんです。そして、15歳の時に会社を作りま
した。

だから、仕事をする根本っていうのは、社会に対して
いろんなお礼をしたい、あるいは貢献したいという気持ち
なんです。

ところがビジネスっていうのは、それができるツール
であるとはなかなか認識されなくって、金儲け=汚い面
もある。そうすると、ビジネスするっていうと汚いと
見える人もいるわけです。

ビジネスは当然利益を出すわけですが、
仕事自体の中に社会に対して貢献できる役割を
持っているんだと思っています。

■■
■■ 『学ぶっていうことは人間を謙虚にさせてくれるものだと
■■  思えるようになりました。』

 2001年、僕は慶応大学環境情報学部に入学し
ました。起業して6年目のこの時期に、大学に通う
ことで、経営者として十分な時間がとれなくなる
ことに不安もありました。

それでも、大学で勉強したいと思ったのは、
考える力を身につけたかったからなんです。

僕はこの先50年間、楽しんで仕事をしたいと
思っているんですが、このまま何にも知らずに
体力だけで突っ走っていって50年間行くのと、
幅広く、かつ自分が知らないことを知り、学び
ながら50年間過ごすんだったら、おそらく得ら
れるものは、学べる学べないで大きいと思う。

あと50年間ぐらいもっと楽しく仕事をしたいんで
あれば、もっと広く知識を吸収して、そして自分の
専門分野以外のことも理解できるように考える力を
つけたいんです。

だから僕は、勇気をもって寄り道をしようと
思ったんです。10年間ぐらい寄り道をするけれども、
でも、残りの40年間ぐらいはもっとハッピーに
なるだろうと思っています。

僕は仕事をしていく中で、自分の中にものを考える力
が出来上がっていないことに気がついたんですね。

中学校もほとんどいっていないし、高校は入って
すらいない。

でも別に、コンプレックス持っていなかったですし、
小学校中退みたいな学歴でも、社会は相手にして
くれるんですよ。ちゃんと頑張れば。

だから大卒なんていらねぇぐらいに思って、
馬鹿にしていた時期がありました。僕は勉強していな
くたって、利益出せるんだから、絶対に偉いんだ
ぐらいに思っていましたからね。有頂天になって
ました。自分の世界だけしか見ないで自分は何でも
知っているって思い込んでいた。

でも、そうじゃないはずなんだと。もっと、自分の
知らない世界があるはずだと思って、それを嫌でも
気づけるような環境に自分の身を置きたい。それで
大学に入学しました。

で、大学に入ってから実際に思ったのは、
もっとできる人もいるんだなとか、ビジネスに
ついて議論している人もいるんだなと思うと、
とても自分が人様に比べて何でも知ってますとか、
こんなことできますとか、一言も自慢できることは
何もないと感じました。

むしろ、学ぶことっていうのは人間を謙虚に
させてくれるものだと思えるようになりましたね。
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