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クリスマス(5)

発行日時: 2007/11/30

聖書教義において、かってあるいは今も時に、キリストの神性を偏重し,その人性を軽視する傾向があります。

しかし、私たちは次の教義に注目しなければなりません。

イエス・キリストの受肉の究極が,肉を裂き,血を流し,贖罪の死を遂げられたことにあるというのを第1の認識とするなら,第2の認識は言うまでもなく,受肉によってキリストが,私たちと全く同じ人間になられたという連帯性にある.

「そういうわけで,神のことについて,あわれみ深い,忠実な大祭司となるため,主はすべての点で兄弟たちと同じようにならなければなりませんでした.

それは民の罪のために,なだめがなされるためなのです.主は,ご自身が試みを受けて苦しまれたので,試みられている者たちを助けることがおできになるのです」(ヘブル2:17,18).

神の御子にいます救い主は,ただひとり栄光と賛美を受けるにふさわしいお方であり,私たちはただひれ伏して礼拝するのみであるが,他方,「主は彼らを兄弟と呼ぶことを恥としないで,こう言われます.

『わたしは御名を,わたしの兄弟たちに告げよう.…』」(ヘブル2:11,12)とある.私たち人間と同じように生活し,飢え,疲れたこともあるお方,限りなく親しく私たちの味方であり,手本である救い主である.

ヘブル
救いの創始者
  
 2:11 聖とする方も、聖とされる者たちも、すべて元は一つです。それで、主は彼らを兄弟と呼ぶことを恥としないで、こう言われます。

 2:12 「わたしは御名を、わたしの兄弟たちに告げよう。教会の中で、わたしはあなたを賛美しよう。」

 2:13 またさらに、「わたしは彼に信頼する。」またさらに、「見よ、わたしと、神がわたしに賜わった子たちは。」と言われます。

 2:14 そこで、子たちはみな血と肉とを持っているので、主もまた同じように、これらのものをお持ちになりました。これは、その死によって、悪魔という、死の力を持つ者を滅ぼし、

 2:15 一生涯死の恐怖につながれて奴隷となっていた人々を解放してくださるためでした。

 2:16 主は御使いたちを助けるのではなく、確かに、アブラハムの子孫を助けてくださるのです。

 2:17 そういうわけで、神のことについて、あわれみ深い、忠実な大祭司となるため、主はすべての点で兄弟た

ちと同じようにならなければなりませんでした。それは民の罪のために、なだめがなされるためなのです。

 2:18 主は、ご自身が試みを受けて苦しまれたので、試みられている者たちを助けることがおできになるのです。

人間存在の肉なる性質がはかなく,罪に堕ちて後はむなしくさえあるとはいえ,聖書は決して肉を離れて救いを語るのでなく,また何か霊的な追求がより優れた生き方であるようには教えない.

「血を注ぎ出すことがなければ,罪の赦しはないのです」(ヘブル9:22)に明言されるように,人間の罪の解決は,まずは霊的事柄でなく,肉体において求められた.
 
ただし,この受肉の秘義が神の聖霊の超自然的な働きによって実現したことは,ぜひ記憶しておきたいことである.

使徒信条が適切にも言い表すごとく,「聖霊によりてやどり,おとめマリヤより生れ…」は,まずは聖霊の先行的主権のみわざである.

福音書記者ルカが記す,「聖霊があなたの上に臨み,いと高き方の力があなたをおおいます.…」(ルカ1:35)は,生れ出づる者の神性をあかしするが,それ以上に神の主権的行為を告知するものであるとされる.

それゆえ,受肉の奥義を知れば知るほど,恐れおののいて救いの達成に励むものとならざるを得ない.

受肉は,確かに神の知恵,神の奥義であるが,イエス・キリストにおいて実現する以前にさかのぼって考えれば,「まさしく,聖書に書いてあるとおりです.

『目が見たことのないもの,耳が聞いたことのないもの,そして,人の心に思い浮かんだことのないもの.神を愛する者のために,神の備えてくださったものは,みなそうである.』」(第一コリント2:9)というような不思議なのである.

イザヤ53:1‐6に預言されたような救い主を予測することが至難であったということは,そもそもイエス・キリストが生涯のスタート地点で受肉という現実をとられたことを理解することの難しさと,共通するものがある.

とは言え,救い主の受肉,幼児としての誕生を単純,平明に受け止めた人々が少数でも存在した事実は,心に留めておきたい.単純な信仰こそが,これを受け止める秘訣である.

聖書辞典の説明は一見して難しそうですが、ここにクリスマスの本当の意味を見出すことができるでしょう。

成長なさっている皆様にとってのクリスマスとは、以上記した神の奥義の真の実感にあると言えるのではないでしょうか。

 
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