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*多重人格の急須 119*
(全160話)
舞子、使役する 19
この風鈴の音は"主"が立てているものらしい。
「何が可笑しいのかしら」優美は微笑を浮かべて問いかけた。
「――可笑しい?」
「あれって……笑ってるの?」
舞子と遥香は囁き合った。
"主"を振り向くと、深い皺の奥の瞳は伏せられたままだったが、心なしかそこには"笑いの光の粒"が宿っているようにも思えた。
"主"は、笑っているのだ。
しかしそれは、幸福に満ちた笑いでは、決してなかった。
それは、か細いけれどもよく聞けば"凄味"のある笑い声だった。
"主"は、決して友好の情を持ってはいない。
舞子はそう確信した。
「私を傷つけたいならば、そうなさい」
"主"はそう言い、伏せていた目をおもむろに上げて舞子たちを見た。
舞子は光線が放たれるのだと直感した。
しかしそうではなかった。
"主"は顔を真っ直ぐ前方に向けたまま、その瞳をゆっくりと閉じた。
「――?」
「何?」
舞子と遥香は、不安の声を挙げた。
「彼は、眠りに入ったわ」優美が答えて言った。「人格が、閉じられた」
*次回へ*
やつらは「何か」に取り憑かれている──オムニバス・ホラーコメディ
「ハーイ皆死んだ魚の目でチ〜ズ」(作/葵むらさき)
連載中!
おりおん☆
http://de-view.net/
by 葵むらさき
http://murasaki.aoi.peewee.jp/
解除はこちら
http://www.melma.com/backnumber_151885/
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