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***********************2001.11 vol.3***
国民生活センターはいかに日本の浄水器をダメにしたか
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作成者 弁護士 湯 坐 博 子
・・・INDEX・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第4 国民生活センターの浄水器に関する、国民への誤導
1 水質基準のテスト方法の無知
2 水道法・水質基準に対する無知
第5 国民生活センターが明らかにした浄水器を非難の対象とした理由
1 センターの裁判における主張
2 センターの主張の不合理性
(1) 浄水器の機能
(2) 浄水器に外部から一般細菌及び大腸菌群が侵入すること
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第4 国民生活センターの浄水器に関する国民への誤導
国民生活センターは平成元年より平成6年まで5回、浄水器の[商品テス
ト]、[苦情処理テスト]を発表し、毎回[浄水器の浄水から水質基準を越える
雑菌が出たから浄水は汚染されている]、さらには[水道法水質基準にもな
い48時間滞留水テストを創設し、浄水器の滞留水から水質基準を越える
雑菌が出て汚染されている]と非難してきた。
1 水質基準のテスト方法の無知
水道水の重要性に鑑み水質検査の正確性・統一性をはかる為水道の水質
検査については国立、都立衛生試験所、東京都水道局水質センター、学者
等によって構成される水質試験方法等調査専門委員会、衛生常設調査委員
会によって[上水試験方法](旧厚生省水道環境部監修、日本水道協会)が
定められ、水道水を含むすべての水質検査は上水試験方法によって行われ
ることになっている(水質基準に関する省令の施行にあたっての留意事項
について 平成5年12月1日旧厚生省水道整備課長通知)。
しかし国民生活センターは水質基準の検査方法を無視し、または知らな
かったものか、でたらめな方法による誤ったテストによって得られたテス
ト結果を根拠とし、浄水器の浄水を水質基準を超える雑菌が出て、汚染し
ている、衛生的でないと発表し、国民を誤導してきた。
2 国民生活センターの水道法・水質基準に対する無知
国民生活センターは、誤ったテストによって浄水器から水道法水質基準
が定める1ml中100個を超える一般細菌が検出されるかを基準として[汚
染]と標榜した。以下述べるとおり浄水器に水道法・水質基準が適用される
と誤解し、さらに水道水中の一般細菌は無害であるのに有害と誤って判断
したもので誹謗中傷である。
(1)水道法は原水を水道水に加工するための安全基準である。
水道水は、蛇口から放出されるまでの水で、浄水器に給水された水は
水道水でなく水道法・水質基準の適用はない。
センターが浄水器の浄水に水質基準を適用し、浄水器から水質基準
を超える雑菌がでるとして浄水器を非難してきたことは水道法の適用
を誤ったもので法の無知によるものである。
(2)水質基準は水道水の消毒基準である。
水質基準は、農業・工業排水、し尿処理水、家庭廃水等を含む汚濁
した河川等の水を飲用可能な飲料水に加工(消毒)するための水道事
業者に対する加工基準である。
水質基準において一般細菌100個までを基準とするのは、一般細菌
が100個に減少する程度まで消毒すれば水道水の消毒が十分であると
判断するための消毒基準である。
一方、水道法第4条1項1号は水道により供給される水は[病原生
物に汚染され、または病原生物に汚染されたことを疑わせるような生
物若しくは物質を含まないこと]と規定し、さらに水質基準は[大腸
菌群は検出されないこと]と規定する。いずれも水道水から病原菌は
もちろん、大腸菌群も1個たりとも出てはいけないことになっている。
したがって水道水中に一般細菌100個の存在を許すことは、水道水
中の一般細菌は有害でないことを示すものである。
ちなみに大腸菌群のうち有害なのはごく一部の菌で、大部分は無害
な菌である。しかし水道法水質基準は大腸菌群を糞便汚染の指標菌と
して無害なものを含め、水道水より大腸菌群をすべて排除することに
より、飲み水の安全を保証している。大腸菌群および病原性細菌は1
個たりとも存在を許さない水道法の建前から、水質基準で100個まで
存在を許される一般細菌は有害菌ではない。
(3)水質基準は水道蛇口までの水道管を流れる水についての基準である。
水質基準に基づくテスト手続きを定めた[上水試験方法]はテスト
原水採水後直ちに水質テストする事と定めている。したがってセンター
が行った48時間も滞留させた水について水質基準は適用ない。
水道水の塩素は一晩汲み置きすれば大部分蒸発する。塩素がなくな
れば汲み置きの水も一般細菌ばかりか大腸菌群も増殖する可能性がある。
水道事業者は水道法により水道水の水質基準を厳格に守ることを要
求され、違反すれば水道法により刑事罰の対象となる。蛇口から放出
され48時間も滞留させた水に水質基準が適用され水道事業者に刑事
責任を負わせることができると考えるとすれば非常識である。いずれ
の点からも滞留した水道水に水質基準適用の余地はない。
しかし国民生活センターは、これまで、水道法・水質基準に対する無
知から浄水器の中に水を48時間滞留させ、水質基準を適用して、『水
質基準を超える一般細菌が増えた』『雑菌が出る』として、飲み水とし
て汚染されていると浄水器の誹謗中傷を繰り返してきた。マスコミは
これまでセンターの発表を鵜呑みにしてセンセーショナルな報道を繰
り返してきた。
国産浄水器メーカーは国民生活センターの非難を恐れ、これに迎合し、
無害な一般細菌除去のため殺菌の目的で銀をコーティングした活性炭や、
一般細菌も濾過するとして親水剤を塗布した中空糸膜などを使用するよ
うになった。前回述べた通り銀は有害性が指摘され、アメリカでは銀は
毒物としてトリハロメタンなみに1リットルあたり0.1mgまでと規制し
ている(USEPA 安全飲料水法水質基準)。
第5 国民生活センターが明らかにした浄水器を非難の対象とした理由
1 センターの裁判における主張
以下は裁判においてセンターが浄水器を非難する理由として述べた主
張の引用である。(原文のまま、高裁判決書166頁から168頁)
「浄水器における一般細菌の繁殖は、使用開始前から浄水器内にもと
もと存在する特定の細菌が繁殖するものではなく、浄水器においては
水道水中に含まれていた塩素が除去され、細菌が繁殖しやすい状態と
なるため、浄水器外部から進入した一般細菌が浄水器内の活性炭や滞
留水で繁殖することが問題となっているのである。
浄水器から検出される一般細菌はある特定の細菌というのではなく、
浄水器の周辺に存在する雑多な細菌なのであり、もし周囲に有害な細
菌が存在すればその細菌も浄水器内に侵入し繁殖する可能性があるの
である。
外部から侵入した一般細菌が繁殖するのであるから、衛生管理の悪
い状態で使用した場合、例えばトイレに行った後手を洗わないまま浄
水器を使用したり、その周囲で調理したりしているような場合、原水
の水道水からは検出されることのないはずの大腸菌も検出されること
になるのである。
そして浄水器は一般には台所に設置されているが、一般家庭の台所
に各種有害菌の存在していることは常識であり、かかる場所に設置さ
れた浄水器には、これらの細菌が浄水器内に侵入し繁殖する危険性が
常にあると言わざるをえず、一般細菌の多数検出された浄水は飲料水
として衛生上問題があるといわざるをえない。」
2 国民生活センターの主張の不合理性
(1)浄水器の機能
浄水器は水道水を浄化する器具であり、台所周辺・人体の手などの消
毒を目的とする消毒器具ではない。台所の不潔や使用者のトイレに行っ
て手を洗わないのは個人の衛生思想の問題で、まな板に大腸菌が発生す
るのは台所使用者の責任である。
(2)浄水器に外部から一般細菌及び大腸菌群が侵入すること
カートリッジ交換方式の浄水器の場合はカートリッジ交換の際、細
菌侵入の可能性は否定できないが、ナンバーワン浄水器はカートリッ
ジ交換の必要はなく密閉型であり、水道水以外の外部から細菌等の異
物が侵入する余地はない。
細菌混入の原因は、水道水か水道水を長時間滞留させた受水槽の水
によるものである。国民生活センターが発行する「くらしの豆知識」は
[ビルの貯水タンク等でいろいろな汚染があると塩素がなくなることが
あります。]と受水槽の細菌等による汚染について警告している。(同
184頁)
次回は、
(3) 国民生活センターは受水槽と高置水槽の滞留水を使用して浄水器をテスト
です。
お楽しみに。
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編集・発行: 弁護士 湯 坐 博 子
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