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使徒パウロの聖霊論

発行日時: 2008/5/6

聖霊の教義について、今日は最終回とさせていただきますが、聖霊の教義と体験のためには、聖書の聖霊論がその頂点に達するパウロの手紙に目をとめる必要があるとされています。

以下、その各項目について、聖書辞典から引用・解説します。
成長なさっている皆様にとっては、すでによくご存知のことがほとんどでしょうから、確認のために斜め読みなさっていただければと思います。

(1)聖霊は「キリストの(御)霊」(ロマ8:9)である

ローマ(新改訳)
 8:8 肉にある者は神を喜ばせることができません。

 8:9 けれども、もし神の御霊があなたがたのうちに住んでおられるなら、あなたがたは肉の中にではなく、御霊の中にいるのです。キリストの御霊を持たない人は、キリストのものではありません。

 8:10 もしキリストがあなたがたのうちにおられるなら、からだは罪のゆえに死んでいても、霊が、義のゆえに生きています。

ローマ(新共同訳)
 8:8 肉の支配下にある者は、神に喜ばれるはずがありません。

 8:9 神の霊があなたがたの内に宿っているかぎり、あなたがたは、肉ではなく霊の支配下にいます。キリストの霊を持たない者は、キリストに属していません。

 8:10 キリストがあなたがたの内におられるならば、体は罪によって死んでいても、"霊"は義によって命となっています。

Romans(NKJV)
 8:8 So then, those who are in the flesh cannot please God.

 8:9 But you are not in the flesh but in the Spirit, if indeed the Spirit of God dwells in you. Now if anyone does not have the Spirit of Christ, he is not His.

 8:10 And if Christ is in you, the body is dead because of sin, but the Spirit is life because of righteousness.

聖霊は「御子の(御)霊」(ガラテア4:6)とも言われる.

ガラテア (新改訳)4:5 それは、律法の支配下にある者を贖い出して、わたしたちを神の子となさるためでした。

 4:6 あなたがたが子であることは、神が、「アッバ、父よ」と叫ぶ御子の霊を、わたしたちの心に送ってくださった事実から分かります。

 4:7 ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子であれば、神によって立てられた相続人でもあるのです。

一方,キリストは「生かす御霊」(1コリント15:45)と呼ばれており,2コリント3:17では「主は御霊です」と言われている.また,聖霊によらなければ,だれもイエスを主と告白することができないと共に,神の御霊によって語る者はだれもイエスをのろうようなことはしないと言われている(1コリ12:3).

このように,聖霊の働きとキリストの働きが密接な関係をもって理解されている.

これは聖霊とキリストとの間に区別がないということを意味するものではなく,職務と目的とにおける聖霊とキリストとの一致を語っているのである.

(2)聖霊の神性と人格性

聖霊は「神の(御)霊」(1コリント3:16)であり,神の本質を構成している位格(〈ラテン語〉ペルソナ)の一つである(2コリント13:13,エペソ4:4).永遠性(ヘブル9:14),全知(1コリント2:10),全能(ルカ1:35)といった神的属性も御霊に帰されている.

また,信徒一人一人に賜物を分け与える(1コリント12:4‐11.特に11節の「みこころのままに」という表現に注意)行為を初め,父の御旨を啓示し(1コリント2:10‐12),信徒を教え(1コリント2:13),彼らのあかしを祝福する(
1コリント2:4,1テサロニケ1:5)といった諸行為に関する記述を見ると,聖霊の活動の人格的性格が示されていることが分る.

1コリント12:4 さて、御霊の賜物にはいろいろの種類がありますが、御霊は同じ御霊です。

 12:5 奉仕にはいろいろの種類がありますが、主は同じ主です。

 12:6 働きにはいろいろの種類がありますが、神はすべての人の中ですべての働きをなさる同じ神です。

 12:7 しかし、みなの益となるために、おのおのに御霊の現われが与えられているのです。

 12:8 ある人には御霊によって知恵のことばが与えられ、ほかの人には同じ御霊にかなう知識のことばが与えられ、

 12:9 またある人には同じ御霊による信仰が与えられ、ある人には同一の御霊によって、いやしの賜物が与えられ、

 12:10 ある人には奇蹟を行なう力、ある人には預言、ある人には霊を見分ける力、ある人には異言、ある人には異言を解き明かす力が与えられています。

 12:11 しかし、同一の御霊がこれらすべてのことをなさるのであって、みこころのままに、おのおのにそれぞれの賜物を分け与えてくださるのです。

 12:12 ですから、ちょうど、からだが一つでも、それに多くの部分があり、からだの部分はたとい多くあっても、その全部が一つのからだであるように、キリストもそれと同様です。

(3)信仰は聖霊の働きによって生み出される(ロマ8:2)

ローマ(新改訳) 8:1 こういうわけで、今は、キリスト・イエスにある者が罪に定められることは決してありません。

 8:2 なぜなら、キリスト・イエスにある、いのちの御霊の原理が、罪と死の原理から、あなたを解放したからです。

(新共同訳) 8:1 従って、今や、キリスト・イエスに結ばれている者は、罪に定められることはありません。

 8:2 キリスト・イエスによって命をもたらす霊の法則が、罪と死との法則からあなたを解放したからです。

(NKJV) 8:1 There is therefore now no condemnation to those who are in Christ Jesus, who do not walk according to the flesh, but according to the Spirit.

 8:2 For the law of the Spirit of life in Christ Jesus has made me free from the law of sin and death.

聖霊を受けることなしには,だれもキリスト者ではあり得ない(ガラテア3:2).聖霊を持つことは,キリストに属することにほかならない(ロマ8:9).

ここで,パウロの一つの表現に注意すべきであろう.彼によると,御霊を持つことは,人が神に属するものであることの「確認の印」であり,「保証(〈ギリシャ語〉アラボーン)」(2コリ1:22)である.また,「聖霊は私たちが御国を受け継ぐことの保証(〈ギリシャ語〉アラボーン)」(エペソ1:14),つまり,聖霊の贈物は神を愛する者たちのために神が用意された天の完全な祝福の″手付金″である.

(4)聖霊こそがクリスチャン生活を持続させ成長させる源である(パウロの確信)

肉に従って歩むことは死であり,御霊に従う者は生きる(ロマ8:6).聖霊は弱い私たちを助け(ロマ8:26),力を与え(ロマ15:19),希望にあふれさせる(ロマ15:13).私たちがきよめられるのも御霊によってである(ロマ15:16,2テサロニケ2:13).

御霊は律法がなし得なかったことを内側からなし遂げ(ロマ8:1‐4),私たちのうちに「御霊の実」(ガラ5:22‐23)を与える.クリスチャンが「肉」を殺すことに失敗するなら,それは聖霊を悲しませることになる(エペソ4:30).パウロにとって,クリスチャンの生活の初めも,途中も,終りも,すべてが御霊の働きである.

ガラテア(新改訳)5:19 肉の行ないは明白であって、次のようなものです。

不品行、汚れ、好色、 5:20 偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、憤り、党派心、分裂、分派、 5:21 ねたみ、酩酊、遊興、

そういった類のものです。前にもあらかじめ言ったように、私は今もあなたがたにあらかじめ言っておきます。こんなことをしている者たちが神の国を相続することはありません。

 5:22 しかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、 5:23 柔和、自制です。

このようなものを禁ずる律法はありません。
 5:24 キリスト・イエスにつく者は、自分の肉を、さまざまの情欲や欲望とともに、十字架につけてしまったのです。

 5:25 もし私たちが御霊によって生きるのなら、御霊に導かれて、進もうではありませんか。

(5)教会の中で働く聖霊

1つの御霊によって1つのからだとされる,つまり,教会の起りは聖霊の働きによる(1コリ12:13).教会に与えられるすべての賜物(カリスマ的,一般的のすべて)は,同じ1つの御霊によるものである(1コリ12:4,8‐11).祈り(1コリ14:15),愛(コロサイ1:8),交わり(ピリピ2:1),礼拝(ピリピ3:3)は,御霊の働きと深く結び合されている.

クリスチャンが建てられ組み合されて一体となり,彼らの共同体が神の住まいになることができるのは,御霊の働きの結果である(エペソ2:22).

教会と聖霊の深い関係について、パウロは教会は生ける神の御霊によって書かれた手紙であると言っている(2コリント3:3).

2コリント3:1 私たちはまたもや自分を推薦しようとしているのでしょうか。それとも、ある人々のように、あなたがたにあてた推薦状とか、あなたがたの推薦状とかが、私たちに必要なのでしょうか。

 3:2 私たちの推薦状はあなたがたです。それは私たちの心にしるされていて、すべての人に知られ、また読まれているのです。

 3:3 あなたがたが私たちの奉仕によるキリストの手紙であり、墨によってではなく、生ける神の御霊によって書かれ、石の板にではなく、人の心の板に書かれたものであることが明らかだからです。

 3:4 私たちはキリストによって、神の御前でこういう確信を持っています。

 3:5 何事かを自分のしたことと考える資格が私たち自身にあるというのではありません。私たちの資格は神からのものです。

(NKJV)
 3:1 Do we begin again to commend ourselves? Or do we need, as some others, epistles of commendation to you or letters of commendation from you?

 3:2 You are our epistle written in our hearts, known and read by all men;

 3:3 clearly you are an epistle of Christ, ministered by us, written not with ink but by the Spirit of the living God, not on tablets of stone but on tablets of flesh, that is, of the heart.

 3:4 And we have such trust through Christ toward God.

 3:5 Not that we are sufficient of ourselves to think of anything as being from ourselves, but our sufficiency is from God,

(6)イエスの復活において働いていた同じ御霊が信者のうちに宿っている

ということは,信者の死ぬべきからだの復活の保証である(ロマ8:11.参照1コリント15:44‐45,ガラテア5:5).
 
付記:その他の書簡集における聖霊に関する記述

新約のその他の文書.聖霊論のほとんどはパウロとヨハネによって言い尽されていると言えるが,ヘブル人への手紙において,聖霊は旧約聖書に霊感を与えたものとして描かれている(3:7,9:8,10:15).9:14では,キリストは傷のない御自身を「とこしえの御霊によって神におささげになった」と言われている.

ペテロは,キリストの御霊が旧約の預言者たちの間に臨在して,キリストの苦難とそれに続く栄光を前もってあかししたことにふれている(1ペテロ1:11).

1ペテロ
1:1 イエス・キリストの使徒ペテロから、ポント、ガラテヤ、カパドキヤ、アジヤ、ビテニヤに散って寄留している、選ばれた人々、すなわち、

 1:2 父なる神の予知に従い、御霊の聖めによって、イエス・キリストに従うように、またその血の注ぎかけを受けるように選ばれた人々へ。どうか、恵みと平安が、あなたがたの上にますます豊かにされますように。

 1:3 私たちの主イエス・キリストの父なる神がほめたたえられますように。神は、ご自分の大きなあわれみのゆえに、イエス・キリストが死者の中からよみがえられたことによって、私たちを新しく生まれさせて、生ける望みを持つようにしてくださいました。

 1:4 また、朽ちることも汚れることも、消えて行くこともない資産を受け継ぐようにしてくださいました。これはあなたがたのために、天にたくわえられているのです。

 1:5 あなたがたは、信仰により、神の御力によって守られており、終わりのときに現わされるように用意されている救いをいただくのです。

 1:6 そういうわけで、あなたがたは大いに喜んでいます。いまは、しばらくの間、さまざまの試練の中で、悲しまなければならないのですが、

 1:7 信仰の試練は、火を通して精練されてもなお朽ちて行く金よりも尊いのであって、イエス・キリストの現われのときに称賛と光栄と栄誉に至るものであることがわかります。

 1:8 あなたがたはイエス・キリストを見たことはないけれども愛しており、いま見てはいないけれども信じており、ことばに尽くすことのできない、栄えに満ちた喜びにおどっています。

 1:9 これは、信仰の結果である、たましいの救いを得ているからです。

 1:10 この救いについては、あなたがたに対する恵みについて預言した預言者たちも、熱心に尋ね、細かく調べました。

 1:11 彼らは、自分たちのうちにおられるキリストの御霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光を前もってあかしされたとき、だれを、また、どのような時をさして言われたのかを調べたのです。

 1:12 彼らは、それらのことが、自分たちのためではなく、あなたがたのための奉仕であるとの啓示を受けました。そして今や、それらのことは、天から送られた聖霊によってあなたがたに福音を語った人々を通して、あなたがたに告げ知らされたのです。それは御使いたちもはっきり見たいと願っていることなのです。

 1:13 ですから、あなたがたは、心を引き締め、身を慎み、イエス・キリストの現われのときあなたがたにもたらされる恵みを、ひたすら待ち望みなさい。

 
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