つまづき(14)
発行日時: 2006/11/17聖書に書かれていることについて、つまづかないようにとの配慮は、多くのクリスチャンブックや注解書に見られますが、ある有名な牧師の著書に次のような説明があり、私は、いささか考え込みました。
まずその著者が挙げておられる聖書箇所を読んでみましょう。
マタイ 7:21 わたしに向かって、『主よ、主よ。』と言う者がみな天の御国にはいるのではなく、天におられるわたしの父のみこころを行なう者がはいるのです。
7:22 その日には、大ぜいの者がわたしに言うでしょう。『主よ、主よ。私たちはあなたの名によって預言をし、あなたの名によって悪霊を追い出し、あなたの名によって奇蹟をたくさん行なったではありませんか。』
7:23 しかし、その時、わたしは彼らにこう宣告します。『わたしはあなたがたを全然知らない。不法をなす者ども。わたしから離れて行け。』
これはクリスチャンに対して、口先だけの信仰を戒めている神のみ言葉と捉えることができます。
しかし、この箇所について、この本の著者の牧師は、「よく、『救われているといっても、行いが伴わないなら天国に入れてもらえない』と教えられることがありますが、ここでキリストが言っておられるのは、私たちについてではなく、偽預言者たちについてです。」と述べています。
その理由についてその著者はこう説明します。
このことは、前のマタイ7:15節の「にせ預言者たちに気をつけなさい。彼らは羊のなりをしてやって来るが、うちは貧欲な狼です」を見れば明らかです。
ではその15節以降を読んでみましょう。
7:15 にせ預言者たちに気をつけなさい。彼らは羊のなりをしてやって来るが、うちは貪欲な狼です。
7:16 あなたがたは、実によって彼らを見分けることができます。ぶどうは、いばらからは取れないし、いちじくは、あざみから取れるわけがないでしょう。
7:17 同様に、良い木はみな良い実を結ぶが、悪い木は悪い実を結びます。
7:18 良い木が悪い実をならせることはできないし、また、悪い木が良い実をならせることもできません。
7:19 良い実を結ばない木は、みな切り倒されて、火に投げ込まれます。
7:20 こういうわけで、あなたがたは、実によって彼らを見分けることができるのです。
そしてこれに続くのが、先にあげたイエスの警告です。
さて、この警告は、(この本の著者が言うように)偽預言者に与えられたものであったとしても、私たち現代に生きるクリスチャンには、やはり警告であるとして、そう受け止めようと思う人は少なくありません。
ある註解書でははこう教えています。
〈主よ,主よ〉(マタイ7:21)という告白,預言,悪霊の追放,奇蹟といった力あるわざでさえ,イエスとの結び付きを保証しない.
そのようなことを行いながらイエス自身を知らず,〈不法をなす者〉(23)として退けられる者たちがいる.問題は〈父のみこころを行なう者〉(21)であるかどうかである.
預言者に関していえば,御心の中心は罪の悔い改めという〈狭い門〉(13)に人を導くことであろう.
一般的には,この説教が描く弟子の姿が,父の御心を行う者の姿である.
真にイエスの弟子となる者は自己中心的な生き方から解放され,ここに描かれた実を結び,御心を行う者に変えられていくのである 従ってイエスの言葉に従うことが最も重要である.そうする者としない者とでは決定的な違いが生じる.
この記述が、偽預言者に対するイエスの警告であっても、私たちへの警告として、受け止めているのがこの註解書の著者の態度であると理解できます。
しかし先に上げたクリスチャンブックの著者である牧師は、ここでキリストが言っておられるのは私たちについてではなく、偽預言者たちについてです。」と述べています。
つまりこの部分はクリスチャンには関係ないことだと言っているみたいなのです。
でもそう言ってしまえば、旧約聖書にある神の警告は、当時のイスラエル人に対するものであって、現代のクリスチャンには関係ないことになってしまわないでしょうか?
私は、このクリスチャンブックの著者が言おうとしておられることは、信仰には行いは要らないを強調するためなのだろうとも思えます。
しかし、「ここでキリストが言っておられるのは、私たちについてではなく、偽預言者たちについてです。」と述べられていることに、著者の意図を計りかねるのです。
信仰に行いは必要かに関連して、あるクリスチャンブックを紹介しておきます。
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