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*多重人格の急須 110*
(全160話)
舞子、使役する 10
両腕を伸ばして"主"の光を受け取り拡散し、舞子たちを守ってくれた木多丘。
巨大な手で舞子がせき込むほど叩き、快活に豪快に笑う優美。
切なげに目を細め、しなやかな身のこなしと深く柔らかい声で語りかけてくる正吾。
そして、少しサイズの大きめな白衣をまとい、縁なし眼鏡をかけ、神経質そうに眉根を寄せながら、ずけずけと歯に衣着せずものを言う大石。
ずけずけと――
歯に衣着せず――
「私は、こちらにおわします舞子さまにお仕えするしもべの魔法使いでございます」
そう。
そして間違いなく、常にそばにいてくれた――
急須を、割るまでは。
真っ白になっていた舞子の心に、色が戻って来た。
――そばにいて欲しい――
舞子は両手で顔を覆った。
――そばにいてほしい!
「あ、戻った」
遥香が声を挙げた。
「はえ?」
舞子は赤く腫れた顔を上げた。
遥香の視線の先の床を見る。
急須が、そこにあった。
「――あ?」舞子は思わず、眉をしかめた。「なんで?」
「本心から手放そうと持ち主が思わない限り、急須は消滅しないのです」大石の声がした。
*次回へ*
やつらは「何か」に取り憑かれている──オムニバス・ホラーコメディ
「ハーイ皆死んだ魚の目でチ〜ズ」(作/葵むらさき)
連載中!
おりおん☆
http://de-view.net/
by 葵むらさき
http://murasaki.aoi.peewee.jp/
解除はこちら
http://www.melma.com/backnumber_151885/
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