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*多重人格の急須 142*
(全160話)
"統合者"、現れる 12
「思念……ビームに?」舞子は"主"に訊いた。
「いいえ、ビームではなく思念そのものにです。小さな子どもの発する物質は、私たちの持つ光に代って私たちの思念を伝える媒体となってくれるのです。私の声として今あなた方の耳に届いているのは、真央子さんの発するその物質の粒子が震えている、摩擦音なのです」
「ううーむこれは驚きだ!」急須くんは甲高い声で唸り、遥香は腕に抱く我が子を驚愕の眼差しで見やり、舞子はこめかみを押えて眉をしかめ首を傾げた。
「そうか……だからあなたの声って、すぐ近くで聞こえてたのね」遥香の納得した様子は、舞子にはうらやましい限りだった。
「重ねて申し上げますが、これにより真央子さんに苦痛ないし精神的肉体的損傷を与えることは、決してありません」
「そう……まあ、本人ケロッとしてるしね」遥香はここに至ってようやく、少しだけ"主"に道を譲ったようだった。
*次回へ*
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