成長するクリスチャン:聖書教義「神の国」(1)
発行日時: 2007/12/3お約束しましたように、今日から、このマガジンの内容を「聖書教義の研究・解説」とさせていただきます。まだ試みの段階ですが、よろしくお願いいたします。
「神の国」、「(天の)御国」、"kingdom of God" などの言葉はよく耳にします。
「天国」ならクリスチャンでない人でも知っていますね。
まず世の中で理解されている天国とはどんなものでしょうか?フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)によれば、
天国(てんごく)は、西欧の俗信において、キリスト教の唯一神と天使、聖人ら善き死者たちが行き、在するところを指す。人間は、敬虔なる信仰心と罪を犯さない無垢の人生をもって、はじめて死後に天国へ行けるという。英語ではヘブン(Heaven)。
イスラームにおける天国 (jannah) は、信教を貫いた者だけが死後に永生を得る所とされる。キリスト教と異なり、イスラム教の聖典『クルアーン』ではイスラームにおける天国の様子が具体的に綴られている。
日本においては「来世」・「あの世」の代名詞として、本来仏教および神道にはない用語であるにもかかわらず用いられる。
聖書的に言いますと、天国とは次ぎのようにいくつもの概念を含みます。
今後、時には、英語の辞典も引用させていただきますが、もちろん読み飛ばしていただいて結構です。
Nelson's Illustrated Bible Dictionaryによれば、
HEAVEN is a word that expresses several distinct concepts in the Bible:
1. As used in a physical sense, heaven is the expanse over the earth (Gen 1:8). The tower of Babel reached upward to heaven (Gen 11:4). God is the possessor of heaven (Gen 14:19). Heaven is the location of the stars (Gen 1:14; 26:4) as well as the source of dew (Gen 27:28).
2. Heaven is also the dwelling place of God (Gen 28:17; Rev 12:7-8). It is the source of the new Jerusalem (Rev 21:2,10). Because of the work of Christ on the Cross, heaven is, in part, present with believers on earth as they obey God's commands (John 14:2,23).
3. The word heaven is also used as a substitute for the name of God (Luke 15:18,21; John 3:27). The kingdom of God and the kingdom of heaven are often spoken of interchangeably (Matt 4:17; Mark 1:15).
At the end of time a new heaven will be created to surround the new earth. Thls new heaven will be the place of God's perfect presence (Isa 65:17; 66:22; Rev 21:1). Then there will be a literal fulfillment of heaven on earth.
山谷省吾著「新約聖書小事典」では、次の点が強調されています。
「神の国 (basileia theou) は、神の領域というよりはむしろ神の支配・王権である。それはまた、人間の内的徳性や精神的発展というようなものではなく、神が絶大な力をもつ王として支配することを言う。」
そして、さらに解説は続きます。
神は永遠に世界の主、王である。聖書における神の王権の特徴は,弱者に対する保護にある。
旧約においては,それはイスラエルの民のエジプトでの奴隷からの救出と,民のうちのしえたげられた者,助けなき者へのかえりみとにあらわされたが(詩68篇,146篇),新約ではそれは弱者をかえりみるイエスの生活と行動に明らかに示された(マタイ25:31以下,マルコ10:14)。
イエスが社会の最底辺に見すてられていた病人や悪霊につかれた人をいやす行為,すなわちサタンの支配を打ち破る行為は,神の支配の到来を告げる行為であった(ルカ10:18,11:20)。
また,イエスは「貧しい人たちは幸いだ」と宣言したが,これは貧しい者に対する神の支配の到来,すなわち王としての神の救いの到来を示すものであった(ルカ6:20)。
当時のユダヤ教における神の国(支配)の理解はすべて将来的であった。
神の国はまだ現在のことではなく、未来のこととして待望された。
しかし,イエスにおいては,この将来のことがすでに今,現に圧倒的な力をもって人々に追っており,人々の現在の生活に働きかけているものとされた。
「悔い改めよ,天国は近づいた」(マタイ4:17)。それの全き実現はなお将来のことであるが,同時に,人は現在それの不可抗的な迫りに直面しており,この迫りに全生活を向けかえて答えなければならない。
それゆえ,神の国は神の至上の恵みであると同時に,避けることのできない要求である。人は全入格をささげて神の国とその義とを求め,人々を愛さなければならない(マタイ5:43-48,6:25-34,7:7-12)。
イエスは,人格と行いと言葉によって,神の国をこのように明らかにされた。
「神の国」の言及は共観福音書以外では比較的少なく,かわって「教会」が前面に出てくる。
これは,イエスが神の国の説教者から,死んで復活し,教会の主となったからであり,人間の神の国入国は教会的信仰への参加によって得られるとされるようになったからである(ヨハネ3:5)。
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