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二重写しの預言

発行日: 2008/6/12

「紀元70年のエルサレム滅亡」は「世の終わりの出来事」の型であるとされています。

まず、マタイの福音書から読み起こしていきましょう。

マタイ
 23:27 忌わしいものだ。偽善の律法学者、パリサイ人たち。あなたがたは白く塗った墓のようなものです。墓はその外側は美しく見えても、内側は、死人の骨や、あらゆる汚れたものがいっぱい

 23:36 まことに、あなたがたに告げます。これらの報いはみな、この時代の上に来ます。

 23:37 ああ、エルサレム、エルサレム。預言者たちを殺し、自分に遣わされた人たちを石で打つ者。わたしは、めんどりがひなを翼の下に集めるように、あなたの子らを幾たび集めようとしたことか。それなのに、あなたがたはそれを好まなかった。

 23:38 見なさい。あなたがたの家は荒れ果てたままに残される。

そして、ルカの福音書では、

ルカ
 19:41 エルサレムに近くなったころ、都を見られたイエスは、その都のために泣いて、
 19:42 言われた。「おまえも、もし、この日のうちに、平和のことを知っていたのなら。しかし今は、そのことがおまえの目から隠されている。

 19:43 やがておまえの敵が、おまえに対して塁を築き、回りを取り巻き、四方から攻め寄せ、

 19:44 そしておまえとその中の子どもたちを地にたたきつけ、おまえの中で、一つの石もほかの石の上に積まれたままでは残されない日が、やって来る。それはおまえが、神の訪れの時を知らなかったからだ。」

 イエスはエルサレムの滅亡を予言されました。そして紀元70年にそのことが起こりました。その歴史上の出来事は次のように伝えられています。

ヘロデ大王は、ギリシヤ・ローマ文化の熱心な信奉者であった。紀元66年、ローマに対する反乱が起った。70年、ティトゥスとの143日に及ぶ攻防戦の後に、エルサレム及びその神殿は猛火に包まれて焼け落ちた。
市街に突入したローマ兵が至る所で人々を惨殺し、家々に放火した。

イエス キリストが実際にエルサレムの崩壊を予言して涙したという聖書の記述(ルカ19:41)が現実のものとなったのです。

唯一残った西側の城壁が「西の壁」あるいは「嘆きの壁」と呼ばれる今日のユダヤ人の最も聖なる場所であることはよく知られていますね。

さてここでイエスが語られた終末の前兆(マタイ24章)の註解を、聖書註解書から引用して紹介します。

(引用)
「ヘロデの神殿」と呼ばれていた宮は。ヘロデ大王が前20年に着工し、この時も工事は続いていた。大理石や金箔を用いた壮麗な外観に目を奪われている弟子たちに、イエスはそれが崩壊する時が来ることを告げた(マタイ24:1‐2)。
(引用終り)

さて、マタイ24章およびルカ21章(7節以下)を読んでみますと、それは黙示録に書かれている終わりのときに起こることを連想させます。
だからイエスの予言は、イエスが再び来られる終末のことだと思ってしまうのですが、この予言がなされた時は紀元70年にエルサレムが滅亡する直前でもあったのです。

聖書註解書はこのことについて、次のように述べています。
(引用)

(註解)続いて、神殿の崩壊とエルサレムの滅亡が語られる。〈荒らす憎むべき者〉(15節)はダニエル書の「荒らす者」(8:13),「荒らす忌むべき者」(9:27,11:31,12:11)への言及であろう。

ダニエル 8:13 私は、ひとりの聖なる者が語っているのを聞いた。すると、もうひとりの聖なる者が、その語っている者に言った。「常供のささげ物や、あの荒らす者のするそむきの罪、および、聖所と軍勢が踏みにじられるという幻は、いつまでのことだろう。」

 9:27 彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現われる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。

村川注)ダニエル書は、ヨハネの黙示録と同様に未来に関する預言、ことに終末に関する出来事を表象的に表しているので、それらの預言や表象の解釈は解釈者によって多様であると言われています。
例えば、ダニエル9:27はティトゥスによる紀元70年のエルサレム陥落を預言していると解する立場と、もう一つは、ダニエル2,7,9,11章の夢や幻はイエス・キリストの再臨に関連していると解釈する立場があるとされています。
(村川注終り)

このダニエル預言は紀元前2世紀に、アンティオコス・エピファネス王が宮にゼウスの像を立て、豚などの汚れた動物をいけにえとしてささげた時に成就した。それと同じような事態が再び起ったら、エルサレムから逃げるようにとイエスは言うのである。逃げる場所は、追うことが困難な山がよいとされた。

マタイ24:15 それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、

 24:16 そのときは、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。

 24:17 屋上にいる者は家の中の物を持ち出そうと下に降りてはいけません。

 24:18 畑にいる者は着物を取りに戻ってはいけません。

 24:19 だが、その日、悲惨なのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。

 24:20 ただ、あなたがたの逃げるのが、冬や安息日にならぬよう祈りなさい。

(註解)それは家の中の物や畑仕事のため脱いでおいた着物さえ取りに行く暇がないほど緊急な事態で、妊婦や乳飲み子を抱えた母親は対応出来ない。冬は雨期で道がぬかり、安息日にはエルサレムの門が閉じられ、物資の調達も出来ないから、冬や安息日にそれが起らないよう祈る必要がある。

その時の苦難は未曾有であるが、選ばれた者たちのために神はその期間を縮められる。さもなければすべての者が命を落すことになる。

 24:21 そのときには、世の初めから、今に至るまで、いまだかつてなかったような、またこれからもないような、ひどい苦難があるからです。

 24:22 もし、その日数が少なくされなかったら、ひとりとして救われる者はないでしょう。しかし、選ばれた者のために、その日数は少なくされます。

▲21‐22節は終末の大患難への言及ととる者もいる。あるいは2つの患難が二重写しになっているのかもしれない。  ・・と解説書では述べられています。

このことに着目すると、「紀元70年のエルサレム滅亡は世の終わりの出来事の型」と、私が今日の書き込みの冒頭で述べたことがお分かりいただけるでしょう。

なんとややこしいと私もかって考えたことがあります。しかし久保牧師が言っておられるように、神は私たちに来るべきことの絵を前もって見せてくださいます。

マタイ24章のイエスの予言は、紀元70年のエルサレムの滅亡の予言であり、同時にそれは終末のイエスの再臨の時の予言でもあるのです。

久保牧師は、こう説明しています。

(引用)
キリストは、紀元70年のエルサレム滅亡と世の終わりの出来事とを、二重写しに語られたのでした。
じつは、紀元70年のこのエルサレム滅亡の出来事は、世の終わりの出来事の「予型」でもあります。
それはマタイの福音書24章、ルカの福音書12章などに記されたキリストの預言を、注意深く読むとわかります。

キリストはそれらの予言の中で、紀元70年のエルサレム滅亡と世の終わりの出来事とを、二重写しに預言しておられます。
つまり、紀元70年のエルサレム滅亡と同様のことが、世の終わりにも起こるのです。
(引用終り)

 
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