聖書神学:予定と選び(その5)
発行日時: 2007/9/19久保牧師は、「聖書の予言と予型」(レムナント社)で、こう言っておられます。「歴史は神のご意志一〇〇%、人間の意志一〇〇%です」と。
(以下は引用です。久保有政牧師の明快な解説に感心させられた私ですが、皆様も同じでしょう。共に分かち合いたいと思います。)
「予知」という言葉は、「神があらかじめすべてを知っておられる」ということです。
神は私たちの性質や、私たちが人生においてどんな行動をするか、また世界の歴史がどう進んで行くかなどのことをみな知っておられます。
そのために神は、預言者たちを通して、聖書の中に様々な予言を残されました。
また、「予知」という言葉の背景には、人間の意志が一〇〇%認められている、ということがあります。
神は人間個人の意志を一〇〇%認め、その上で人間の行動を探って、予知しておられるのです。
私たち人間は、未来のことについては「予想」することしかできません。たとえばある人が、「あすは晴れるだろう」と言い、別の人が、「あすは雨になるだろう」と言ったとしましょう。
それは「予想」です。それは自分の知識や経験から、未来のことを推測しているにすぎません。当たることもあれば、当たらないこともあります。
しかし「予知」は、神が全時代を見渡して、すべてを知っておられるということです。
単なる推測ではなく、「知っておられる」のです。
私たちは時間の中に生きているので、「予想」しかできませんが、神は時間の外におられるので、全時代を一度に見渡すことがおできになります。
神は人間に、一〇〇%自由な意志をお与えになりました。その上で、各人の意志がもたらすそれぞれの結果について、すべて、予知しておられるのです。
神は、バビロン帝国や都市国家ツロの興亡、ユダヤ民族の歴史、現代社会の様相、その他歴史のすべてを予知しておられました。
これは、神が全時代を一度に見渡すことがおできになるからです。人間の意志を一〇〇%認められた上で、神はすべてを探って知っておられるのです。
一方、「選び」という言葉は、何を示しているでしょうか。
これは神のご意志が一〇〇%であることを示しています。神は、ご自身の主権により、人をお選びになるのです。
たとえば、小学校のあるクラスで先生が質問をして、子どもの誰かに答えさせるような場合、どの子を指すかは一〇〇%先生の自由です。それは先生の意志次第です。
「この間は、この子に答えさせるといいかな」「次の間は、あの子がいいだろう」などと考えるのは先生の自由です。
あるときは、「この子が答えたがっているから、この子に答えさせよう」と思うこともあるでしょう。しかしそういう場合でも、その子を指すか、指さないかは、つまり誰を選ぶかは、先生の自由です。「選び」は、選ぶ側の意志一〇〇%なのです。
同様に神は、ご自身の全き主権で、人をお選びになります。たとえば、神はキリストの使徒としてパウロをお選びになったとき、こう言われました。
「あの人は、異邦人たち、王たち、またイスラエルの子らにも、わたしの名を伝える器として、わたしが選んだ者である」(使徒9:25)。」
神は予知によって、パウロという人物を熟知しておられました。彼がパリサイ派ユダヤ人として成長すること、やがてクリスチャンに対する迫害者となること、しかし目が開かれれば謙虚に真理の前にひざまずく人物であること、また回心すればキリストの使徒として豊かな働きをなすことを、予知しておられました。
パウロの自由意志は、一〇〇%認められていました。人の心を探り窮める神は、彼の行動と性質を予知しておられたのです。
神はその予知により、ご自身の主権に基づいて、彼をキリストの使徒としてお選びになりました。予知があって、選びがあったのです。
聖書は言っています。
主(神)の目はあまねく全地を行きめぐり、ご自身に向かって心を全うする者のために、カを現わされる」(第二歴代16:9)。
この聖句には、人間の意志が一〇〇%認められていること、また神がご自身の主権によって「選び」をなさることが、はっきりと述べられています。
(続く)
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