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記者コラム「インターネットで読み解く!」

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「インターネットで読み解く!」

発行日: 2008/3/9

┏━◆◇━━━━━━━━━━━━━━by mag2/melma!/Kapulight/E-mag━

┃  記者コラム「インターネットで読み解く!」2008/3/9 (毎日曜刊)

┣━━━━━━━━━━━━━━━━ 独立刊 No.225 発行部数12,011部 ━

┃ ※久しぶりに身近な音楽と技術について書いてみました・・・
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  ------ AV特集「圧縮音楽の高音改善は低音も増強」------

 iPodが国内に1000万台以上あると言われるように、各社が出しているデジタ
ルオーディオプレーヤーは日常生活に不可欠、空気のような存在になっていま
す。周囲に騒音がある通勤通学や街中の散歩に使うなら音質を問題にするまで
もないけれど、最近、もっと本格的に音楽を聴けないかと欲張り始めました。
その結果、ちょっと面白い結論「圧縮された音楽の高音改善は低音も増強して
しまう」に達したのが今回の報告です。

 かつてシリコンオーディオと呼ばれたように比較的小さなメモリーに大量の
音楽を蓄えるのが特長です。情報が多い高音域を気にならない程度にカットす
るのがミソです。しかし、最初にiPodが世に出たとき「音が悪すぎる」と感じ
られました。当時試して音楽を圧縮した後のビットレート192kbpsなら、なんと
か納得できると感じ、iPodではないプレーヤーを買ってCDからMP3やWMAに変換
して聴いてきました。

 少し古いページ、AV Watchの「第10回:パッケージソフト全盛時代の『現代
MP3事情』〜その2:MP3エンコードの設定でどれだけ音が変わるのか?〜」
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20010514/dal10.htm
に圧縮後のビットレートの違いにより周波数特性がどう変化するのか、きれい
なグラフで紹介されています。オリジナル曲と比べて「グラフが落ち込むのは、
96kbpsでは12kHz上、128kbpsでは16kHz、192kbpsと160kbpsでは20kHz、320kbps
では21kHz近辺であることがわかる」としています。16kHzくらいならたいてい
の人が聞き取れるはずです。「非可逆圧縮」が最初に広く消費者に使われたの
はMD(ミニディスク)からで圧縮度は気づかれないように抑えられました。

 最近、大容量のデジタルオーディオプレーヤーが登場し、これまでなら1曲
が2MBか4MBくらいだったのを10倍くらいにする「可逆圧縮」の機種が出てきま
した。実質的にオリジナルが聴けるのですから、これに乗り換えるのがベスト
でしょうが、たまたま私が使っている携帯電話「au W54T」の音楽プレーヤー部
分に、失われた高音を補う「DBEX」という音質補正技術が備わっていると知っ
たので使ってみることにしました。

 ITmedia「“音楽のau”を支えるヤマハの『DBEX』技術とは」
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0612/13/news084.html
にビットレート48kbps程度の「着うたフル」などの「失われた音の成分を補完
し、さらに中音域のざらつきなどを改善する技術」とあります。少し気を付け
て新製品の紹介を見ると、同種の機能を持つデジタルオーディオプレーヤーが
いくつも登場しています。実のところ、そうしたリリースを見て食指が動き、
使っていなかった携帯電話の機能を見直したのでした。

 どんな補正をしているのか、簡単に言えば圧縮後に残っている低い音楽周波
数成分の倍音を作っているようです。倍音、3倍音…と整数倍の周波数の音を
付加するのは技術的には容易です。自然な感じにするノウハウは各社で開発し
ているようで、方式名が違います。

 ふだんに持ち歩いているイヤフォンは独ゼンハイザーのMX500とオーストリア
AKGのK12Pです。イヤフォンは耳の形との相性があって音質は私の評価に限
れば、MX500は野太い低音に艶っぽいボーカル、K12Pは高域伸びて鮮やかで低音
控えめながら重低音あり――となります。音質補正技術をONにした瞬間に瑞々
しい感じが広がってK12Pは伸びた高域がいっそう冴えわたり、バイオリンのソ
ロなど大満足です。MX500もボーカルの艶がさらに良くなりますが、太い低音が
さらに強くなってしまうのです。静かな部屋でゼンハイザーのヘッドフォンPX
100を使って「低音の出過ぎ」が確認できました。K12Pについて言えば、重低音
の上に低音が肉付けされて素晴らしいバランスに変化します。

 実は、かなり大きなスピーカーでも音楽で使われる30Hzや50Hzといった本当
の重低音は出せていないのです。それでも聞こえると感じるのは倍音の存在か
ら「脳が感じる」からです。ITmedia「小さなスピーカーで重低音再生――ビク
ターの新『液晶EXE』(2/2)」
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0604/06/news074_2.html
には重低音を感じさせるために、存在しない重低音の倍音を積極的に付加する
技術開発が説明されています。圧縮音楽の音質補正技術も意図しないで低音増
強を実現してしまったようです。

 この副作用について善し悪しを論じるつもりはありません。クラシックなど
で明らかな過剰感を感じる場合もあれば、バス楽器の彫りが深まり、アタック
感が増してグッドということもあります。音楽ライフを楽しむために知ってい
て利用できる、面白いファクターです。




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   http://dandoweb.com/web2.htm
  ……硬軟まじえた面白テーマで、新しい「知の水先案内」ページに
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◆◇編集後記

 2月末にウェブで以下のお知らせを掲示しました。


  ------「再スタート」と岩波『世界』転載終了------

 「ブログ時評」サイトを作るきっかけになった岩波書店『世界』へのダイジ
ェスト版転載が、いま発売中の3月号で36回をもって終わりました。最終回は
裁判員制度は混乱必至でも開始すべきか [ブログ時評89]から、その前は専業
農家の救出を急がねば稲作は崩壊 [ブログ時評87] からと、非常に幅広い話
題でブログが発信している様々な声を扱わせていただきました。『世界』の誌
面中で「ネット言論はいま・ブログ時評on SEKAI」でしか読めないテーマが満
載で、医療崩壊などは『世界』編集部が取り上げる1年以上前に出し雑誌経由
で知られた読者も随分、増えた印象です。 

 また過去2年半、新聞社内では記事審査委員という、社外に知られていない
特殊な仕事をしてきましたが、これも3月末で離れて普通の記者に戻れること
になりました。記事審査委員の仕事は出来上がった新聞紙面のご意見番です。
私の場合は正統的な各紙比較などのやり方に加えて、ブログ時評で開発した手
法を使い、日々の新聞記事に対して社会からどんな風が吹いているのか、具体
的に示すことも試みてきました。当然ながらレポートは辛口なトーンが強く、
社内秘扱いです。これで困ったのが、社内と社外で同じ事は書けない制約でし
た。この難点も4月から解消です。 

 ふたつの大きな制約が4月からなくなります。「再スタート」をどういう形
にするか、現在、検討しています。もともと「インターネットで読み解く!」と
いう社外活動は、新聞社の業務と完全に切り分けられるとの前提で成立してい
るもので、社内情報を使わなければ社外活動もオーケーになっています。この
3年余りのブログ経験に、さらに記事審査委員の経験もミックスして「再スタ
ート」に何が出来るか、3月下旬までにはアナウンスしたいと考えています。 



┏━━━━━━━━━━◇発行 団藤保晴  dando@dandoweb.com    ◇━━━

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