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シンクタンク山崎農業研究所が農業を中心として健康・食べ物・人物をめぐる情報を提供し、読者との意見交換をはかる農業カルチャーマガジン




『電子耕』No.180-2006.03.23号

発行日: 2006/3/24

 
 
 
 
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隔週刊「農業文化マガジン『電子耕』」 第180号
−環境・農業・食べ物など情報の交流誌−
2006.03.23(木)発行   山崎農業研究所&編集同人
<キーワード>
環境・農業・健康・食べ物などの情報提供、高齢者と若者、農村と都市の
交流ミニコミ誌。山崎農業研究所&『電子耕』編集同人が編集・発行。
http://www.taiyo-c.co.jp/public_html/yamazaki/yama_index.htm
*************************************発行部数 1382 部***************
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□ 目 次  □----------------------------------------------------
<巻頭言> “踏みつける”か“撫でる”か 松坂 正次郎
<山崎農業研究所情報>
◇第120回定例研究会要旨(その2)
 ――先達の教えを引き継ぐ三浦野菜
<80才からのメッセージ>
 老人読書日記・孤独を救う本(その1) 原田 勉
<老兵の戯言> 外国人と日本人 藤原 昇
<野火止用水開通の風景> その5 通水開始の時間を推理する 安富 六郎
<編集後記> つくり方が正しければそれでいいのか?
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<巻頭言> “踏みつける”か“撫でる”か
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 もう各地で花だよりが交わされる時期なので、「麦踏み」の話題など取り上
げる人はないだろう。高浜年尾に「麦踏の一つの姿手を腰に」があり、拙句に
は「麦踏みで一家の顔の揃いけり」がある。麦踏は麦の徒長を抑え、霜柱で持
ち上げられた土をおちつかせる効があるとされる。最近は踏圧機に乗って進む
だけの機械作業で、家族の会話も風情も消え去った。

 報道によると北海道の「十勝ワイン」で知られる池田町で20haの麦作りをし
ている武智唯浩さん(52)が、踏圧による麦苛めどころか、麦の葉を優しく撫
でる機械を作って愛育しているという。

 この「麦撫で機」は、アームからテント用の布を下げ、下部には布の摩耗を
防ぐため、塩ビパイプのカバーを付けている。この作業機で20haの「麦撫で」
に8時間かかるそうだが、品質・収量とも向上して、モトはとれるという。武
智さんによると、葉を撫でるとエチレンが発生し、それが徒長を抑制し、茎が
丈夫な麦に育ち、倒伏も防げるので良質の麦が10a当たり731kgで、平成16年の
全国平均は405kgだから、1.8倍の増収になっているわけだ。

 「麦撫で」は、5月20日頃から6月10日頃まで、1日おきに行なっていると
いう。この「麦撫で」には子供を育てるヒントも、かくれているように思われ
るがどうか。

松坂 正次郎
山崎農業研究所会員・「農政と共済」コラムニスト
y.nouken@taiyo-c.co.jp

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<山崎農業研究所情報>
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◇第120回定例研究会要旨
 ――地産地消を野菜の育種、生産、食文化から考える(その2)
   2006年3月4日(土) 太陽コンサルタンツ会議室22名参加

〔講演要旨〕
2.先達の教えを引き継ぐ三浦野菜
―― 高梨 雅人氏[自営農業・山崎農研会員・神奈川県三浦市]
  http://www2.odn.ne.jp/takanashifarm/index.html

 三浦市は大都市に近く地の利の良いところであり、土壌がよく、農業にも適
している。この理由で農家・農地がなんとか残っている。935戸の農家のうち
400戸以上が専業農家である。三浦市の農地面積は1200ha。キャベツや夏野菜
と組み合わせて、200%の土地利用を行っている。ダイコン、キャベツが表作、
スイカ、カボチャなどが裏作になる。

 三浦ダイコンは昔は高円寺ダイコンと言う名で東京に出荷されていたが、い
まは練馬ダイコンとの掛け合わせたものである。むかしの三浦ダイコンは土地
を選ぶので、現在は暮れに出荷される程度しか作られていない。大部分は場所
を選ばないアオクビダイコンである。夏野菜に何をつくるかは大きな課題であ
る。珍しい品種のダイコンの導入を考えており中国やイギリス品種のものもと
り入れている。

 農業高校や県の技術センターなどのおかげで農家の技術も向上した。作付け
を変えることで連作障害を避けることも出来るが、三浦には病害虫を押さえる
弱アルカリ性の土壌があり、これが役に立っている。三浦農協と横須賀農協の
協力で野菜販売連合を作り各地に売り込んでいる。こだわり栽培野菜もある。
直売農家は増える傾向にあり、農協でも行っている。しかし自分のようなすべ
て直売農家は少ない。

 直売所のお客はほとんど10km範囲の個人客である(週1回以上)。オーナー
シェフが来ることもある。市場の影響をほとんど受けない代わりに売り上げの
少ないのがネック。商品不足でチャンスを逸することもある。しかし売れ残る
のも困る。減農薬栽培であるがホームページ程度で余り宣伝していない。干し
たダイコンを漬け物店に販売もしている。

 2005年の県内の就農者95名中の24名は三浦市である。若い農家は多いが、実
際には年寄りが行っていて、若い世代の思うようにはなっていない。若者が十
分な力を発揮できない状態もある。しかも若者にとっても労働は厳しく、平均
して年間3000時間、腰を痛める人も少なくない。経営は楽ではない。このため
に農休日を設けているが、混住化したところでは難しい。このための経営組織
改革が望まれる。

 畑地栽培による地下水汚染が問題である。井戸の使用を止めた家もある。有
機肥料投与基準がない。農薬の投与もあいまいである。年3回のローテーショ
ンで窒素濃度は上昇した。早急にこれに取り組まなければ地産野菜は輸入物に
負ける。これからは先達の教えを引き継ぎながら、環境保全型農業を実現させ
たい。
(文責 安富六郎・田口 均)

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<81歳のメッセージ> 老人読書日記・孤独を救う本(その1)
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 近藤康男先生の秘書という仕事を15年余り続けた。私の70歳前後、先生は90
歳前後で、旺盛な著述を続けておられた。私の仕事はもっぱら編集助手の形で、
先生の手書き原稿をワープロ化するのが仕事であった。

 しかし一昨年から先生は病床にあることが多く、私の仕事は、お見舞いとお
話し相手が主だった。農文協図書館に出勤しても先生は不在。従って私は役員
室で一人になった。近藤先生が亡くなってさらに寂しくなった。そういうとき、
寂しさから救い出してくれるのは1冊の本である。新しい本は新知識を与えて
くれるが、古い本もまた良い。

 幸い農文協図書館の私の書架には、編集者時代買い求めて十分読み切れなか
った本があり、もう一度読みたい本もある。たとえば、

 小林 勇・「惜櫟荘主人 一つの岩波茂雄伝」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061962388/

 小林 勇・「一本の道」
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/02412001

 夏目 漱石・「こころ」

 安岡 章太郎・「僕の昭和史」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101130124/

 妹尾 河童・「少年H〈上巻〉」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062645904/
       「少年H〈下巻〉」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062645912/

 阿川弘之・「志賀直哉」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101110158/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101110166/

 阿川弘之・「井上成美」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/410111014X/

 新藤兼人・「シナリオ人生」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004309026/

 新藤兼人・「老人読書日記」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004307066/

 などである。このほかに藤沢周平全集や司馬遼太郎の時代小説も読んでいる
が、私の印象に残るものは、同時代に生きた著者や編集者の書き残したもので
ある。思いつくまま随想を述べてみたい。

 まず出版人の先輩として、岩波茂雄と、小林勇の本である。

 岩波茂雄(1881〜1946)は、有名な岩波書店の創業者であり、その業績は広
く知られている。岩波の伝記はすでに安倍能成によって刊行されているが、こ
の本は小林勇という岩波書店の店員が接した岩波茂雄像である。

 大正9年18歳の小林がいきなり訪ねてきて奉公させてくれと頼み、岩波も
「明日から来てもらいましょう。」ということで始まった。『惜櫟荘主人』は
最も身近にいて、同じ出版事業にともに情熱を注いだ小林勇が見た岩波茂雄の
伝記である。信念の人であり、同時に人間味あふれる日常生活を描いている。

 岩波茂雄年譜は明治14年、1881年、長野県中州村生まれに始まり、昭和21年、
1946年4月、66歳で死去するまで詳しい。本文の方は小林勇が入店した大正9年、
1920年から始まり1946年で終わっている。微に入り細を穿った著述である。

 岩波茂雄の特徴は、一流の人物を鑑定する能力があり、一高、東大、京大の
友人知人の交友の輪をひろげ、自分が尊敬できる人物に対し誠意をつくし、親
切を惜しまなかった。

 たとえば一高時代の友人安倍能成の紹介で、夏目漱石を敬愛し、その知遇を
得て、本屋の看板を書いてもらい、『こころ』の出版をして出版社の基礎を築
いたという。

 古本屋は正札販売で客の信用を得たが、漱石が無名の人物に自著の出版を託
したことは誠実で野人的な岩波への信頼がいかに厚かったかを物語る。さらに
漱石の死後、『漱石全集』14巻を刊行、岩波書店の声価を高めることができた。

 岩波が深い交渉を持った人物は、西田幾多郎、田辺元、津田左右吉、田中耕
太郎、石原純、寺田寅彦、藤原咲平などが有名である。

 出版では1927(昭和2)年に、岩波文庫を刊行、我が国文庫判の先駆者とな
った。1938年には岩波新書を発刊。この2つの廉価版シリーズで読者の知的水
準を高め、教養を豊かにするうえで画期的貢献をした。

 私たち編集・出版に携わる者にとっては、良心的出版人としてひとつの鏡で
ある。岩波文庫、岩波新書には多くの恩恵を受けた思い出がある。


 『一本の道』は小林勇が、信濃毎日新聞に1974年1月から一年間連載した随
筆風な自伝である。前述の岩波茂雄伝と重複する所もあるが、自分の考えを率
直に、しかも簡潔に書いて親しみやすいエッセイである。

 小林は、1903年、長野県下伊那の赤穂に生まれた。故郷は中位の農家で、兄
弟も多い。その家族の話から始まり、18歳で上京。岩波書店の小売店の店番を
振り出しに編集・出版など各部を経験する。岩波茂雄に信頼され、次女小百合
と結婚する。岩波書店が急成長するころ従業員のストライキがあって仲間から
排除されて、1928年に独立する。三木清、羽仁五郎などの協力を得、幸田露伴
の助言により、鉄塔書院を創設するが、寺田寅彦など執筆ブレーンに勧められ
て岩波書店に復帰する。

 岩波文庫の創刊に携わり、また吉野源三郎とともに「岩波新書」の創刊に力
を尽くした。関東大震災、二・二六事件に始まり、日中戦争、太平洋戦争と続
く。戦争末期には、言論出版弾圧の横浜事件に連座して東神奈川警察で拷問を
受ける。京浜の大空襲も受けるが「人間どこにいても死ぬときは死ぬ。生きる
時は生きる。」と悟る。

 敗戦によって釈放されるが親友三木清は戦後獄死した。治安維持法が撤廃さ
れたのはその後である。

 1946年岩波茂雄の没後、岩波の支配人になり、株式会社へ改組とともに専務
に就任した。

 岩波雄二郎社長を助け、1962年に会長となる。1950年には岩波映画製作所を
創立し専務となり、学術映画、記録映画の分野で多くの優れた作品を制作、同
時に羽仁進、黒木和雄などの俊秀を輩出した。また名取洋之助を中心に「岩波
写真文庫」を創刊、写真を主体として一つのテーマを追求する新しい手法は映
像時代の先駆的役割を果たした。

 同じ編集・出版経験者として、似たような苦労を経たものにとっては、心を
揺り動かされるものがあった。現在ではとても経験できない事柄が多く、貴重
な記録の読み物であった。


山崎農業研究所会員・『電子耕』編集同人
 原田 勉
tom@nazuna.com
http://nazuna.com/tom/

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<老兵の戯言> 外国人と日本人
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 また、信じられない事件が発生した。またしても外国人による惨劇である。
こんな事件を聞く度に、筆者は、海外留学生のことを思い出す。現役時代、教
授在籍年数は、僅か5〜6年であったが、その間に受け入れた海外からの研究
者や留学生は15人以上にもなった。

 その中で、最も多かったのが中国人であった。中には、恐怖を覚える天才少
女もいた。しかし、何故か、その多くは、筆者を裏切り、去って行った。時に
は、激怒したこともあったが、ついには根負けして、泣き寝入りの結末であっ
た。それでも、「懲りずに」中国人を受け入れたのは、あの15億人の中には
「天才」がいるからである。

 確かに、貧しい東北地方出身の研究者や留学生は、ハングリー精神が旺盛で、
研究成果も出した。とくに、朝鮮族の人達は、人情が日本人に近く、馴染みや
すい性格である。今回の、容疑者も、東北地方の極貧の村出身だ、と言う話で
ある。

 報道によれば、色々なことがあったらしいが、周囲の「日本人」が、「何と
か」できなかったのか、腑に落ちない点が多い。勿論、殺害は、許されること
ではないが、事前に「手」が打てなかったのか。

 今のご時世、日本人同士でさえ、疎外感の充満した環境に生きているので、
ましてや「外国人」ともなれば、なお一層のことかも知れない。とくに、役所
の対応は、「非道」以外の何ものでもない。外国人全てに、「例外」を適用せ
よ、と言う積もりは毛頭無いが、少しくらい「気配り」は、あっても不思議で
はない。「罪を憎んで、人を憎まず」とは言うが、外国人に対する日本人の
「島国・人的根性」が、筆者には、どうしても、理解出来ない。

藤原 昇
山崎農業研究所会員・中国・浙江大学・客座教授
y.nouken@taiyo-c.co.jp

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<野火止用水開通の風景> その5 通水開始の時間を推理する
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 野火止の地下水位は低い。雨水は上層の関東ローム層に貯留され、余分な水
は下層に排水される。このことは地層下層数メートルの比較的浅いところに礫
層の存在からも確認できる。干天が続くと下層から上層への水の供給はほとん
どなく、作物はよく育たなかったのであろう。

 井戸も帯水層まで20mも掘らねばならなかったのは地下水位が周辺の河川水
位と同じであることを示している。このことから透水性のよい土層は「穴あき
バケツ」のような状態で周辺の河川とつながっていたと思われる。これを前提
としたとき、土水路からの漏水が地下水位変化と通水にどのような影響を与え
たかを推理してみよう。

 すでに示したように漏水が給水を上回る場合を考えると、土層が水で飽和さ
れたとき水路に水が流れ始めることになる。これは水路底に地下水面のできる
ことを意味している。いま実験室内で土の間隙率を50%、1日漏水深が0.5m〜
1mの土柱で「穴あきバケツ」モデルを作ったと想定しよう。この条件で、漏
水が20m下にある地下水面に到達し土層を飽和させるには、計算では間隙率を
考慮すれば最速で10〜20日はかかることになる。

 実際の土水路では漏水による地下水面上昇は周辺の地下水面形状にも影響を
与える。水路直下では地下水表面は盛り上がる。この様子は富士山形状の地下
水面ができて、この山の形状は次第に大きくなり、裾を広げ、頂上は水路底ま
で達する。ここで漏水は止まり、水路に水が流れ出すのではなかろうか。しか
も野外では漏水は四方に広がりながら降下するので上記の計算よりも、はるか
に長い時間かかることになろう。

 このような推理をすると、周辺の植生変化の様子が分かるような気がする。
白石は繊細な観察をする科学者であると同時に文章の達人と言われた人である。
伝聞といえども、いい加減な表現はしていないのではなかろうか。

 だが、周りの景色や植生の光景の変化を観察するには、水路周辺両側にはか
なりの見透しのきく空間を必要とする。地下水位の上昇は、周辺一体の作物や
草木を生きいきとさせるほど広い範囲に影響を与えたことになる。誰がこのよ
うな風景変化を見たか、が問題となる。

 しかし、以上のように解釈すると水路に給水を開始して通水成功までには、
かなり長い時間を要したことは確かのように思える。

安富 六郎
山崎農業研究所会員・電子耕編集同人
y.nouken@taiyo-c.co.jp

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<編集後記> つくり方が正しければそれでいいのか?
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 先日、農産物の国際貿易を擁護する論評を読んだ。日本が農産物を大量に輸
入することについて、輸出国の資源の浪費・枯渇という面から批判されるが、
そもそも商品の国際移動を通じて資源の有効利用をはかるのが貿易である。し
たがって、批判されるべきは自国の資源が劣化するまで過剰生産しようとする
生産のあり方であって、農産物の大量輸入自体を批判するのはおかしいのでは
ないか、というのがその要旨である。

 しかしそれでよいのだろうか。たしかに貿易には、流通を通じての有効な資
源配分という意味があるだろう。だが、日本の場合そうすることで、つまり農
産物の大量輸入=食糧自給率の低下を通じて、田畑も山も荒れ、地域の自然は
貧困の度合いを強めているではないか。農によるめぐみを感じにくくなってい
るのではないか。

 資本主義が高度にすすんだ国では、農産物の販売だけでは農家――食料生産
の担い手であり、大地の守り手であり、農のめぐみの土台を支える――の経営
は保持しがたくなっている。だからこそ、ヨーロッパを中心に、農家の暮らし
は農産物価格以上に税金で支えていこうという流れが生まれている。

 たしかにこの論者の考え方はは科学的であり合理的である。しかし、そのよ
うな科学的・合理的な価値観だけでは、地域の暮らしや自然といった、金銭的
な価値とはずれる世界は守れないような気がしてならない。

2006年03月23日
山崎農業研究所会員・田口 均

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たいことを具体的に。
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◎投稿アドレス変更のお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子耕への投稿アドレスは、117号から発行人の変更に伴い、
y.noken@taiyo-c.co.jp
となっております。投稿される方はこちらのアドレスにお願いします。
----------------------------------------------------------------------
次回 181号の締め切りは04月03日、発行は04月06日の予定です。

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
書名:岩波アクティブ新書45『メールマガジンの楽しみ方』
著者:原田 勉 定価:735円 発行日:2002年10月4日
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2006.03.23(木)発行   山崎農業研究所&編集同人
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