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『電子耕』No.198-2006.12.14号
発行日: 2006/12/14
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隔週刊「農業文化マガジン『電子耕』」 第198号
−環境・農業・食べ物など情報の交流誌−
2006.12.14(木)発行 山崎農業研究所&編集同人
<キーワード>
環境・農業・健康・食べ物などの情報提供、高齢者と若者、農村と都市の
交流ミニコミ誌。山崎農業研究所&『電子耕』編集同人が編集・発行。
http://www.taiyo-c.co.jp/public_html/yamazaki/yama_index.htm
*************************************発行部数 1325 部***************
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□ 目 次 □----------------------------------------------------
<巻頭言> 汚職事件に思うこと 林 尚孝
<読者からの声> 長谷川さんから;「いじめ」を考える
<81歳のメッセージ> 老後を楽しく−−研究中 原田 勉
<山崎農業研究所現地研究会( シンポジウム)要旨>
「湖沼の水質汚濁−改善方策を霞ヶ浦に学ぶ」
(3)地域農業と結びついた養豚経営 鹿熊 修氏
<メンカン便り> 11月27日 高田忠典
<編集後記> 隠し味は……ウケなかった
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<巻頭言> 汚職事件に思うこと
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この2カ月の間に福島県佐藤栄佐久知事、和歌山県木村良樹知事および宮崎県
安藤忠恕知事の3知事が官製談合や収賄の容疑で逮捕され、追及されている。
唖然とすると同時に情けなさを感ずる。この種の事件は、県知事だけではなく
国会議員、都道府県会議員や市町村長など数知れず、報道されてきた。再発防
止策が取られながら、どうして絶えることがないのだろう。汚職事件には相手
があり、なりふり構わずあの手この手で契約を取ろうと、業者側が無理な攻勢
をかけていることも確かである。業者同士も談合し、受注のたらい回しをして
いることも報道されてきた。談合を排除した最近の入札では、また新たな問題
を生み、入札予定価格の半分以下での入札が行われる例もあるという。
これらのニュースを読むと30年以上前の事件を思い出す。私の勤めていた大学
を卒業し、大手ゼネコンに入社したS君を一年半後に現場に訪ねたことがある。
その夜、酒を酌み交わしていたら、彼は会社を辞めたいと言いだした。慰留し
ても辞意が固いので、その理由を聞いて驚いた。現場監督をしているが、工事
に必要な経費を渡されず、この経費で施工しろと命令される。設計図通りの施
工は無理なので、コンクリートの厚さや鉄筋量を誤魔化して施工せざるを得な
い。しかし、完工検査のときは、数日前から眠られず、当日はいつ指摘される
かとドキドキし通しである。このような思いを一生するのかと思うと、この会
社に勤め続けることは出来ない。S君の切実な告白を聞き、私からも転職を勧
めた。転職した彼は、その後いきいきと仕事をしており、転職してよかったと
今でも思っている。
談合を防止できても、果てしない受注競争が行われると、入札予定価格を大幅
に下回る落札が行われ、現場ではS君のような被害者が大勢生まれるのではな
いか。経済のグローバル化が、土建業だけではなく、日本全体を激烈な競争社
会に巻き込んだためか、正社員を取らずパートなどで経費節減を図ったり、ワ
ーキングプアを生みだしたりしている。これらの歪みが自殺者の増加に現れて
いるのではないか。汚職事件は、考えてみると現代技術文明の矛盾として現れ
ているのであり、その矛盾の解決法を見出さない限り、絶えることはないので
はなかろうか。
林 尚孝
山崎農研会員・茨城大学名誉教授
y.noken@taiyo-c.co.jp
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<読者の声>
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■12/01 長谷川さんから;「いじめ」を考える
みなさまへ
寒いと思うとまた汗ばむような日があったり、テラスの立浪草が春だと勘違い
したのか紫のかわいい花を咲かせています。
皆様お変わりございませんか?
いよいよ今年も残すところ1ヶ月になってしまいました。
今年はことのほか月日のたつのが早かったようであっという間の一年でした。
この1か月「いじめ」と「自殺」そしておかしな事件のニュースばかりでした。
リーフ君は保育園の年中さんから小学3、4年生まで「いじめ」を受けたとい
います。
去年の1月そのリーフ君から「自殺を考えた」というメールをもらいました。
今回丁度そこのところをアップしました。
今でもあの時の驚きと怖さは忘れることが出来ません。
そして私なりに一生懸命考えてどきどきしながらメールを送りました。
今回いじめの問題が大きくなって私なりに思ったことを書き加えてみました、
今社会全体で考えていかなければならない問題だと思います。
どうぞお読みいただいてご意見をお聞かせいただけたらと思います。
長谷川
[夢のかけら]
http://www.h3.dion.ne.jp/~nanchan/
[なんちゃんの思い出玉手箱]
http://www.geocities.jp/nanchan7205/top.html
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<81歳のメッセージ> 老後を楽しく−−研究中
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一般に定年後は長いという。定まった仕事がなくなって自由になったという
ものの、1ヶ月もすると、何をやって良いのか分からなくなる。暇をもて余し
て、つくづく人生は長いものと感じる。
私は幸い77歳ぐらいまでは、近藤康男先生の膝下にあり、何かとお手伝いす
ることもあった。
そのおかげでまったく仕事がなくなるという思いをしなかった。しかし、先
生が昨年11月25日に亡くなられて、もはや一周忌も済んだ。
さて、これからどうしたものかと困った。幸い図書館に長年勤めていたので、
読みたい本はいくらでもある。若いときに精読できないで積ん読した本がある。
時には農業関係以外の読み物を市立図書館から借りてきて読んでみた。
たとえば、藤沢周平全集、池波正太郎全集などの時代小説。司馬遼太郎、吉
村昭の歴史小説など、その他手当たり次第に読んでみた。
これらいわゆる大衆小説は、読んで面白いし、なかなか味わいがある。中で
も藤沢周平の小説は、市井もの、武士もの、歴史ものと幅が広く、その人生観、
夫婦愛、人間愛は、人生訓といってよく、山本周五郎の系統をひいているよう
に思える。藤沢周平は没後十年も過ぎたのに、未だ映画、テレビ、ラジオで全
盛を誇っている。
私も追っかけて映画、テレビで藤沢作品を楽しみ、さらに小説も、併読して
いる。
たとえば、「用心棒日月抄」「三屋清左衛門残日録」「蝉しぐれ」「たそが
れ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」などである。
特に「武士の一分」は山田洋次監督、木村拓哉主演で12月1日からロードシ
ョーになっている。原作は、『隠し剣秋風抄』の中の一遍「盲目剣谺(こだま)
返し」である。人間の愛と人生の真相を照らしだしている。
とくに「蝉しぐれ」は傑作と評判が高く、テレビドラマ化・映画化され、私
も二度も読み返した作品だが、作者は新聞小説に連載しているとき、書いても
書いてもおもしろくないので苦痛で仕方がなかったと、会心の作とは一回も思
わなかった。読者もさぞ退屈したことだろうと思ったそうだが、一冊の本にな
ってから爆発的な反響で、藤沢の代表作とまで言われている。こんなこともあ
るのだと私も知った。全集も読んだが文庫も買って読み返している楽しさであ
る。
老後の楽しさは、自由な余暇があることだ。
いちばん多い例は前に上げた小説だが、毎晩夕方になると、食後のテレビと
ラジオである。
大河ドラマ「功名が辻」は毎週日曜日の楽しみだが、そのほかに衛星放送の
洋画に思わぬ外国の考え方や生活様式とともに名作物語がある。
私は中国以外外国に行ったことがないので、アメリカ物やヨーロッパ物に惹
かれる。それもサスペンスでなく愛情物語をよく見る。歳のせいだろうか。
もう一つは戦争反対ものである。
最近作は、テレビ放映やDVDレンタル開始が待ち遠しく、ロードショーのア
メリカ映画「父親たちの星条旗」を見に行った。
硫黄島に立てこもる日本軍を3日で占領すると言っていた米海兵隊が36日か
かった苦戦である。最後にスリバチ山に星条旗を立てた6人の兵士の写真が、
全米の厭戦気分を一掃するのに役立った。生還した3人の「勇士」は、戦費調
達の国債募集キャンペーンに動員され、人生が一変してしまうという悲劇であ
る。全編を通じて見終わると戦争反対の作者たちの気持ちがよくわかる。アメ
リカの良識である。
12月9日からのロードショーは同じスタッフが日本側からこの戦闘を描いた
「硫黄島からの手紙」。今度は栗林中将以下、日本軍の壮烈な戦いと故国の人
たちを思う心を描いているという。
これも是非見たいと思う。
ラジオ深夜便も楽しみのひとつだ。夕飯を食うと眠たくなる。一息眠ると、
12時頃は目が覚めてなかなか寝付けない。そのときの助けになるのがラジオで
ある。NHK第1ラジオの深夜放送は、アジア、ヨーロッパ、アメリカからの電話
で現地報告がある。居ながらにして外国の生活が手に取るほどにわかる。
1時からは「母を語る」や「心の時代の人生論」。珍しい体験や生きざまなど、
新聞紙上では見られないエピソードが聞ける。「健康百話」や歴史物語、夜景
探訪、障害を克服した話など。月に何回かは地方の民話、古典落語なども定期
的に聞ける。
これらは、老後になったからこその楽しみである。団塊の世代の方は、とく
に今から試してみられたらいかがかと思う。
映画「武士の一分」公式サイト
http://www.ichibun.jp/
映画「父親たちの星条旗/硫黄島からの手紙」公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
NHKラジオ深夜便 公式サイト
http://www.nhk.or.jp/radiodir/shou/shinya/shin.html
山崎農業研究所会員・『電子耕』編集同人
原田 勉
tom@nazuna.com
http://nazuna.com/tom/
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山崎農業研究所現地研究会( シンポジウム)要旨
2006年10月28日(土)土浦茨城県霞ヶ浦環境科学センター 16名参加
「湖沼の水質汚濁−改善方策を霞ヶ浦に学ぶ」
(1)霞ヶ浦の水質改善の成果と課題 元・東京大学教授 田渕俊雄氏
(2)北浦の流入河川の窒素濃度の変遷 茨城大学農学部 加藤 亮氏
(3)地域農業と結びついた養豚経営 鹿熊養豚場代表 鹿熊 修氏
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講演要旨
(3)地域農業と結びついた養豚経営 鹿熊養豚場代表 鹿熊 修 氏
日本全国ではこの15年間に飼養農家数は約1/6に減少し、1戸あたりの平均飼養
頭は約4.5倍に増えた。経営の集約化が進んでいる。
茨城県は平成17年度で飼養戸数685戸、1戸平均917頭で全国生産の6.5%を占
める。昭和30年代には飼料はおもに残飯。自家農産物食品加工副産物による副
業養豚であり、糞尿は自家堆肥になっていた。昭和40年代に畜産排水が注目さ
れた。昭和40年代後半〜50年代前半に畜産公害が全国的に問題となり、公害対
策事業が始まる。昭和50年代後半〜平成になって飼養の大規模化が始まり、廃
水浄化対策が進む。このころから地下水や生活水系への汚染が問題となった。
平成10年以降、肉骨粉の使用禁止、排水処理プラントの普及があったが、環境
三法((1)家畜排泄物の管理、利用に関する法、(2)肥料の取り締まりに関する
法、(3)持続的農業の促進に関する法)などの公布過程でいろんな問題(矛盾
点)が出てきた。
畜産廃水には水質汚濁防止法(水濁法)、霞ヶ浦条例などの規制がある。現在、
水濁法で見ると、豚房面積50平米以上は特定施設の届け出が要る。BOD、COD、
SS、リン、大腸菌の規制を受ける。水濁法では湖沼への排水量は1日50立方米
以上は規制される。しかし霞ヶ浦条例ではこれに上乗せ規制がかかり、1日排
水量が20立方米となっている。
これらの厳しい規制によって経費がかかりすぎて廃水浄化処理能力が目標に達
しない。とくにCOD、全窒素、全リンは規制値達成技術がまだ完成していない。
このため、大きな経済負担が農家にかかる。行政当局も農家が納得いく廃水処
理モデルを描きつつあるがまだ十分でない。
さらに基準値達成しても浄化槽の設置場所と道路管理、河川管理、土地改良、
漁協など異なった管理基準なので、河川、用排水路、道路側溝などが簡単には
使えない。土地改良区や漁協の補償金要求には対応しきれない。
養豚現場で蒸散方式をとるにも、適切な場所がなく、経費に大きな負担がかか
る。曝気式の簡易浄化槽を使用しても液肥の農地への還元場所がない。さらに
堆肥化促進にしてもコストや、流通利用が進まないなど、さまざまな矛盾がで
る。
残された問題は堆肥、液肥化して広域な流通、利用を図る努力、さらに地域に
結びついた養豚経営、高度浄化装置の導入、堆肥の地域還元、堆肥の減量化の
促進と同時に水系汚濁の原因となる宅地の増大、農地や森林の減少、生態系の
アンバランスの是正である。
(山崎農研所報「耕」111号参照 文責 安富六郎)
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<メンカン便り> 11月27日 ※メンカン=ゾンカ語で病院
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(*電子耕編集部より:毎月連載予定の「メンカン便り」はブータンからの
通信事情により、9月・10月分が配信されませんでした。恐れ入りますが、
http://bhutan.fan-site.net/takadasann.htm
のページでお読みいただければ幸いです。)
---
皆様
今年も気がつけば師走に入り1年の早さに驚かされるばかりです。いかがお
過ごしでしょうか。
いつも月末ギリギリにお送りしております「メンカン便り」ですが、11月
号明らかに送信が遅れてしまいました。すでにクレームも頂いております。お
許し下さい。
言い訳を致します。
先日出産予定日より2週間程早く、家内が緊急手術により女子を出産致しま
した。丁度都合の悪い事に義理の両親が不在しており、なんの経験もない小生
が一人出産前後の世話をする事態となってしまいました。「ブータンで手術」
と聞くだけで「大丈夫?!」と仰いたくなると思います。当然私もその事態は
避けたかったのですが直前で更なるリスクを負うよりはと思い決意致しました。
結果直前で西洋人のドクターも執刀すると分かり胸をなで下ろしたのですが、
ドキドキの連続でした。
無事2400gと予定よりも大きな女子が誕生。驚いたのはほ乳期で数日過ごす
のかと思っていたらすぐに母親の元へ。腹を切った家内も3日目には退院して
笑わせると痛がるもののあとは平常に過ごしています。強靱というか動物に近
いというか感心しました。普段から治療に当たるこちらの患者達は鍼が良く効
くなと思っていましたが、特に私の治療技術が上がったのではなく、もともと
強い自然治癒力がなした業だったのですね。。。
また政府も粋なもので出産後、夫の方にも5日間の休暇を与えてくれます。
「お、これで貯まっている仕事が家で出来るぞ」などと思っていたら、とん
でもない。休暇が与えられるなりに家の仕事があります。特に3日間に渡る仏
事の準備、勝手の分からない私に与えられた仕事は、朝から外で香として焚く
杉や松といった枝をとりに山へ入ります。また仏事が終われば祝いに来てくれ
る方々のために食事や特にチャンケという甘酒やバター茶の準備に追われます。
しかし、その忙しい中にもブータンでの出産という一大イベントを楽しんで
いるのは事実です。この事件によって毎月の「メンカン便り」の配信が遅れま
した事心よりお詫び申し上げる次第です。娘への溺愛の誘惑を振り切り12月号
はきっと年内に。。。。
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始めてブータンに足を踏み入れたのが98年の夏。それから今日に至る短い間
に関らずヒマラヤの小国が近代化を受け入れ変わりゆく姿を目にしてきた。
土壁の素朴な平屋が次々とティンプーの町並から姿を消し、変わりにコンク
リート建てのビルが所狭しと軒を連ねた。路上を行き交う車の増加率は年間20
%増、登録台数では首都ティンプーにおいて大人1人1台ずつが車を所持して
いる計算になるという。
家々の食卓ではテレビ、DVDといった娯楽用家電製品の普及に伴い円卓で
会話を交わす風景が少なくなっている。加えて国民の英語識字率の高さもメデ
ィア、インターネットを通した海外の情報吸収に拍車をかけている。
一方、ブータン政府では政策として近代化を支持すると共にこの変化のスピ
ードに対応すべく伝統文化の保護にも勤しむ。ブータンの伝統医学もまた織物
や工芸、舞踊とともに王立政府に保護されながら運営されている。
いまこの国の行く末の中で「変わりつつあるものと、変わらないもの」双方
が織りなすバランスからひと時も目が離せない。
今回は伝統病院で行われる治療法のひとつ、四部医典の論説タントラ第20章
にも「5つの外科療法のなかで最も優れた療法」と評される瀉血療法を紹介す
る。
この療法はヨーロッパを含め世界中の医学史に登場する最も原始的な外科的
療法で皮膚の各所に小さな傷をつけ余分な血液を体外に出す。日本にも伝わる
瀉血療法は刺絡療法と呼ばれ古代中国で高度に発展した鍼灸術のひとつだ。
歴史ある優れた治療ではあるが微量の血液を体外に出すため医師法との兼ね
合いでたびたび物議をかもし出している。そのため残念ながら日本では陽のあ
たらない隠れた治療法である。
近年ではこの療法に注目し治療にあたる医師の間からその高い治療効果が評
価されはじめている。ここで私たちが日本で見ることのできる刺絡療法とブー
タンで行われている瀉血療法とを比較してみよう。
まずは皮膚表面に傷をつくるために使用される器具。日本ではスプリング式
三陵鍼といった器具や、太目の治療鍼(0.24mm)時には注射針の鋭い針先をも
ちい少ない痛みで小さな傷口をつくる工夫がなされている。
一方ブータンの瀉血療法では数種類の小さなナイフと呼べるような器具が用
いられる。傷口の大きさが違う分、出血の様子も異なる。日本の刺絡療法によ
るものでは小さな傷跡から血がにじみ出てくるのに対してブータンの瀉血では
血がダラーッと噴出すという例えがふさわしい。日本の瀉血療法には随分見慣
れていた私でも初めてこの療法を目にしたときにはショックが隠せなかった。
適応疾患を比べると日本では肩こりや腰痛、花粉症、アレルギーといった身
近な治療法として用いられているのに対しブータンでは熱性の疾患やうっ血部
位など、やや最後の手段といった感じに施されているようだ。
現に、より頻繁に施されている金鍼療法と比べると治療件数も極端に少ない。
ブータン医学のルーツ古代のチベットでは現在のように医療施設が身近ではな
く、今のように気軽に医療を施される環境ではなかったに違いない。この瀉血
療法も当然緊急時の対処方であったのではないかと考えられる。
ちなみに瀉血療法を施す1週間前には必ず特定の薬が処方され、この薬によ
って良い血と悪い血が分離され瀉血時には悪い血が傷口から排除され易くなる
と言う。日本で行われる刺絡療法の前にも事前に同じような処置を鍼で行って
いる。その辺は共有できる理解の範疇だ。
去る8月、日本から鍼灸の先生方を招き実施した刺絡療法の実演会。参加し
たブータン伝統医学関係者達は初めて目にする自分たちのものとは異なる瀉血
療法技術に目を見張っていた。彼ら自身も生活様式の変化によって新しい病状
を訴える患者に対する新たな対処法を模索しているのだ。
しかし皆が新しい治療法に興味を示す中で年配の伝統医師から「我々の治療
法とは考え方が違い異なる治療法だ」と自分たちの伝統的瀉血療法を主張する
声もあった。ここでも「変わりつつあるものと、変わらないもの」との間で葛
藤する人々の苦悩が垣間みられた。
(参考)小川康訳「四部医典」第21章
Tadanori TAKADA 高田 忠典
ブータン伝統医学院だより(ブータン館 来賓室/山本けいこ)
http://bhutan.fan-site.net/raihin.htm
GNH(国民幸福量)のHP
http://www.gnh-study.com
「生涯教育支援」「介護関係者のスキルアップ」
足つぼ療法PC用テキストサンプル
http://www.asitsubo.com/index.html
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<編集後記>隠し味は……ウケなかった
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先日の日曜日の昼ご飯は焼きうどんをつくった。冷蔵庫に入っていた野菜――
ネギ、ホウレンソウ、ニンジン、ピーマン――を刻んで、ウインナも入れて炒
め、最後に隠し味! と思ってバターをひとかけ入れた。
しかし、醤油バター味のスナック菓子が大好きな子どもたちの反応は「なし」。
カミさんに、どう? とたずねたら「カロリー高すぎ」と言われた。
作り手としては、バターの風味とコクが案外イケルではないかと思ったのだ
が……。やっぱり料理は難しい。
2006年12月14日
山崎農業研究所会員・田口 均
y.noken@taiyo-c.co.jp
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◎お願い「<読者の声>の投稿規定・メールの書き方」
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1、件名(見出し)を必ず書いて下さい。「はじめまして」は省略して、言い
たいことを具体的に。
2、氏名・ハンドルネームは、文末ではなく始めのほうに。
3、1回1テーマ、10行位に。
4、ホームページを持っている人は、文末にURLを。
5、JIS X0208 規格外の文字(機種依存文字)のチェックを。
http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/networks/check/jisx0208.html
インターネットで使えない丸数字や半角カタカナ、括弧入り略号などは文字化
けの原因です。
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◎投稿アドレス変更のお知らせ
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電子耕への投稿アドレスは、117号から発行人の変更に伴い、
y.noken@taiyo-c.co.jp
となっております。投稿される方はこちらのアドレスにお願いします。
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次回 199号の締め切りは12月25日、発行は12月28日の予定です。
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★『メールマガジンの楽しみ方』発売中
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書名:岩波アクティブ新書45『メールマガジンの楽しみ方』
著者:原田 勉 定価:735円 発行日:2002年10月4日
発行所:岩波書店 ISBN4-00-700045-X
まえがき・目次・著者紹介・注文方法はこちら
http://nazuna.com/tom/book.html
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『電子耕』から大切なお知らせ
http://nazuna.com/tom/denshico.html
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