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中学受験の質問箱332

発行日: 2005/9/7

○○○○○○○○○○ 「中学受験の質問箱」 ○○○○○○○○○○

第332号 2005/09/07 発行  発行者=福、ジンパチ

このマガジンは保護者からメールでいただいた質問に
中学受験を体験した方が答える方式のものです。
(なお、塾の講師の方々からの回答も含めます)

///////////////// 今回の質問と回答 //////////////////////////////

0540 質問者 神奈川県 大和市 STさん

Q:国語の長文読解についてお伺いいたします。   
六年生で終盤も近いというのに、国語の長文読解がのびず苦しい思いをしております。 
特に読むスピードが遅いのです。 
急いで読もうとすると上滑りしてしまい、頭には何も残らない、、という有様です。
「内容をつかみながら、何が書いてあるのか頭におきながら、、』
とか塾の先生には注意を受けるのですが、
長文に息切れしてなにをいったいどうやったら、頭に残せるのかわからないのです。
実際、具体的には何をどう頭にのこすのでしょうか? 
スピードをあげるために、何を具体的に教えてあげたらよいのか途方にくれてしまいます.
どうぞよろしくお願いいたします.

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回答者:埼玉県 ゆーかりさん

A:国語の長文問題対策はとても難しいですね。 
特に、6年生になると、練習問題自体も長く難しくなってきますし、
過去問に当たるようになっても、特効薬がなかなか見つからず、 焦りがでてきます。  
我が家の長男(中2)は、文字からその風景や状況・感情が具体的に頭に描けず、
言葉としては理解できていても、文章として理解することが不得手でした。
また、語彙が少なく、意味が解らない言葉でひっかかり、文章を読み進めることができませんでした。  

そこで、我が家でやってみた対策をいくつか・・・
・寝る前に枕元で、10分間読書用の本などの短い文章を、私が音読して、  
情景などを想像しながら聞くようにさせました。 

・解らない言葉は、時間があれば辞書を引かせ、そうでないときは意味や  
使い方の例をその場ですぐに教えました。 

・「国語の問題の答のほとんどは、その文章の中にあり、ヒントは問いの中にある」ことを、
実際に問題を解きながら教えていきました。  
他にも、ことわざや四字熟語などの単語カードを作り、塾の行き帰りに おぼえさせたり、
少しでも言葉に興味を持たせるように親も協力しました。  

今、次男(小5)が、長文拒否症なので、また、長文対策を始めなくてはと思っています。
子供の語彙の少なさに愕然とする日々ですが、
毎日少しずつやっていくと、受験の時には、大きな力になっているように思います。  
STさんも頑張ってくださいね。 

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回答者:関西 元・塾講師さん

A:一口に長文といっても、入試問題によって長さが異なります。 
例えば最高水準問題集(文英堂)に収載されている入試問題は2000字程度で、
B5用紙2枚に収まるくらいの長さです。 2000字は400字詰め原稿用紙で5枚に相当します。 
このくらいの長さなら、読書感想文や紀行文(日記)を書かれたことがあるのではないのでしょうか。 
最初から全文をつかもうとせずに、
先に設問を読みながら積み上げるように解いていく方法はどうでしょうか。 
あるいは問題文を適当な数に分割して、
長文も短文の集合体であると意識するようにしてはいかがでしょうか。 

言葉の意味がわかっていないと、当然ながら文章を読んでも理解できません。 
英単語を知らずに英文を読むのと同じであり、ここに原因があるのであれば語彙力をつけることが先決です。
日常生活で日本語を話していれば、
国語が難しいと考える必要は全くないと強く暗示をかけてあげてください。  
また、国語の入試問題が子供さんにあった志望校をさがされることです。 
6000字を超える長文問題もあり、このような中学は受験候補リストからはずします。 
選択式と記述式のどちらの問題が多いのか、そして好んで出題されるジャンルを調べます。 
志望校の過去問を解いてみて、子供さんとの相性を検討してみます。 
国語の合格最低点をクリアできていれば十分です。 

合格最低点に達していなくても、同じ中学の他年度の国語の問題も解いてみようと
子供さんが意欲を示されたら、受験候補として残しておきます。 
解説を読んでもわかりにくい問題であれば、その中学は子供さんに適していません。
物語文でカタカナの人名が多数登場する問題がありますが、
登場人物の名前が混乱して解けない場合があります。 
大学受験においても、カタカナ名が覚えにくいからと世界史を避ける生徒がいるのと同様です。 
広く浅く勉強する世界史が受験には有利と教師が説いたところで、
カタカナ名に馴染まない生徒は日本史などを選択します。  

問題数をこなして読解スピードを上げるトレーニングは小5までに行い、
小6になったら知識を増やし確認することに重点を置くのが理想です。 
入試までの残り時間を考えますと、長文読解に時間をかけ過ぎず、
割り切って他の教科を伸ばすのも悪くはありません。  
塾の課題や模試に振り回されることなく、
志望校をターゲットにした長文読解対策を立てられた方が良いと思います。


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0541 質問者 関西 悩めるママさん

Q:小5男子の母です。
4年生まではYの教材を買って自宅でやらせていました。
5年から地元の大手塾に通わせています。
4年まではときどき模試を受けさせており、どの試験でも偏差値で62〜3ありました。
しかし塾に入ってから成績がどんどんさがりはじめて、
夏休みには55になってしまいました。
塾の宿題はやっているようですが、自宅でYをやっていたときより、
塾でやっている問題量が減っているように思います。
通塾で時間ばかりがとられてしまい、本当にこれでよいのか親は悩んでいます。
こどもは塾をやめる気持ちも、志望校(偏差値63)をかえる気もありません。
どうしたら成績が元に戻るのでしょうか。お願いします。

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回答者:関西 元・塾講師さん

A:精神科医の和田秀樹氏の著書「受験は要領 中学受験編」(PHP研究所)
を読まれたことはありますでしょうか。 この本は保護者対象のためか、やや控え目な書き方をされています。
志望校の過去問は早い時期に解いてもできないので、小6の夏前ごろから解くように勧めています。 

同じく和田氏の著書「新・受験は要領」(KKロングセラーズ)は、
大学受験をめざす高校生対象であり、後輩を導くような論調で書かれています。 
この本では、過去問は歯が立たなくても早い時期に目を通すように勧めています。 
中学受験におきましても、小4や小5から志望校を意識した勉強をする方が合格に近づきます。 
小4や小5から入試説明会や文化祭などには参加しているのに、
過去問を見たこともなければ敵を知らずして戦うようなものです。 
ただし、和田氏の方法論を伝授されたとしても、
志望校をしぼることができない受験生は多いのではないかと思います。 
関西には2〜4教科の中学入試がありますが、塾のカリキュラムは全ての中学を目標に組まれています。 

このような全方位型の勉強計画を立てると、
無限大の学力をつけなければならなくなると和田氏は説いているのです。 
その非効率の象徴ともいえるのが、灘中学(3教科校)と開成中学(4教科校)の併願受験です。 
生徒に進学する気が無いのに、塾は合格実績を上げるために記念受験させてきました。 こ
の無意味な併願に心を乱されて、本来の志望校に合格できなかった受験生もいるでしょう。   

さて、ご質問の本題に入ります。まずは志望校(偏差値63)を確定させるかを検討します。 
「偏差値なんか無視しろ」と和田氏が著書で書かれているように、
現在の子供さんの偏差値には関係なく校風や立地などで決めてください。 
病気や事故の心配をしながら12歳まで育ててこられた子供さんです。 
「そんなにうちの子が欲しいのか?」くらいのお気持ちを志望校に対して持ってください。 
お母様も納得のいく志望校であれば、この中学合格に向けて勉強方法を工夫していくのです。 

模試につきましては、質問箱倉庫2004年−3−45番での回答を参考にしてください。 塾
の模試は退塾を防ぐために100点と0点が出にくいように意図して作られますから、
易問〜難問までそろえてあります。 出題傾向が異なる志望校の合格可能性を、
同じ模試の問題ではかろうとするところに無理があります。 
志望校別模試にしたって、中学の先生方が作成された問題ではないのです。 
少なくとも過去問を解いたときの成績に比べて、志望校別模試の成績が高過ぎたり低過ぎたり、
すなわち易し過ぎたり難し過ぎたりしていては話になりません。 

一部の中学で行われているプレテストが広く行われるようになれば、そ
のプレテストの解説講義を塾がするようになり、志望校別模試は姿を消すことでしょう。 
ご質問の内容からは、まだ模試を絶対視した呪縛(?)から抜け出せないでおられるようです。 
それはともかく、小4のときに比べて小5では受験者数は増えていますでしょうか。
母集団が変われば偏差値も変動します。 教科ごとの偏差値はどうでしょうか。
模試の難度は小5レベルでしょうか。 
これらを総合しても全体的に学力が伸びていないと考えられるのであれば、
小4までのご自宅での学習法と、小5からの塾での学習法を比較してみます。 
問題の量が減ったと感じておられるようですが、問題の質はどうでしょうか。 

見かけ上にしても模試の成績が下がっているのに子供さんが転塾したいと思われないのは、
塾で友達と過ごすのが楽しいからかもしれません。 このままでは志望校に合格できないとお話されれば、
どうすべきかを子供さんも真剣に考えられるでしょう。 
現在の塾で続けるのか転塾するのか、あるいはご自宅での学習に戻すのかを慎重にご検討ください。 

ちなみに、高橋秀樹氏と牧嶋博子氏(ご夫婦)の共著「中学受験で子供と遊ぼう」(日本経済新聞社)
の文中に、<妻のつぶやき>というコーナーがあります。 
「父親の熱心な子は受かる!?」というタイトルで、父親の協力度をレベル1〜10に分類されています。 
最高のレベル10は、「塾へは行かせず、自分で勉強を教える」になっています。 
しかし、お母様にしろお父様にしろ、親御さんに教えてもらうのではなく、
子供さんが自分で勉強するようになるのが理想といえます。   

ご質問に関連して、塾および中学について書きます。 
バブル経済の頃には塾講師が不足していましたが、
不況の現在では「でもしか」塾講師が増えているかもしれません。
 この業界の特徴の一つに、「プロ」という言葉が汎用されていることがあげられます。 
大学生のアルバイト講師と区別するために用いたのでしょうが、
塾に勤めて生計を立てているだけなら、わざわざ「プロ」と付ける必要はありません。
会社に勤めて生計を立てている方を「プロ会社員」と呼ぶでしょうか?
「プロ」を自称する塾講師は信用できません。 
新聞などの広告を見られればわかりますように、塾講師の求人は30歳代までが多いです。 
夏期講習のように一日中教壇に立つには体力が要り、若い塾講師が多い理由の一つです。 
授業技術とは別に人間的な素養を求めるのであれば、中学受験の経験があり、
かつ自らの子供を中学受験させたことのある塾講師がベストです。
若い塾講師にお母様方がいらだつ一因は、保護者の心情が実感しにくいことでしょうし、
それを責めても仕方ないです。 PL法の影響なのか保護者からのクレームを恐れ、
不合格になったときに釈明する予防線を張っている塾講師に教わっていても、
子供さんの才能は開花しません。 

塾の基本方針があっても、塾生や保護者の要望に応えていくうちに方向性が狂ってくることもあります。 
給与をもらっている間は黙っていた塾講師も、退職すると本音を語るようになります。 
生徒数の多かった時代を経験しているベテラン塾講師は、
生徒の集まりにくい現状をさびしく感じていることでしょう。 
複数回入試でバブル受験をあおってきましたが、実際には定員割れの中学が続出している有様です。 

関西では来年の統一入試で、バブル受験は崩壊することでしょう。 
国立中学が抽選をやめる方針であるのが象徴的です。 
このサイトで回答する際に便宜的に「難関」中学と表現していますが、
競争倍率の低い現在では難関なんて存在しません。 
一昔前の中学入試では、先着順で若い受験番号を取るために徹夜で並ぶ親御さんがおられました。 
中堅クラスの私立中学でも、受験番号の1番〜10番まで全滅のことがあり、
合格発表時にはどよめきが起こったものです。 
一部の中学を除いて1校しか受けられない完全な統一入試でしたから、
入学したくてしたくて受験生が祈るような気持ちで受けているのに、非情にも不合格になっていたのです。 
その当時に比べて現在では、いわゆる「超難関」中学でも
10名いれば5名前後は合格掲示板に受験番号がのっていて、
さらに繰上げ合格も加わり緊張感が弱くなっています。 口にこそ出さないでしょうが、
一昔前の激戦を知るベテラン塾講師は気合いが入らないことでしょう。 

私立中学が生徒集めに努力してきたわけではなく、
私立中学受験は公的教育の地盤沈下に助けられてきたともいえます。 
私立中学に過剰な期待を持たれない方が良いです。 連日のように塾に通わせた挙句、
自学自習の習慣がつかず、進学した中学でついていけない生徒は増えています。 
小4〜小6までの3年間を塾漬けにすれば、中学の3年間も同じ生活を続けなければ学力は維持できません。 
一昔前でしたら公立中学に転校する生徒はゼロに近く、付設高校に進学できない生徒もまれでした。 
付設高校に進学できなかった生徒でも、他の高校ではトップになれましたので立ち直れました。 
中高一貫校のデメリットは、学校との相性が悪ければ暗い青春時代を送らなければならないということです。
 公立学校がうれしがって中高一貫校を設立していますが、
思春期に3年ごとに学校をかわれるメリットを放棄することになるのです。 

社会人でも遠方への3年間の転勤辞令であれば容認できても、
6年間の転勤辞令であれば転職や独立を考える社員もでてくるでしょう。   
ご質問されたお母様は受験に対する意識が高く、
「あなたたち退きなさいよ、私が教えてあげるわよ。」という次元に達してしまい、 
子供さんが中学入試を終えられたら塾講師として登壇されているかもしれません。

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