葵マガジンK |
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*多重人格の急須 108*
(全160話)
舞子、使役する 8
「だからこそ申し上げるのです」大石の眼鏡と言葉と態度は、ほんのひとかけらも淀むことがなかった。「これが我々の側としても、舞子さまに何ら隠すところがないことの証明であるのです」
「――ひどいよ」
やっとのことでその言葉をしぼり出した舞子の眼からは、大粒の涙が次々とこぼれ出た。
「そんなことズケズケ言うなんて、ひどいよ――やっぱりあんたたちなんかに心開くんじゃなかった」舞子の声は震えた。「あんたなんて――あんたたちなんて、大っ嫌い!!
大石は、何も言わなかった。
「も、もうこんな急須なんて」舞子はいきなり、急須を拾い上げた。「いらない!」そしてそう叫ぶなり、彼女はそれを投げた。
かしゃ――ん……
小気味よい音を立てて、それは割れた。
室内にいる者たちは誰も一言も喋らず、舞子のしゃくり上げる声だけが聞え、彼女の涙だけが次々とこぼれ落ちた。
舞子はへたり込み、しばらく両手で顔を覆い、肩を震わせて泣きつづけた。
*次回へ*
やつらは「何か」に取り憑かれている──オムニバス・ホラーコメディ
「ハーイ皆死んだ魚の目でチ〜ズ」(作/葵むらさき)
連載中!
おりおん☆
http://de-view.net/
by 葵むらさき
http://murasaki.aoi.peewee.jp/
解除はこちら
http://www.melma.com/backnumber_151885/
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