学校ギライ、人ギライの舞子はある日不思議な物を見つけた。アラジンの魔法のランプ……に似た、急須。偶然にその中に住む魔法使いを呼び出し主人となってしまった舞子は、心ならずも幼女誘拐事件に巻き込まれてしまうことになる。非日常コメディ「多重人格の急須」10月8日より連載開始!
- 最新号:2008-10-10
- 発行周期:毎週月〜金曜
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葵マガジンK
発行日: 2008/7/7*多重人格の急須 146*
(全160話)
"統合者"、現れる 16
ちり、ちりちり……
舞子は"主"を見た。
笑っているのか?
"主"はうなだれて、その顔はよく見えなかった。
身にまとうローブが、震えている。
笑っているのではない。
彼(彼女?)は、泣いているのだ。
ああ、そうか。
舞子は、やっと理解した。
"主"は、恐かったのだ。
自分のことを、自分の正体を、自分の望みを要求を表にさらし出すのが、恐くて震えていたのだ。
どうせ受け入れてはもらえない望み。
蹴られるとわかっている、土台が無理な注文。
自分なんて、何も要求することなく、ただ死を待っていればいいのだ。
そうなったところで、哀しむ者とていないのだから。
孤独で、恐くて、寒くて、温もりが欲しくて、でも恐くて――
「あ、あたしたちならいいわよね?」舞子は自分でも気づかないまま"主"の方へと歩み寄っていた。無意識のうちに"主"の震えるローブを掴む。
"主"は、皺だらけの顔を上げて舞子を見た。
*次回へ*
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