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『電子耕』No.192-2006.09.21号

発行日: 2006/9/21






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隔週刊「農業文化マガジン『電子耕』」 第192号
−環境・農業・食べ物など情報の交流誌−
2006.09.21(木)発行   山崎農業研究所&編集同人
<キーワード>
環境・農業・健康・食べ物などの情報提供、高齢者と若者、農村と都市の
交流ミニコミ誌。山崎農業研究所&『電子耕』編集同人が編集・発行。
http://www.taiyo-c.co.jp/public_html/yamazaki/yama_index.htm
*************************************発行部数 1346 部***************
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□ 目 次  □----------------------------------------------------
<巻頭言> 最近気になること 安富六郎
<81歳のメッセージ>
 家族で戦中・戦後を語り合う 重かった戦争後遺症 原田 勉
<千川上水再発見> その4 流量を推定する 安富六郎
<イベント案内> 第2回北里大学農医シンポジウム
         代替医療と代替農業の連携を求めて
         −現代社会における食・環境・健康−
<編集後記> 大人と子どもを分かつもの
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<巻頭言> 最近気になること
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 次期総理大臣に誰がなるか、これは少数の代表選挙で決まる。あたかも、わ
が国の政治は一党独裁の体制にあるかのようだ。しかしよく考えれば、彼らは
みんな民主的な選挙の結果出された議員であり、国民の選挙で決まった人たち
である。なんの文句があろうか、と睨まれそうである。しかし、更に考えてみ
れば、この少数の選挙された人はどんな人によって選ばれたか。お家の閨閥選
挙も目に余る。

 株をやっていて、いつもうまくいかないと、ぼやいている善良な友人がいる。
彼曰く、株に興味を持っている人の最大の魅力は株価の上昇にある。だから彼
らは株の下がるような政党には投票しないと言う風潮がでるのではないかと言
う。一方、選挙に希望を持てない人も多い。社会全体は拝金主義であおられて
いる。教育にもこの思想は忍び込みつつある。これが長期政権安定を補強する
秘密であると、彼は分析している。なるほど、われわれは日常的にこのトリッ
クに、はまっていると思うことがある。

 ある政治思想家は、優れた政治も権力が自己肥大して、間違った方向をとっ
たとき、有効な修正方法をすでに見失っていることが、最大の欠陥になると言
う。これは社会主義を含めて多くの政治体制に当てはまると言われている。気
づかないうちに、歯止めは取り去られているのである。

 アメリカの有力議員には軍需産業と密接な関係を持っている人が多いと言わ
れている。このような人々にとって平和は招かざる客となろう。当分、アフガ
ン・イラクでの過ちの修正は起こりそうにない。日本もこれと同じ道を、ばく
進しているのではないか。「拝金主義」と「閨閥政治」をなくさない限り真の
平和はやって来ない。これらの弊害を阻止するには、平和憲法を守ることが如
何に大切かが分かる。

安富 六郎
山崎農研会員 電子耕編集同人
y.nouken@taiyo-c.co.jp

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<81歳のメッセージ> 家族で戦中・戦後を語り合う 重かった戦争後遺症
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 今年の4月から始まったテレビの朝ドラマ『純情きらり』は、珍しく我が家
で全員が毎日見る番組になっている。

 岡崎市の八丁みその製造所(松井家)と、そこにかかわる有森家三姉妹を中
心とした家族の愛情物語である。

 時は昭和13年ごろから戦後までにわたっている。三番目の娘・有森桜子と松
井家のひとり息子達彦を主人公に、音楽学校の受験、恋愛から始まって姉妹の
結婚、就職と変転する。昭和15年から婚約者達彦の出征、食糧の統制・配給が
生活を苦しめ、続いて、東京・岡崎の空襲、爆撃、疎開と戦中の苦労は続く。

 その中で音楽だけは忘れるなという仲間。一方に絵を描くことに熱中する恋
人たち。
 戦争が激しくなるとともに銃後の人々の苦悩や争いも起こってくる。


 我が家ではちょうど、戦中世代の夫婦と、戦争を知らない兄妹がそれぞれ壮
年になっている。

 テレビドラマであるが、同時代を経験した者にとっては、同感と後世に伝え
なければという感情が高ぶる。ドラマの進展に一喜一憂する。

 家族の話し合いでは、あのとき学校ではどうだったか。食糧の配給はどうだ
ったか。家族の中の出征兵士の話や戦死者を迎えたときの思い出など、当時の
ことが細かく話し合われた。


 ことに重苦しく思い出されたのは、戦死したと思っていた達彦が、6年ぶり
に帰還してきてからだった。達彦は戦争の悲惨な状況、戦友の死が忘れられず、
心に蓋をして誰とも話そうとせず、あれほど熱心だった音楽からも遠ざかり、
恋人の桜子にも冷たかった。

 我が家でも長兄や次兄が戦場体験をしていたが、戦後になっても戦争の殺し
合いの場面をリアルに語ることは無かった。

 私にしても軍隊生活の非人間的なこと理不尽な暴行、その中で人間性を失っ
た行為は口に出していない、戦争は敗戦後もいつまで人間を苦しめるのだろう
かとつくづく考えさせられた。

 戦争の後遺症を扱ったドラマは非常に少ないのではないだろうか?


 ドラマは、有森桜子と松井達彦を中心に波乱と苦悩を繰り返しながら、どこ
までも前向きに音楽を追求する過程を経てハッピーエンドになる予定であるが、
私たちは最後まで目が離せない半年間であった。

 クランクアップにあたって主演の宮崎あおいは「桜子はすごく幸せな子。人
のために生きて、そのために好きな道をあきらめたりもするけど、彼女にとっ
てそれは幸せなこと。人に何かをしたら、自分に返ってくる人だなぁと改めて
感じました。」と語っていた。

 暗い事件が多く、明るい話が少ない中で、ほっとできたことを感謝したいと
思う。(9/16執筆)


連続テレビ小説「純情きらり」
 NHK「純情きらり」公式サイト(9/30番組終了後閉鎖)
http://www3.nhk.or.jp/asadora/kirari/
から、第24週 「あなたがここにいる限り」 / 9月11日(月)〜16日(土)
http://www3.nhk.or.jp/asadora/story/story24.html

Yahoo!テレビ - ドラマ特集 - 純情きらり
http://tv.yahoo.co.jp/tv_show/nhk/kirari/
第23週(9月4日〜9月9日) 「思いがけない帰還」
http://tv.yahoo.co.jp/tv_show/nhk/kirari/story/index.html?b=23
第24週(9月11日〜9月16日) 「あなたがここにいる限り」
http://tv.yahoo.co.jp/tv_show/nhk/kirari/story/index.html?b=24

#ちなみに10/2からの作家・田辺聖子をモデルとした連続テレビ小説「芋たこ
なんきん」も昭和13年からの物語である。


山崎農業研究所会員・『電子耕』編集同人
 原田 勉
tom@nazuna.com
http://nazuna.com/tom/

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<千川上水再発見> その4 流量を推定する
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 分水する方法には代表的な2つの方法がある。一つはすでに述べた、玉川上
水から千川上水への分水堰のように、流れに沿って隔壁を設ける「背割り分
水」、もう一つは一定の通水断面積から取水する「ゲート式分水」である。こ
れは本流に堰を設け、水位を一定に保った後に一定の断面積の流入口から取水
する。いわゆる、昔の田んぼ畦の小川からの取水である。

 「背割り分水」は精度は悪いが、設置は容易で、堅牢で、管理し易い。これ
に対し、「ゲート分水」は細かな水量調節ができるから、村ごとへの分水堰に
は便利である。当時、取水は「坪」という1寸四角の面積を単位とした取水口
の断面積で与えられた。しかし各村には坪の1/10 〜 1/100の単位(合、勺)
で取水量が決められていたから、「ゲート分水」は扱い易い。

 ここで、各村に与えられていた水利権から「ゲート式分水」として総水量を
計算*すれば70〜80(L/秒)となり、1日当たりの総量は6000〜7000トンであ
る。上水に頼る灌漑面積は100ha程度はあったから(明治時代1864年には111
ha)、全水田への灌漑量を水深に換算すれば6〜7mmとなる。水田に必要な水量
は少なくとも1日20mmであるから、この量では灌漑の補助にすぎない。

 しかし、これを畑地灌漑に転換すれば、1日7000トンで100ha以上の畑地を
まかなえるのである。台地への灌漑は農業生産の質・量ともに著しい効果をも
たらす。したがって、ここで言う灌漑水は台地を流れていたので主に畑地に使
われ、その排水が低地の水田に流れたと見てよいであろう。

 灌漑水の取水の集中で、江戸は断水したこともあろう。御上は上流の使い過
ぎに警告を発していたと言われている。村同士でも不和が見られたと言うから
上流と下流の水利用をめぐる対立は珍しくない。しかし、千川上水の場合は農
民が社会的に強い立場にあったわけではない。これが水論争の「用水の上流優
位」の法則なのであろう。

 以上の水利権から概算して、千川上水の流量を見ると、70L/秒 以上はあっ
たが、水路断面から判断すると、120L/秒程度の上水としては小水路であり、
これでは上・下流に不平も起こり易かったと思われる。(因みに、幅0.5m、深
さ0.3mの水路断面で歩く速度(1m/秒)の水量は150L/秒)。
(*取水条件不明。概算値)
(山崎農研会員 電子耕編集同人 安富六郎)

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<イベント案内> 第2回北里大学農医シンポジウム
         代替医療と代替農業の連携を求めて
         −現代社会における食・環境・健康−
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平成18年10月13日(金) 13:00−17:30
主催: 北里大学
会場: 北里大学白金キャンパス 薬学部コンベンションホール
後援: 金沢大學、内閣府、厚生労働省、農水省
――――――――――――――――――――――――――
講演プログラム

13:00 開催にあたって 柴 忠義<北里大学学長>
13:15 代替医療と代替農業の連携を考える
        <陽 捷行 北里大教授>
13:30 代替医療−その目標と標榜名の落差について−
     <山口 宣夫 金沢大學基礎医学教授>
14:10 代替農業−その由来とねらい−
     <久馬 一剛 京都大学名誉教授>
−休息−
15:00 代替医療と東洋医学−科学的解明による
     EVIDENCEを求めて−<山田 陽城 北里大生命
     科学研究所長>
15:40 環境保全型農業を巡って
     <熊沢喜久雄 東大名誉教授>
16:20 環境保全型畜産物の生産から病棟まで
     <萬田 富治  北里大獣医畜産学部教授>
17:00−17:30 総合討論  山田 陽城・陽 捷行
―――――――――――――――――――――――――
参加希望者:メールnoui@kitasato-u.ac.jp
またはFAX:042−778−9761
問い合わせ: 学長室TEL.042−778−9730古矢・田中
アクセス:白金高輪駅からバスで北里研究所前
     :広尾駅から徒歩10分
     :JR恵比寿駅徒歩 15分
―――――――――――――――――――――――――

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<編集後記> 大人と子どもを分かつもの
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先日、荒川沿いの秋ヶ瀬公園に子ども2人を連れて、環境NGO「ちびっこ探
検隊」が主催するイベント「昆虫博士になろう! 2006年秋編」に参加し
てきた。

秋ヶ瀬公園は自然が色濃く残っている場所である。子どもたちは最近「ヘビを
見たい! ヘビを捕まえたい!」としきりに言っていたのだが、その夢がよう
やくかなった。正確には、つかまえたのはこのNGOの代表の方なのだが、お
かげで庭の虫かごには「ヒバカリ」が1匹とぐろをまいている。

おとなしい性質のヘビで、毒もなく、サイズも30センチほどと小さいのだが、
かま首をあげて舌を出す様はいっちょうまえのヘビである。ちなみにわたしは
ヘビは大の苦手(ようやくさわれるくらい)、次男(6歳)は平気の平左でべ
たべたさわり、長男(9歳)は最初は少しびびっていたようだが、一日たつと
もう慣れている。

ヘビとの距離感をみると、どうも大人と子どもを分かつのは偏見のこさ・うす
さであるような気がしてきた。そして、いささか話しはとぶのであるが、教育
が重要であるというのは、教育は否応なしに偏見をうえつける場でもあり、そ
のような意味において、注意ぶかく扱われなくてはならないということではな
いか、と思ってみたりもした。

2006年09月21日
山崎農業研究所会員・田口 均
y.nouken@taiyo-c.co.jp

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