葵マガジンK |
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*多重人格の急須 103*
(全160話)
舞子、使役する 3
"主"は、俯いていた。
ぴくりとも動かない。
――死んでるの?
舞子は一瞬、どきんと胸を打たれた。
しかしそうではないことは"主"のまとっている透明なローブが微かに震えていることから判じ取れた。
「あんた……」舞子は注意深く、相手を責めたてる口調にならぬように気を配りながら話しかけた。「自分が、もどかしいのね」
「舞――ちゃん……?」遥香も、木多丘の背から覗いて見ていた。
「私を受け入れてくれる星は、どこにもない」"主"は俯いたまま呟いた。
光線は出されなかった。
ただ思念の震えだけが舞子の耳朶に届いた。
本当に耳のすぐ傍でひそひそ話をしているような、か細い風の囁きだった。
「それは――」舞子は返答してやりたかったが、答えられなかった。
そんなことはない、などという言葉は、舞子の気持ちそのものに反する。
確かにこの目の前のエイリアンは、もはやこの宇宙のどこの誰からも歓迎されないかも知れない。
誰からも――
「あたし、あんたの気持ち、わかるかも知んない」舞子は我知らず、声を張り上げていた。
*次回へ*
やつらは「何か」に取り憑かれている──オムニバス・ホラーコメディ
「ハーイ皆死んだ魚の目でチ〜ズ」(作/葵むらさき)
連載中!
おりおん☆
http://de-view.net/
by 葵むらさき
http://murasaki.aoi.peewee.jp/
解除はこちら
http://www.melma.com/backnumber_151885/
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