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救いは取り消されるか?クリスチャン評論(3)

発行日: 2008/5/9

「救いは取り消されることがある」とする人たちの聖書的根拠となるヘブル人への手紙をもう一度引用します。

ヘブル 6:4 一度光を受けて天からの賜物の味を知り、聖霊にあずかる者となり、

 6:5 神のすばらしいみことばと、後にやがて来る世の力とを味わったうえで、

 6:6 しかも堕落してしまうならば、そういう人々をもう一度悔い改めに立ち返らせることはできません。彼らは、自分で神の子をもう一度十字架にかけて、恥辱を与える人たちだからです。

 10:26 もし私たちが、真理の知識を受けて後、ことさらに罪を犯し続けるならば、罪のためのいけにえは、もはや残されていません。

 10:27 ただ、さばきと、逆らう人たちを焼き尽くす激しい火とを、恐れながら待つよりほかはないのです。

これらの箇所について、ティンデル註解書は、次のように述べています。

ヘブル人への手紙のこの箇所は広範な議論を呼び、その結果、多くの誤解が生じることになった。おもな問題は、ひとりのキリスト者が神の御子に対して、いっそう悪い違反を犯す場合、恵みから落とされるほど有罪とされるのを著者は前提としているのか、ということである。もし、そうだとすれば、信仰者が永遠に守られることを示す新約聖書の他の箇所を、私たちはどう説明することができるのか。

成長なさっている皆様ですから、「救いは取消されることはあるのか?」の問題については、すでにご自身の答えを得ておられるかも知れませんが、引き続いてていねいに書き込みたいと思います。

戒めるべきは、聖書のある箇所だけを自分に都合いいように引用して、救いは取り消されることがある、ないを、さらに悪いことは、自分の主観を交えて議論することです。

ヘブル人への手紙から、救いは取り消されることがあると考えるとき、まず、知っていただきたいのは、「背教とは何か?」です。

聖書辞典から引用します。

背教(はいきょう):〈ヘブル語〉メシューバー、〈ギリシャ語〉アポスタシア
いったん持っていた神への信仰を,本人の自由意志で,しかも信仰生活から離れるという目に見える行動をもって,捨てることを意味する.

(1)旧約聖書の場合
背教の概念は,旧約では神の選民が*律法の教えに反して,偶像礼拝の罪を犯す時の「主を捨てる」こと(ヨシュア24:16),及び「背信の行為」(ホセア11:7)として語られている.

分裂王国時代の多くの王たちは,背信によって民を偶像崇拝の罪に陥れ,国家的な危機をもたらした(歴代下12:1‐5など).

(2)新約聖書の場合
新約では,背教が教会にとって危険なものであることが繰り返し警告されており(1テモテ4:1‐3,2ペテロ3:17),特に終末において,神の権威への反抗として起ると預言されている(2テサロニケ2:3).

背教の本質は,「信仰から離れる」こと(1テモテ4:1),「生ける神から離れる」こと(ヘブル3:12)であり,原因としては,

迫害(マタイ24:9,10),偽教師(ガラテヤ1:6‐8),誘惑あるいは試練(ルカ8:13),キリストについての誤った知識(1ヨハネ2:19),礼拝と信仰生活の放棄(ヘブル10:25‐31),不信仰(ヘブル3:12)などが挙げられる.主イエスを裏切ったイスカリオテのユダや,ヒメナオとアレキサンデル(1テモテ1:19,20)

などがその実例である.

なお意図的な背教をした場合には,回復される望みが残されていない,との厳粛な宣言がある(ヘブル6:4‐6).

しかし迫害の際に,暴力に屈して異教の神々へ香をたいたり,キリストの御名を否んだりさせられた信者たちは脱落者(ラプシ)と呼ばれたが,後に復帰を許される者もいた.

初期の教会は,彼らと区別して自分の意志で信仰を捨てた者だけを背教者と見なした.

その顕著な一例は,ローマ皇帝ユリアーヌス(332‐363年)で,彼は王位につくと間もなく,異教へ傾き,キリスト教信仰を捨てたゆえに,背教者ユリアーヌスとしてその名を歴史に残すに至った.

日本のキリスト教会で起きた例としては,弾圧による背教,偽装的背教,くぐり抜け的背教,非キリスト教思想へ脱出する背教,自覚的決断なしに東洋的宗教思想に回帰する背教が,諸類型として挙げられる.

(引用終り)

次に合わせ考えるべきことは「罪の赦し」です。救いが取り消されるときは、罪の赦しを主なる神が拒絶なさるときだからです。

どんなときに拒絶されるのでしょうか?あるいは、拒絶されないのでしょうか?

ダビデは水浴をしている人妻を見て欲情を抱き、その夫を戦場で意図的に戦死させるまでして、その女を自分の妻にしました。この姦淫と殺人の罪からすれば、ダビデ王は神から見放されて、王の地位を失っても不思議ではない状況にありました。

しかし、ダビデが自分の罪を認めた時(サムエル記下12:7-16)、悔い改めて罪の赦しを体験し、神に対しての新しい服従の転機とさせていただけたのです。

サムエル記下

 12:7 ナタンはダビデに言った。「あなたがその男です。イスラエルの神、主はこう仰せられる。『わたしはあなたに油をそそいで、イスラエルの王とし、サウルの手からあなたを救い出した。

 12:8 さらに、あなたの主人の家を与え、あなたの主人の妻たちをあなたのふところに渡し、イスラエルとユダの家も与えた。それでも少ないというのなら、わたしはあなたにもっと多くのものを増し加えたであろう。

 12:9 それなのに、どうしてあなたは主のことばをさげすみ、わたしの目の前に悪を行なったのか。あなたはヘテ人ウリヤを剣で打ち、その妻を自分の妻にした。あなたが彼をアモン人の剣で切り殺したのだ。

 12:10 今や剣は、いつまでもあなたの家から離れない。あなたがわたしをさげすみ、ヘテ人ウリヤの妻を取り、自分の妻にしたからである。』

 12:11 主はこう仰せられる。『聞け。わたしはあなたの家の中から、あなたの上にわざわいを引き起こす。あなたの妻たちをあなたの目の前で取り上げ、あなたの友に与えよう。その人は、白昼公然と、あなたの妻たちと寝るようになる。

 12:12 あなたは隠れて、それをしたが、わたしはイスラエル全部の前で、太陽の前で、このことを行なおう。』」

 12:13 ダビデはナタンに言った。「私は主に対して罪を犯した。」ナタンはダビデに言った。「主もまた、あなたの罪を見過ごしてくださった。あなたは死なない。

 12:14 しかし、あなたはこのことによって、主の敵に大いに侮りの心を起こさせたので、あなたに生まれる子は必ず死ぬ。」

 12:15 こうしてナタンは自分の家へ戻った。主は、ウリヤの妻がダビデに産んだ子を打たれたので、その子は病気になった。

 12:16 ダビデはその子のために神に願い求め、断食をして、引きこもり、一晩中、地に伏していた。

このような場合にも、主なる神は悔い改めを聞き入れてくださったのです。

 
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