シンクタンク山崎農業研究所が農業を中心として健康・食べ物・人物をめぐる情報を提供し、読者との意見交換をはかる農業カルチャーマガジン
- 最新号:2008-10-02
- 発行周期:隔週刊
- 読んでる人:212人
- 創刊日:1999-07-08
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『電子耕』No.207-2007.04.19号
発行日: 2007/4/19
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隔週刊「農業文化マガジン『電子耕』」 第207号
−環境・農業・食べ物など情報の交流誌−
2007.04.19(木)発行 山崎農業研究所&編集同人
<キーワード>
環境・農業・健康・食べ物などの情報提供、高齢者と若者、農村と都市の
交流ミニコミ誌。山崎農業研究所&『電子耕』編集同人が編集・発行。
http://www.taiyo-c.co.jp/public_html/yamazaki/yama_index.htm
*************************************発行部数 1303 部***************
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□ 目 次 □----------------------------------------------------
<巻頭言> 失われた家庭の食卓 松坂正次郎
<82歳のメッセージ> 私の血圧管理手帳 原田 勉
<三田上水紀行> 7. 三田と街の美観 安富六郎
<銀幕閑話>毎日インタラクティブで『電子耕』が紹介されました。
<編集後記> サザエさんの食卓
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<巻頭言> 失われた家庭の食卓
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野っ原で草野球に没頭していたら、母が「肉屋さんで細切れを買ってきなさ
い」と言って、お金を渡した。おう、今晩は、きっとカレーライスだぞと判断、
お金をしっかり握り、駆け足で肉屋さんに走り、豚細(コマ肉)を求めて急い
で家に帰る。私が子どもだった昭和初年代の頃は、カレーライスは「上等食」
だった。
夕食時、食卓につくと、何とも幸せなカレーの香りが溢れている。父、母、
兄、姉、兄嫁、甥2人、姪に私で9人が飯台を取り囲む。山仕事を終え、帰途
を急ぐ農家の馬車が家の前を通る。近所の犬がほえる。豆腐屋のラッパの音も
通る。「おい、一番星見つけたぞ」と甥の1人が指さす。母が蚊取り線香に火
を付ける。たちまちカレーの鍋は底をつく。
いま思うと、これが“家庭の団らん”というものであろう。周囲の家庭も、
家族数も収入もどっこいどっこいの質素な暮らしだったから、隣家からカレー
の匂いが流れでてくると「お隣りでは今晩はカレーだな」とすぐわかる。どこ
の家でもせいぜい月に一度の“豪遊”に、どの家の子どもも胸を踊らせた。何
としあわせな時代だったなと思う今日この頃である。
この静かな世界を壊したのが、戦争と近代機械電気文明である。昭和39年の
東京オリンピックを契機にテレビが全国的に普及、いちはやく時代の流れを察
知したジャーナリストの大宅壮一氏は「1億総白痴時代に飛び込んだ」と鋭く
時代を斬った。それが今はケイタイ、インターネットに支配される時代となり、
いわば“1億総痴呆症(認知症とはキレイごと)時代”に入っている。「核
(核兵器)」はもちろんゴメンだが、家庭の食卓も団らんもない“核家族”も
いかがなものか。
松坂 正次郎
山崎農業研究所顧問、「農政と共済」コラムニスト
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<82歳からのメッセージ> 私の血圧管理手帳
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82歳になったので私の近況報告をする義務があると思って、反省をこめて心
境を述べます。
まず、いろいろな病気を重ねて、皆様にはお見舞いや御心配をいただいてあ
りがとうございます。
おかげさまで82歳まで生き延びることができました。
想えば大患が何度かありました。
42歳のとき腰椎椎間板大手術で半年入院。
72歳1月眼底出血で右眼0.05の視力となる。
74歳のとき脳内出血で2ヶ月入院。
76歳のとき多発性骨髄腫(血液がん)の告知・検査入院。
そのほかに持病のC型肝炎、高血圧症など、よくぞここまで生きてこられた
と思います。いずれもその当時は命取りの病気でした。
余命3年といわれた時もありましたのに不思議と血液がんも進行せず、肝が
んにも発展せずにおります。
なぜなのか自分でもわかりません。
その間治療と言えば、毎週1回の鍼治療に五反田駅前の山下鍼灸院に通って
います。それと隔週に血圧測定と定期診断は近所のホームドクターに診て貰い、
3ヶ月に1回の血液がんの検査です。
服薬は、血圧降下剤(ムノバール5mg)を1日1回。入眠剤(マイスリー5mg)
を就寝前に1回。毎食後は整腸剤ビオフェルミン1服だけです。抗がん剤は用
いてません。いわば健常者と同じ状態といえましょう。
日常気をつけていることといえば、冒頭にあげた血圧管理手帳を日記がわり
に毎日つけていることです。これは血圧高めの方には是非おすすめしたいこと
です。
私は脳出血の前歴がありますから、その時から医師に勧められて始めたもの
です。それは、とくに心筋梗塞は早朝に起こりやすいと言われたからです。早
朝は血管が破れたり血栓ができやすいので、脳卒中や心筋梗塞など脳心血管病
を起こしやすいのです。
私は、だから起きてからすぐ血圧を測ります。高い方が150ぐらい。低い方
が90以下だったら安心です。もう1回は就寝前です。
降圧剤の服用は朝まで持続するように、就寝時に飲むようにしています。
この血圧管理手帳を2週間に1回定期検診の時ホームドクターの点検を受けて
指導してもらいます。半年分の手帳はホームドクターから無料で提供してもら
っています。
高齢になると困るのが便秘です。腸管の動きが鈍くなるので、整腸剤ビオフ
ェルミンを処方してもらってから、この悩みがなくなりました。前によくやっ
ていた胃炎や十二指腸炎も病院でピロリ菌除去の処置をしてもらってからなく
なりました。
身近にホームドクターがいる事が長寿の秘訣だと思っています。以上を考え
てみますと、自らの自然治癒力のためかと思います。
それを助けているのが鍼灸による免疫力の増加ではないかと思います。
老後をいかに生き、いかに死んでゆくのか、観察を続け報告してゆきたいと
思っています。
山下鍼灸院
http://nazuna.com/tom/yamashita-ac/index.html
山崎農業研究所会員・『電子耕』編集同人
原田 勉
tom@nazuna.com
http://nazuna.com/tom/
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<三田上水紀行> 7. 三田と街の美観
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三田村は室町時代から富豪の住んでいた所と言われる。江戸時代には徳川の
松平家、島津家、細川家などの屋敷もあった。幕府御用地や大名、旗本の下屋
敷(別邸)の庭には、三田用水からの池や滝が各所に設けられた。大邸宅には
庭園は付きものである。高台の御殿山、八つ山、島津山、花房山、池田山など
の名は、この地域は坂や起伏も多く、低地もあり、池を中心とした造園には恵
まれた地形にあることを示している。
中でも、九州の島原藩主松平主殿頭下屋敷の三段の滝(千代ヶ池の滝)は三
田用水からの引水による庭園であった(目黒1−1)。いまは建物が建って、
その跡形もないこの場所の様子は、浮世絵から想像できる。歌川広重の「名所
江戸百景」にある桜の咲いている「目黒千代ヶ池」は5段の見事な滝である。
全体の絵に見る高さは20mはある。水量は一見、玉川上水本流くらいはあろ
うか。色彩の美しさと印象的誇大描写は浮世絵の魅力である。しかし絵全体は
現在の周辺の段丘地形を、かなり忠実に現しているのに驚く。これは、この地
番を一周することで実感できる。満開の桜は当時の様子を彷彿とさせる。
白金台の庭園美術館や自然教育園内にも幾つか、庭園に池がある。このあた
りの用水は暗渠化されていたので、その正確な配置図は不明であるが、これら
の庭園への引水に、土地の多少の高低は問題なかったと考えられる。あるいは
サイホンを使ったのかも知れない。地形的に見て、この地域の屋敷も三田用水
からの取水は、さほど困難でなかったと思われる。
岡山藩池田家の下屋敷であった池田山公園の滝も三田用水からの取水である。
三田用水から庭園までの分水路は、いまは狭い道路となっているが、高台を巡
って滝に通じていた。この自然の土地の高低差を利用した回遊式日本庭園は、
都市化の真っただ中にあるものの、静かな住宅地区にあり、いまも当時の様子
を残しているような名園である。これらの庭園の湧水や滝は、池を中心に多様
な景色を創りだしたであろう。三田用水からの取水によって、この地域では日
本庭園の美が競われたのではあるまいか。
昔、この周辺低地には多くの水田があり、用水は重要な水源であったから、
農民の水争いも少なくなかったと記録されている。庭園で鑑賞された後、水は
再び灌漑水に利用されたであろう。これは水不足に悩む水利組合は厳しい水管
理を行っていたことから、当然、考えられることである。いまは多くの古い庭
園は失われたが、用水は街の美観のみならず、この地の居住性を一段と高めた
のであり、現在の「まちづくり」にも大きな影響を与えてきたと思われる。
(山崎農研会員、「電子耕」編集同人 安富六郎)
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<銀幕閑話>毎日インタラクティブで『電子耕』が紹介されました。
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『電子耕』104号 2003.3.6.
http://blog.mag2.com/m/log/0000014872/75166145.html
で、以下のようなご案内をしました。
------
(新企画)『電子耕』読者の毎日新聞の紀平さんがアジア映画コラムを始めた
という案内を頂いた。その内容は「中国映画の制作者たちは抑圧体制下で検閲
を経ない作品を海外の映画祭に出品するという方式で反骨の強い意志を表現し
ている」という。
以下の紀平さんのメールから
「毎日新聞のウェブ版「毎日インタラクティブ」で拙稿のコラム「銀幕閑話」
が始まりました。中国を中心に香港、台湾などの中国語圏映画や韓国、ベトナ
ム、フィリピンなどアジアの映画を紹介していく予定です。新作紹介に留まら
ず過去の名作も取り上げ、アジアの人々の息吹を伝えていくつもりです。満映
のことも機会があれば触れたいテーマです。」
------
現在は以下のURLで2004年のバックナンバーまで読めます。
MSN-Mainichi INTERACTIVE 銀幕閑話
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/ginmaku/
その2007年4月6日のコラムに『電子耕』が紹介されました。ありがとうござい
ました。
銀幕閑話:第134回 映画を見て若返る(紀平重成)
http://nazuna.com/200704d207-1
(↑URLがメルマガ規定より長いので転送アドレスを使用させていただきまし
た。編集部)
一部を引用させていただきます。
「5年前に77歳で「メールマガジンの楽しみ方」(岩波アクティブ新書)を出
した原田勉さんは、その誠実な生き方を日ごろより尊敬している知人である。
彼がメルマガ「電子耕」の3月8日号で「映画は心を若くする」というタイト
ルでシニアを元気付けるエッセーを書いているので紹介したい。
若いときは雑誌編集や教育映画の制作、70歳になってからは伝記ライターと
して活躍してきたが、体力の衰えなどにより、ここ数年は映画館から遠ざかっ
ていた。これではいけないと思っていた矢先に出会ったのがアメリカ映画「父
親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」だった。」
(中略)
「この2作品に触れてから、原田さんは映画を積極的に見に行くようになった。
山田洋次監督の「武士の一分」をはじめ、中国や韓国の作品。同じアジアでも
考えや生活スタイルが異なるところがおもしろいと改めて気づいた。
そして「シニアにとって映画は積極的行動と心の若返りを奨める優れた芸術
作品である」というのである。
原田さんが病気や体力の衰えにも関わらず、映画館に足を運び、同じ作品を
何度も見、深く考察し、次にアジアの映画に描かれる生活様式の違いまで思い
をめぐらせているのは、間違いなく心の若返りを示すものであろう。
邦画ブームである。昨年は久しぶりに洋画より邦画収入の方が上回った。客
席は若い人でいっぱいだ。それでも「スウィングガールズ」以来、若い人に交
じって中高年世代も姿を見せ始めている。「ALWAYS 三丁目の夕日」、そして
「フラガール」。映画館には無縁だったような中年の男性が、感動の涙でクシ
ャクシャになった顔を洗うため、いつもはガラガラの男性用洗面所が、にわか
に混む様子も珍しくはなくなった。「懐かしい」という気持ちもあるだろう。
中には、感動に浸ってリフレッシュする快感を覚え始めた人もいるはずだ。
ちなみに私も涙腺が緩くなったことをひしひしと感じるこのごろであるが、
はずかしがってはいられない。原田さんに負けず今まで以上に映画館に入り浸
り、感動の涙を振り絞って若返りを図ろうと思う。中高年のみなさん。映画館
で会いましょう。」
さっそく息子(今年で50)が常磐炭坑労働者たちの復活劇「フラガール」の
DVDを借りてきました。同級生からも薦められたそうです。私も楽しみにして
います。
紀平さん、これからも大いに私たちを刺激してください。よろしくお願いし
ます。ありがとうございました。
「スウィングガールズ」公式サイト(近日終了)
http://www.swinggirls.jp/
「ALWAYS 三丁目の夕日」公式サイト
http://www.always3.jp/05/
「フラガール」公式サイト
http://www.hula-girl.jp/
「硫黄島からの手紙」4月20日、ビデオ・DVD発売・レンタル開始
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
山崎農業研究所会員・『電子耕』編集同人
原田 勉
tom@nazuna.com
http://nazuna.com/tom/
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<編集後記> サザエさんの食卓
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テレビのアニメ番組「サザエさん」は日本でも有数の長寿番組である。放送開
始は1969(昭和44)年。わたしも子どもの頃見ていたし、いまは子どもたちと
いっしょに見ている。
「サザエさん」では、家族そろっての食事時の光景がよく出てくる。しかし、
自分の子どもの頃(高度成長期)を思いだしてみても、そして、いまもそうな
のだが、家族そろっての食事というのはなかなかない。
子どもの頃は家族別々の食事も当たり前だと思っていた。しかし自分が親にな
ってみると、そういう食事はけっこうさびしいものだということに、というよ
りも、さびしく感じている自分に気づく。
松坂正次郎さんが<巻頭言>で家族の団らんについてふれていた。かつて当た
り前であったことが、いまでは希であることはよくあるといえばそうなのだが、
共に暮らす、共に生きるということの原点は、やはり食を共にすることにある
のではないか。
食事を大事にするというのは、たとえばヨーロッパでは当たり前すぎるくらい
当たり前だ。それは生きるということの大元に、ほかの誰でもない「あなた」
と食を共にすることを、食を通じてかけがえのない「あなた」とコミュニケー
ションをはかるということを置いているからではないか。
コミュニケーションはいっしょに食べる人との間だけでなく、調理を通じて食
材との間にも、さらには食材の購入をつうじて、売り手やつくり手との間にも
成り立つだろう。ヨーロッパの人々が地域性(とりかえることのできないロー
カリティ)を大事にする理由もこのあたりにあるのかもしれない。
2007年04月19日
山崎農業研究所会員・田口 均
y.noken@taiyo-c.co.jp
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となっております。投稿される方はこちらのアドレスにお願いします。
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次回 208号の締め切りは05月07日、発行は05月10日の予定です。
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★『メールマガジンの楽しみ方』発売中
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
書名:岩波アクティブ新書45『メールマガジンの楽しみ方』
著者:原田 勉 定価:735円 発行日:2002年10月4日
発行所:岩波書店 ISBN4-00-700045-X
まえがき・目次・著者紹介・注文方法はこちら
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