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【聖書】三勇士

発行日時: 2005/11/5

 〓/†/【聖書を開けば・・・】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 第260号 〓〓〓

  おはようございます。きょうもご愛読をありがとうございます。

  先日、あるデパートで早や「おせち料理」の予約販売が始まったと聞
  きました。結構人気があったとか。
  えーっ、と思っていたら、今度はどこぞでクリスマス・ツリーが登場
  したとか。まだ2ヶ月先のことなのに。

  なんでも「早やけりゃ良い」ってもんじゃないと思うんですがねぇ。
  毎年商業ペースで事が進められ、今年も心のこもった「あたたかさ」
  は、どこにも感じられません。実に寂しいかぎりです。

  今日のメニュー:
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  ダビデはしきりに望んで言った。「だれか、ベツレヘムの門にある井
  戸の水を飲ませてくれたらなあ。」
  すると三人の勇士は、ペリシテ人の陣営を突き抜けて、ベツレヘムの
  門にある井戸から水を汲み、それを携えてダビデのところに持って来
  た。ダビデは、それを飲もうとはせず、それを注いで主にささげて、
  言った。「主よ。私がこれを飲むなど、絶対にできません。いのちを
  かけて行った人たちの血ではありませんか。」
  彼は、それを飲もうとはしなかった。三勇士は、このようなことをし
  たのである。
        (旧約聖書 サムエル記第二 23章 15−17節)
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 主君にとって、高価な財宝を多く手に入れるよりも優れてすばらしいこと、それは自らの家臣に「良いしもべを一人持っていること」です。現代風に言い換えると、例えばあなたの手元に良いアイデア・企画書がどれだけたくさんあることよりもさらに優ってすばらしいことは、あなたの下で働く忠実な一人の部下をもっていること、ということになるでしょうか。
 物事のすべては、結局は下働きをする人間の手をもって具体的実現へと導かれていくのですから、アイデアもさることながら、彼らの存在はもっと貴重であり大切です。

 旧約聖書に記されたダビデの記録を読んでいますと、彼の周辺にはそういった「良いしもべ」「忠実な部下」がかなり集まっていたことが分かります。ダビデの人望人徳の成せる業であったと思いますが、それにしても常々リーダーシップを求められる人たちにとって、これは実に羨ましいことです。「私にもこういう人材が身近にあればなぁ」なんて、職場の情景を思い浮かべながらため息をついておられる方、結構多いのではと推測する次第です。

 そこで今日は、ダビデの部下である「三人の勇者のエピソード」を取り上げ紹介したいと思います。彼らはペリシテ人との戦いにおいて、それぞれに華々しい功績を上げた人物で、いわゆる戦場のヒーローとしてイスラエルの民の間でその知名度はかなり高いものでした。

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 三人の勇者。彼らの名前とその功績について若干触れますと、まず一人目は槍の名手ヤショブアム。彼は一度の戦いで、三百人とも八百人とも言われるほどの大勢の敵を、自らの槍で刺し殺しました。二人目はエルアザル。彼はペリシテ人との戦いにおいて、剣が自分の手から離れなくなるまで容赦なく敵を打ち殺し、イスラエルに大勝利をもたらしました。三人目はシャマ。彼はペリシテとのある戦いにおいて、味方が彼を残してみな敗走する中、一人その場に踏みとどまり、孤軍奮闘をもって敵に立ち向かい、みごと逆転勝利をイスラエルにもたらした勇敢な戦士でした。

 もちろん彼ら以外にも、イスラエルには優れた武功を立てた兵士がたくさんおりました。しかし、とりわけこの三人の活躍は別格ものだったようです。

 ある日、そんな彼らの名声を「さらに一段と高くする出来事」が起こりました。それは、こう着状態が続くペリシテ軍との戦いの最中でのことでした。何気ない「君主ダビデのつぶやき」が、三人の忠実な部下の命を危険にさらすことになったのです。

 当時ダビデはアドラム(エルサレムから南西へ約25km下った村)の近くにあるほら穴の要害にいました。食糧や水の補給がままならない中、なかなか進展をみせない戦況に若干のイライラをつのらせていた彼は、気がつくとしきりにこんなことを口走っていたのです。『あぁ、ノドが渇いた。ベツレヘムの井戸のうまい水が飲みたいなぁ。』と。

 ベツレヘムの井戸、そこへ行くにはペリシテ軍が駐屯しているまさにそのど真中を縦断しなければなりませんでした。いったい誰が、たかが水一杯のことで、自らのいのちを危険にさらしてまで出かけるというのでしょう。おまけにダビデの口から出たこの言葉は《しきりに望んで》とは言え、単なる「わがままとつぶやき」の類ですから、みんなで聞こえなかったふりを決め込めば、それはそれで済んでしまう問題ではなかろうかと思ったりもするのです。

 ところがダビデ王の渇望を知った忠臣の彼ら三人は、決して「聞こえないふり」で済ますことができず、むしろしもべとして自分たちがいま為すべき事は何かを判断して、直ちに行動へと移ったのです。すなわち、彼らは敵陣を見事往復突破し、しかもベツレヘムの井戸の水を無事携えてダビデの元へと戻ってきたのです。

 彼らは主君の喜ぶ顔見たさに、早速水を差しだし言いました。「どうぞお飲みください。王様が欲しがっておられた、あの井戸の水です。」ダビデ王はどうしたでしょうか。おいしい、おいしいと言って、満足げにゴクゴク飲み干したでしょうか。いいえ、とんでもない。ダビデは結局その水を飲むことができませんでした。それを飲もうとはしなかったのです。

 ダビデは、今回彼らが汲み取ってきた水を「単にノドの渇きを潤す飲み水」としてではなく「尊いいのちの代償」として受け取りました。そして彼は、その水を神の御前に「尊いささげもの」としてささげたのです。
 ダビデには、三人の差し出す水が彼ら一人一人のいのちに価する「高価なもの」であると感じられました。ですからダビデはこれを「神へのささげもの」とすることで、彼らの働きおよびその忠義ぶりを喜ぶとともに、このすばらしい部下を与えてくださった神への感謝のしるしとしたのです。

 先にも述べましたが、ダビデには彼ら以外にもその名を広く知られた忠臣がたくさんおりました。しかし今回の出来事で、聖書は他のどの忠臣も《あの三人には及ばなかった》と記録し、彼らの姿・在りようをたたえるのでした。

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 この出来事から教えられることがあります。
 君主たる者、リーダーたる者は、いかにそれが本心からのものであれ、軽々しく人前で言葉にすることは避けなければなりません。また、たといそれが本人にとってどんなに意味のない、つまらない内容のものであっても、周囲の人には『命令』として威圧的に届くのだということを、権威ある者、日頃そういう立場にある人は忘れることなく、十分な配慮をもって発言すべきです。
 権威をつかさどる者、力ある者は、あなたの存在すべてに責任があることを是非自覚してほしいと思います。何気ないその一言が、忠義なる者、愛する者を危険へと誘うことがあることを覚えてください。

 またしもべたる者は、どんな時にもアンテナを伸ばして情報収集に努め、いざという時のための備えを常に計っておくことが肝要です。特に、自分が今仕えている主人の思いを知ることは、どれほど大切なことかを思います。
 主人の心を満足させること、喜ばせること、それが「しもべの生甲斐」とならねばなりません。「生甲斐」は多少言い過ぎであるにしても、常に相手を気遣う心は、どんな場合にも必要であり大切なことだと思います。

 織田信長に仕えていた頃の豊臣秀吉(当時は木之下藤吉郎といいました)に関する有名な逸話です。主君の出立の時刻を控えていたある冬の朝、藤吉郎は主君信長の足もとがさぞ冷たかろうと思い、彼の草履を自分の懐中に入れて温め、いざ出立というその場でこれを差し出したのです。それを履いた信長は、自らの足もとの温かさに気づき、最初は藤吉郎が草履を自分の尻に敷いて座っていたのではないかと疑い立腹します。しかし、事実はそうでなかったと知るや、信長は彼の忠義心、その心根にいたく感心し、その後彼への信頼を深くしていったということです。

 私たちは、その在りようが「リーダー」であろうと「しもべ」であろうと、互いの立場とそれぞれ相手の心を思いやる気持ちを常に大切にする者でありたい、と願います。良いリーダーになる秘訣は、自らがまず良いしもべになること。両者に共通する鍵は、やはり「思いやり」と「へり下り」でしょう。あなたも是非この資質を我がものとしてください。

 □□ 聖書の言葉 □□

    あなたの手に善を行なう力があるとき、
    求める者に、それを拒むな。

            (旧約聖書 箴言 3章 27節)

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          ローザ・パークスさんのこと

 ローザ・パークス? 知っている人には超有名な人物ですが、そうでない人には全くの見ず知らずの人でしょう。(当たり前か) 私は、恥ずかしながら後者に属する者ですが、先日新聞記事を読んで、紹介したくなりました。

 先月の24日、92歳で彼女が死亡したとのニュース記事がでました。新聞によれば、彼女はアメリカ黒人解放運動の先駆者で『公民権運動の母』と呼ばれているそうです。

 1955年、アラバマ州の市営バスに乗っていた彼女が、白人客に席を譲るようバス運転手から求められた際、それを拒否して逮捕されるという事件がありました。これがそもそものきっかけとなり、黒人による抗議運動へと事態が発展していったのです。
 バスボイコット事件としてそれは有名な事件となりました。彼女に対する不当な扱いに怒った黒人たちは、その後こぞって市営バスに乗ることを拒否し、どこへ行くにも徒歩を貫き通したそうです。しかもそれは一年以上にわたって続けられたとか。

 当時のアラバマ州では黒人差別が激しく、人種隔離法なるものが存在していました。たとえば、店で帽子を買い求める際には、だれでも頭のサイズを試着して確かめるのですが、黒人の彼らには、肌に直接触れないようにと、頭にストッキングをかぶることが義務づけられていたそうです。列車に乗っても食堂車は使わせてもらえません。エレベーターも荷物用しか使うことが許されませんでした。それがこの州の人種隔離法でした。生活のあらゆる分野において、黒人である彼らにだけ厳しい規制がしかれていたのです。

 パークスさんが黒人である事を理由に、白人に席を譲れと人権を全く無視した形で求められたこと。これを拒否したことにより不当逮捕されたこと。ルーサー・キング牧師の指導のもとで、非暴力で抵抗する運動が始められました。 様々な弾圧があったものの、翌56年、連邦最高裁が同州の人種隔離法は違憲であるとの判断を下したのです。
 これを受けて全米で黒人解放運動が盛り上がり、遂に『公民権法制定』につながったそうです。

 一人の女性の勇気が一致団結する民衆の無言の抵抗を生み出し、それが遂には理不尽な悪法をも粉砕するという、すばらしい成果をもたらした出来事。今から50年前のことでした。

  (資料:朝日新聞 10月26日および11月2日付朝刊記事より)

 〓〓☆★ つうしん ★☆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 

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  • 滋賀県大津市在住のキリスト教プロテスタント系牧師です。日曜礼拝と祈祷会および聖書学び会を三本柱に、自宅にて毎回集会をしています。私の願いは、一人でも多くの方がまことの神様を知ってくださることです。そのためにも小冊子・チラシなどを配布し、地域の布教活動に取り組んでいます。

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