トップ > ニュース&情報 > 社会・社会学 > 農業文化マガジン『電子耕』

シンクタンク山崎農業研究所が農業を中心として健康・食べ物・人物をめぐる情報を提供し、読者との意見交換をはかる農業カルチャーマガジン




『電子耕』No.166-2005.09.08号

発行日: 2005/9/8

**********************************************************************
隔週刊「農業文化マガジン『電子耕』」 第166号
−環境・農業・食べ物など情報の交流誌−
2005.09.08(木)発行   山崎農業研究所&編集同人
<キーワード>
環境・農業・健康・食べ物などの情報提供、高齢者と若者、農村と都市の
交流ミニコミ誌。山崎農業研究所&『電子耕』編集同人が編集・発行。
http://www.taiyo-c.co.jp/public_html/yamazaki/yama_index.htm
*************************************発行部数 1367 部***************
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□ 目 次  □----------------------------------------------------
<読者の声>  大山勝夫さんから 千鶴さんから
<今週の提言> ハリケーン・カトリーナは神の咎めか? 松坂正次郎
<旬を食べる―野良からの便り・28> “トマト” 小泉浩郎
<80才からのメッセージ>  戦争と食糧危機 皆さん忘れてはいませんか?
                           原田 勉
<日本たまご事情>鳥インフルエンザ(AI) 足元に火がつく 齋藤富士雄
<玉川上水の謎> 玉川上水の謎 その7(水路の浸食) 安富六郎
<リトルファーミングクラブだより> 裾野の拡大が、農地を保全する
                                                   増山 博康
<戦後60年 新刊紹介>                 
 敗戦のとき二十歳だった人々の「ふたつの国」を生きた証言  原田 勉
<編集後記>  郵政民営化についてどれほどのことを知らされているか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<読者の声>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●08/29 千鶴さんから原田勉にたいして励ましのお便り(私信)がありました。
  ありがとうございました。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
●09/03 大山勝夫さんから;総選挙、食料・農業の視点からも

 いよいよ総選挙、そこで気になるのが各党の食料・農業政策だ。
朝日投書欄8・26には“この衆院選でもっと農業も語って”とある。
与党が主張する郵政問題にかき消された感がしないでもない。
同投書欄:9・1には中小農家こそ食料自給の要とし、大規模農家とともに
中小農家という裾野が必要だと主張。そこで思い浮かぶのが梶井功氏の提言。
一部エリート農家だけでなく80%以上の農家が生産意欲を持てる施策が重要
と指摘(農協時論)。

 環境・農業・食べ物の交流を標榜する電子耕の読者として
食料・農業問題に焦点を当てて、選挙権を行使しようと思う。

大山勝夫
山崎農研会員・日仏農学会会長

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<今週の提言> ハリケーン・カトリーナは神の咎めか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ハリケーン・カトリーナはブッシュ大統領が語ったように「我が国の歴史に
おける最悪の自然災害の一つ」だろうが、“人災”でもあった。惨事の犠牲者
は、同じ米国人でも皮膚の色と貧富の差、とくに世界一の自動車社会で車を持
てない階層に集中したことをみても明らかである。

 米国は1776年、英国からの独立宣言(初代大統領ワシントン)、さらに1863
年、南北内線で北軍が勝利、リンカーン大統領が「奴隷解放」を宣言して近代
国家に歩み出した。しかし、黒人をはじめとする有色人種への差別と、それに
基づく貧富の格差は拡大するばかり。このため、その100年後の1968年、マル
チン・ルサー・キング牧師(ノーベル平和賞)が先頭に立った「人種差別撤
廃」の運動が合衆国全土を震撼させた。法的には“平等”を与えたが、今次、
災害で明るみに出たような「車」を持てる階層と持てない階層との“差別”が
明瞭に浮かび上がった。

 これは、自国から遠いところでの朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、そし
てイラク戦争に大量の軍事力を投入してきた“足許”への“神の咎め”といえ
ないか。世界一の経済力と軍事力を持ち、世界一石油を消費し、世界一CO2を
垂れ流しながら、「京都議定書」に背を向けたことと無縁ではない。

 合衆国独立100年の記念にフランスが贈ったマンハッタンの「自由の女神」
は右手に世界の正義を照らすタイマツを、左手に独立宣言書を掲げているが、
女神の願いは、ハリケーン発生阻止のための京都議定書への復帰(批准)、イ
ラクからの撤退と核戦力の廃棄ではなかろうか。これは、今次の総選挙でも論
じられるべき最大課題ではなかったか。

松坂 正次郎
山崎農業研究所会員・「農政と共済」コラムニスト

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<旬を食べる―野良からの便り・28> “トマト”
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 子供の頃、苦手な食べものに1つがトマトであった。あの独特のトマト臭が
口に合わなかった。だが、大人になり、歳を重ねるごとに嗜好が変ってきた。
嫌いなアスパラの缶詰、どじょうの柳川なべも好物になり、トマトもその仲間
に入った。だが、それは嗜好が変わっただけではなく、トマトの品種が変わり
栽培方法も進歩したことによる。

 当時のトマトは、今のトマトのように果実全体が真っ赤になることは無かっ
た。出荷用のトマトも中心が10円玉程度になれば、収穫適期であった。硬い
し青臭いし不味かった。そんな嫌いなトマトでも、ナスやキュウリと一緒に子
供の遊びで4〜5本位づつ育てた。ここでもトマトは抵抗した。キュウリ、ナ
スは、立派に育ったが、トマトは途中までは元気がよいが、実がなる頃になる
と病気が入り枯れてしまう。トマトは、収穫するまで育てた記憶が無い。遊び
仲間には、野菜作りの上手な奴もいた。学校から帰ると遊びのリーダーシップ
は、彼らが握った。その実践力とリーダーシップは、学校の成績とは全く関係
なかった。
 
 トマトが日常的に食卓に上るようになったのは、昭和30年以降である。食
事の洋風化と共に、完熟で収穫して、消費者の手元に送り届けても、品質に変
わりの無い「桃太郎」と言う品種が出回ったこと、ビニールフィルムの開発に
より雨よけ栽培、促成栽培が可能になったことが、いつでもどこでも出回り、
旬をなくすほどにポピュラーな野菜に生長させた。

 それでも、トマトの旬は夏である。太陽の光をたっぷり受け、真っ赤に熟し
たトマトをちょっぴり塩を振りかけてかぶりつく。冷蔵庫で冷やし、少し厚め
にスライス、これも手秤の生塩で頂くのが美味い。近所にトマト栽培の天狗が
いる。トマトはナス科植物で連作がきかない。同じ場所での栽培は、収量を落
とし、品質を悪くする。それが科学が用意する常識だが、この農家は、土づく
りを徹底し20年も連作している。それでもその高い品質に固定客が多い。私
もその固定客の1人であり、すっかりその味に陶酔している。

 技術には、農家の経験を通した現場技術と試験研究が用意する科学技術があ
る。両者は対立するものではなく、現場技術は科学の道理に学び、科学技術は
現場の総合性に学びお互に発展するのが本来だろう。だが、特に戦後農業技術
は、科学を標榜する官製技術の上から下への普及に特化し、現場技術に学ぶ姿
勢が失われている。実態として多くの消費者の支持を得ているこの技術も、研
究機関の眼にとまらず、農業改良普及員の訪問すらない。その土地とその時期
とその土とそしてその技術、さらに加えるならば、作る者と食べる者が一体と
なった時、それが旬なのかも知れない。やはり旬は失われつつあるか。

小泉 浩郎
山崎農業研究所事務局長
y.nouken@taiyo-c.co.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<80才からのメッセージ> 戦争と食糧危機 皆さん忘れてはいませんか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 戦後60年の想い出で、政治家、作家、有識者が戦災や終戦時のこといろいろ
述べている。その中で、食べ物のことも多いが、さて現在の飽食時代で、当時
の食糧危機のことを忘れているのではないか?、ましてや現在の日本が世界一
の農産物輸入大国であることや、そのために日本農業が衰退の危機にあること
を書いている人は皆無に近い。

 
 私は終戦を仙台近郊で迎えた。その時、水田の稲は冷害で、出穂も遅れてい
た。8月15日は暑い日だったと覚えているが、その前後は、東北農村が凶作に
襲われて、娘身売りをした昭和前期のことを思い出した。ヤマセという冷風が
北東から吹いていた。宮沢賢治の詩にも「寒サノ夏ハオロオロ歩キ」というの
がある。(…「雨ニモマケズ」)


 果たせるかな昭和20年の産米は、4661万石、明治43年以来の不作だった。戦
争で農村の壮丁は戦地に出征し、馬も牛も徴用された。稲の肥料を作る人手も
なく、配給もなかった。

 政府は満州事変(日中戦争)で、食糧が不足し、昭和8年には、米穀統制法
が公布され、太平洋戦争が始まってから昭和17年には食管法が制定された。食
糧の拠出と配給が始まったが、食糧増産の担い手である、農業就業人口は、陸
海軍に徴兵されて半減した。戦争末期になると肥料や農機具の供給も少なくな
った。このとき、学徒勤労報国隊が食糧増産に動員されることになった。

 戦後の食糧危機は、さらにひどくなり、昭和21年5月には皇居前広場は25万
人の人々で埋まった。食糧メーデー(飯米獲得人民大会)である。デモ隊は、
「詔書 国体はゴジされたぞ 朕はタラフク食ってるぞ ナンジ人民飢えて死
ね ギョメイギョジ」のプラカード(※注1)を掲げ、上奏文(※注2)を持
って皇居へ入り天皇に会見を求めた。天皇は食糧危機突破につき24日ラジオ放
送した。GHQは、輸入小麦1万トンを放出、政府は食糧危機突破対策要綱を発表
した。

 戦争中と戦後の食糧危機について、現在の政治家、アメリカの政治家は忘れ
てしまっている。現在もイラクやアフガニスタン、パレスチナ、北朝鮮やアフ
リカの各地で、飢えに苦しむ人民が多数いることを忘れてはならない。


(※注1)プラカードは次のページで写真が見られます。
プラカード事件(不敬罪で起訴されたが大赦で審理できず)のプラカード
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/purakado.htm
(松山大学法学部 田村譲教授サイト
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/
から。)

(※注2)上奏文は次のページで読めます。
法政大学大原社研_食糧メーデー〔日本労働年鑑 戦後特集263〕
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rn/22/rn1949-263.html

<参考文献>
●『文藝春秋 八月臨時増刊 昭和と私』
  -戦後六十年企画特集 激動の時代を語り継ぐ-
http://www.bunshun.co.jp/mag/extra/showa/index.htm
 著名人83人が、
 ・昭和を憶い、日本を想う 
 ・昭和20年を語ろう
 ・昭和天皇の時代
 ・アメリカから得たもの、失ったもの 
 ・昭和の食と暮らしを語る
 ・戦争語り継ぐ大特集 
定価1000円 発行 文芸春秋社 2005年6月刊

●『庶民たちの終戦』声が語り継ぐ昭和
 朝日新聞朝刊「声」欄に約1年掲載された投稿をもとに編集したもの
 第1章 戦争が終わった(人間天皇引き揚げ ほか)
 第2章 たくましき庶民たち(食糧難買い出し ほか)
 第3章 新憲法と「逆コース」(日本国憲法国鉄の大事件 ほか)
 第4章 「戦後の終焉」に向かって(テレビの夜明け三種の神器 ほか)
 本格化し始めた憲法改正論議、小泉純一郎首相の靖国神社参拝と、中国・韓
国との外交関係悪化、教育の荒廃、思いやりの欠如などを考える上でも参考に
なる庶民の声。
 定価1000円+税 朝日新聞社 2005年8月刊
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31573666


山崎農業研究所会員・『電子耕』編集同人
 原田 勉
http://nazuna.com/tom/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<日本たまご事情> 鳥インフルエンザ(AI) 足元に火がつく
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 Chicagoでぶらりぶらり遊んでいたのはいいが、茨城県の養鶏地帯に
火がついてしまった。その後の様子は各種マスコミが報道しているとおりであ
る。残念なことに私どもの採卵農場もこれに含まれる立場から、この問題にコ
メントすることをしばらくの間差し控えさせてもらいたい。

 幸いなことにTV、新聞などマスコミなどもこの問題に対する報道も冷静だ。
昨年のように鶏の殺処分から埋設の様子を連日TVで写されてはたまらない。
お陰で鶏卵の大規模な買い控えも起きていない。それどころか大規模な殺処分
によって現場では鶏卵の供給がスムースに出来なくなっている、そのため場所
によってはお店にタマゴが供給出来なくなるところが出るかもしれない。鶏卵
はいつでもふんだんにあって、流通サイドでは電話一本で好きな量だけ買える
という神話が一時的にでも崩れそうだ。

 有難いことに、流通サイドも今回は鳥インフルエンザ(AI)問題に対して
冷静だ。“ * * 産の鶏卵は扱っておりません”の張り紙は見かけなかった
と聞いている。他人の不幸を商売の種にする商法は長続きするわけが無い。

齋藤 富士雄
(株)愛鶏園
http://www.ikn.co.jp/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<玉川上水の謎> その7 水路の浸食 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 建設直後の法面保護の状態は記録がないので分からないが、当時は財政難と
言えども重要なところは柵や石垣などで水による侵食(=浸食)を押さえたに
違いない。しかし大部分は素堀だったであろう。

 土水路であるから、法面や底も損傷し、長年月には崩壊や水路閉塞が起きた
と思われる。水が底に僅かしか流れていない現在では法面崩壊が急速に進み
全体が崩れているが、素堀の状態ははっきり観察できる。流れが急であった
井の頭付近の水路断面には横方向に抉られた赤土の空洞が見られることも
あった。最近では法面がコンクリートで修復され、見つけにくいが、この空洞
が人食い川と恐れられていた理由とされている。

 一般に浸食剥離で削られた場所に上流から流れてきた土粒子が沈殿堆積する。
浸食剥離と沈殿堆積の力は常にせめぎ合っている。この両者が均衡を保つよう
な流速がある。この均衡の速度よりも遅ければ、水路には土砂堆積が優勢と
なる。堆積が多くなって水路断面が狭くなると、流速が増して浸食力が増す。
浸食と堆積は繰りかえされている。土水路の実験を見ると条件による差はある
が、人がややいそぎ足で歩く速さ、おおむね毎時4-5kmあたりが均衡の速度で
あるらしい。この速度で安定した状態が保たれる。

 上水路は「やや浸食型」に分類されるかも知れない。いま、100cmの厚さで
土水路が剥離したとしよう。これでも、350年間では年に僅か3mmを超えない。
記録によると、羽村−四谷間の平均流速は約6km/hと言うから、驚くほど適切
な流速である。だが、このような僅かな浸食量には何か特別な土の性質変化に
よると考えてもよいだろう。

 関東ロームは乾燥を受けたり、強い力で破壊されない限り固く、しっかり
している。水路勾配も適切に緩やかである。いくら堅固といえど、耐食性の
強い土水路でなければ長期の送水に耐えられないであろう。
昔の家の二和土(タタキ)*に見られるように関東ロームは石灰と反応して
軽石のように堅くなる性質がある。流水に含まれている成分がローム層と結合
して素堀の面に強い耐食性を付加したのではないか。樹木も法面を支えたのか
も知れない。謎は深まる。(*石灰と赤土を混合して叩いた土間)

安富 六郎
山崎農研会員・電子耕編集同人
y.nouken@taiyo-c.co.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<リトルファーミングクラブだより> 裾野の拡大が、農地を保全する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2005年、日本の耕作放棄地は34万ヘクタールに達したそうです。
2000年には、21万ヘクタールだったので、5年で1.5倍に増えたこと
になります。

どうにかしないといけないと言う問題意識が、帰農ネットを始めた動機のひと
つなのですが、僕としては、裾野拡大が必要と思っています。

総務省のアンケート結果から計算すると、全国で4389万人が、休日と平日
で、都会と田舎をいききする「二地域居住」希望者なのだそうです。

この数字は、レジャー白書で、「土いじり」をした人が3780万人いると言
う数字を思い起こさせます。

実は、「余暇」としてとらえた場合、3500〜4000万人台と言うのは、
ジョギングやカラオケなどの裾野人口とほぼ同じなのです。

健康マラソンで皇居の周りを走っていた谷川真理さんが東京国際マラソンで優
勝したり、秋葉原のストリートミュージシャンだったレディーマーマレードが
アメリカ映画の主題歌を歌うようになったりと、スポーツや音楽の世界では、
「アマ」と「プロ」は地続きです。

農業だってそうなんじゃないか?
ちなみに、ジョギング愛好者のうち、常時走る人が200万人、フルマラソン
完走者が20万人。家庭菜園200万人、小型耕耘機保有者20万人。なんだ
か似ていませんか?
この中から、「農」の分野の谷川真理、レディーマーマレードが出てくる可能
性があると思います。

30万人の人が1反づつ耕せば、全国の耕作放棄地は解消します。
帰農ネットとしては、「兼農ライフ」をするリトルファーマーの育成を進めた
いと思っています。

◆田舎的暮らしと野菜の育て方の情報サイト
 リトルファーミングクラブby首都圏帰農サポートネットワーク
後援 社団法人 農山漁村文化協会
 ウェブサイト:
http://www.kinou.net/
メール:info@kinou.net

環境クラブ代表
 首都圏帰農サポートネットワーク事務局長 増山 博康

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<戦後60年 新刊紹介>
 敗戦のとき二十歳だった人々の「ふたつの国」を生きた証言
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『昭和零年』桐山 桂一(きりやま けいいち)著
 講談社現代新書 2005年8月刊。定価(税込):777円
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1497995


 私と同じ1925年に生まれた男女が、戦中戦後をいかに生き抜いたか、30人の
痛切の証言である。

 「昭和零年」とは、1925年。その翌年が昭和元年だから、その前年という意
味である。「ふたつの国」とは、戦争から平和へ、貧困から飽食へと様変わり
した日本のことである。 

 女性三人を除いた男性のほとんどが、軍隊経験を持っている。徴兵年齢の繰
り上げで、二等兵になり、あるいは幹部候補生になり、特攻基地や本土防衛の
前線で敗戦を迎えた。

 政治家の野中広務は自決しようと高知の桂浜へ向かっていたが、追ってきた
上官に鉄拳制裁を受けた。「命を捨てる勇気があるなら、東条英機を殺してこ
い! 命 長らえたら、この国のために働け!」その言葉で目を覚ました。
 政治家になって沖縄米軍用地特別措置法改正で軍国主義へ傾斜していく危機
感を持つ。
 イラクへの自衛隊派遣の一年延長があっさり決まった。影の総理と呼ばれな
がらも政界を引退「老兵は死なず」でこれからが本番だという。

 以下主な発言者と、テーマを紹介する。

江崎玲於奈(物理学者):私は工業で日本の復興に協力しようと、
            ソニーに入りノーベル賞につながる。
桂 米朝(落語家):あんな時代はもうごめんですなあ
永井路子(作家):大本営発表で「歴史」は書けない
杉下 茂(野球解説者):うなる魔球も平和だからこそ
大田昌秀(元・沖縄県知事):沖縄、いまだ「捨て石」なり
丸谷才一(作家):「君が代」を強制する監獄国家
篠原 一(政治学者):「憲法九条の蓄積」を無にするな
山本卓眞(富士通名誉会長):忘れられない部隊長の訓辞
大滝秀治(俳優):空襲下で見たヒトラーの贈り物
宮崎繁樹(元・明治大学総長):九十九里浜防衛戦に燃えた日々
杉本苑子(作家):忘れられない「初めての投票」
梅原 猛(哲学者):「一神教」が日本を狂わせた
松山善三(映画監督):いまこそ「知足」でいきましょう
色川大吉(歴史学者):日本の民主主義にも希望はある
速水 優(元・日本銀行総裁):兄の死が導いたキリスト教への道
橋田壽賀子(脚本家):戦後、日本人は悪くなった
石川六郎(鹿島名誉会長):国を立て直すための「わが信念」
星野哲郎(作詞家):人生の応援歌は七転び八起きから
森本哲郎(評論家):思考を放棄した新聞が国を滅ぼす

その他発言者、、小林栄一(医師)、岡田卓也(イオン名誉会長)、山口一郎
(元・建国大学生)、田中松枝(元・中国残留婦人)、森園正彦(ソニー顧問)
、久田宗也(茶道家)、山口鶴男(元・社会党書記長)、角谷 清(元・宮内
庁式部官長)、宇佐美忠信(元・同盟会長)、菅原信海(僧侶)


 今の日本がもう一度、あの昭和初期に戻る危ない状況が続いている。小泉首
相になってから、安倍晋三氏は「小型であれば、原爆の保有も問題ない」福田
康夫氏は「専守防衛になら、持つこともできる」徴兵制について石破茂防衛庁
長官は「違憲ではない」と発言している時代である。歴史を繰り返さないため
に先人の証言をお読み下さるようお薦めする。


山崎農業研究所会員・『電子耕』編集同人
 原田 勉
http://nazuna.com/tom/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<編集後記> 郵政民営化についてどれほどのことを知らされているか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今週末は総選挙である。争点の「1つ」である郵政民営化について興味ぶか
いblogに出会った。

http://blog.goo.ne.jp/reforestation/c/414c0e653afa6fd270509f10a07b3543

 筆者の趣旨は、
1)郵政民営化の背後には米国(財務省・ウォール街)の意図がある。
2)郵貯資金は社会的共通資本(宇沢弘文)の整備のために戦略的に活用すべ
きであり、そのために民営化はすべきでない。
3)1)について目をつぶったマスコミ報道は見識がなさすぎる、
などに集約されると思う。

 1)については、野党の側から発言があるものの、どうもまともに取り上げ
られない、2)のような未来を見据えた提言もほとんど目にしない。いずれに
しても、3)マスコミの不見識ということになるか。郵政民営化についてまと
もに考えるための情報を、私たちはこれまでどれだけ手にしてきたのか。不安
になってくる。

2005年9月6日
山崎農業研究所会員・田口 均

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎お願い「<読者の声>の投稿規定・メールの書き方」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1、件名(見出し)を必ず書いて下さい。「はじめまして」は省略して、言い
たいことを具体的に。
2、氏名・ハンドルネームは、文末ではなく始めのほうに。
3、1回1テーマ、10行位に。
4、ホームページを持っている人は、文末にURLを。
5、JIS X0208 規格外の文字(機種依存文字)のチェックを。
http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/networks/check/jisx0208.html
インターネットで使えない丸数字や半角カタカナ、括弧入り略号などは文字化
けの原因です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎投稿アドレス変更のお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電子耕への投稿アドレスは、発行人の変更に伴い、
y.noken@taiyo-c.co.jp
となっております。投稿される方はこちらのアドレスにお願いします。
----------------------------------------------------------------------
次回 167号の締め切りは9月16日(金)、発行は9月22日の予定です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★『メールマガジンの楽しみ方』発売中
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
書名:岩波アクティブ新書45『メールマガジンの楽しみ方』
著者:原田 勉 定価:735円 発行日:2002年10月4日
発行所:岩波書店 ISBN4-00-700045-X
まえがき・目次・著者紹介・注文方法はこちら
http://nazuna.com/tom/book.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『電子耕』から大切なお知らせ
http://nazuna.com/tom/denshico.html
http://www.taiyo-c.co.jp/public_html/yamazaki/yama_mailmag.html
<本誌記事の無断転載を禁じます>

**********************************************************************
隔週刊「農業文化マガジン『電子耕』」 第166号
バックナンバー・購読申し込み/解除案内
http://nazuna.com/tom/denshico.html
http://www.taiyo-c.co.jp/public_html/yamazaki/yama_mailmag2.html
2005.09.08(木)発行   山崎農業研究所&編集同人
mailto:y.noken@taiyo-c.co.jp
****************************************ここまで『電子耕』************





 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします

ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

Japan on the Globe 国際派日本人養成講座
日本に元気と良識を。歴史・文化・政治・外交など、多方面の教養を毎週一話完結型でお届けします。3万4千部突破!
週刊アカシックレコード
02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
【いざ、日本再生へ!】 日本再生ニュース
「わが国のあり方はこれでいいのか」「日本は国家としてのバックボーンが失われつつあるのではないか」との問題意識のもと、日本の伝統的な価値の「再建」を広...
暦のツボ
「○○の日」って、誰がどうやって決めたの?「旬の魚」って、どんな魚なの?生活や食、歴史の視点から、暦や記念日に関する疑問を一歩踏み込んでズバッと解決...


この記事へのコメント


コメントを書く
コメントはありません。

おすすめキャンペーン

■三菱東京UFJ銀行系 モビット■
【1】ネットで自動審査・来店不要!
【2】限度額300万円
【3】年利9.8%-18.0%(実質年率)

急な出費にモビット!

発行者プロフィール

ペンネーム : 山崎農業研究所

  • 山崎農業研究所 http://www.taiyo-c.co.jp/

このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント

最新のコメントはありません。

注目情報


新着記事トピックス