ユダヤ教とパリサイ人
発行日時: 2008/5/13新約聖書の福音書を読むと、イエスはパリサイ派と呼ばれる人々と対立し、激しく批判しています。
当時、悪者にされていたパリサイ人とはどんな人たちなのでしょうか?
イエスが教えられたことを聞いてください。
ルカ18:9 自分を義人だと自任し、他の人々を見下している者たちに対しては、イエスはこのようなたとえを話された。
18:10 「ふたりの人が、祈るために宮に上った。ひとりはパリサイ人で、もうひとりは取税人であった。
注)取税人:しゅぜいにん
当時、パレスチナでは関税,通行税は総督の管轄下にローマが集めたが,その徴収は請負制度であり,ユダヤ人に請け負わせていた。
これらの請け負人が取税人である。彼らは徴税を職業とし,できるだけ高額を同胞に課し,その上前をはねて私腹を肥やした。
この人たちは、ローマ政府の手先となったために,ユダヤ入から「罪人」と同様に軽蔑されていた(マルコ2:16,ルカ15:1)。
18:11 パリサイ人は、立って、心の中でこんな祈りをした。『神よ。私はほかの人々のようにゆする者、不正な者、姦淫する者ではなく、ことにこの取税人のようではないことを、感謝します。
18:12 私は週に二度断食し、自分の受けるものはみな、その十分の一をささげております。』
18:13 ところが、取税人は遠く離れて立ち、目を天に向けようともせず、自分の胸をたたいて言った。『神さま。こんな罪人の私をあわれんでください。』
18:14 あなたがたに言うが、この人が、義と認められて家に帰りました。パリサイ人ではありません。なぜなら、だれでも自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるからです。」
ではこのパリサイ人とは?
これが今日のテーマです。
そしてそれは、先にも説明した。「ユダヤ教」と関係しているのです。
ユダヤ教とキリスト教とはどこが違うのですか?という質問にはすでにお答えしましたが、パリサイ人という名前は旧約聖書には出てきませんね。
ユダヤ教という言葉は新約聖書にありますが、それがどのようにして形成された宗教なのかは、新約聖書の記事からはいくらか推測はできますが、聖書を読んだだけでは、じつは、あまりよく分かりません。
ガラテア1:13 以前「ユダヤ教徒」であったころの私(パウロ)の行動は、あなたがたがすでに聞いているところです。私は激しく神の教会を迫害し、これを滅ぼそうとしました。
1:14 また私は、自分と同族で同年輩の多くの者たちに比べ、はるかに「ユダヤ教」に進んでおり、先祖からの伝承に人一倍熱心でした。
ユダヤ教は、先にも述べましたが、旧約聖書と新約聖書との中間の時代(聖書からは、それがどんな時代だったのは、よく分かりませんが、400年の沈黙時代とも言われています)に作り上げられたものと言えるでしょう。
旧約聖書は、(語弊がありますが)あえて言えば、唯一絶対の神、ヤウエの宗教と言えるかもしれません。それに対して新約聖書は、唯一絶対の神がこの世に遣わされたイエス・キリストの宗教、つまりキリスト教と言えるかもしれません。
ところで、イエスは、神のひとり子で、父なる神とさらに聖霊と三位一体の神ですから、旧約聖書と新約聖書は完全につながった宗教(宗教という言葉を使うのは適切ではないのですが、あえて言葉としてだけ用いますが)で、それがキリスト教と言ってもいいでしょう。
では、ユダヤ教は、一体どこでどうしてできたのでしょうか?
聖書ではユダヤ教とは何かについて系統的な記述はありません。
そこで、ユダヤ教の研究者たちに耳を傾けましょう。
旧約聖書は「主(ヤハウェ)なる神」への信仰を土台としたユダヤ民族の歴史を記しているが,通常ユダヤ教と呼ばれている宗教は,旧約聖書のユダヤ人の宗教のすべてを言うのではなく,捕囚期以後のユダヤ人の宗教を指す.
と言われています。
そしてパリサイ人とは熱心なダヤ教徒なのです。そしてイエスもまたユダヤ教の当時の社会に生まれました。
ユダヤ教とは何かについて、聖書辞典は次ぎのように説明を加えています。
エルサレム神殿崩壊後,捕囚となったユダヤ人は,バビロン等の外国の地で,律法研究を中心としたユダヤ人共同体を形成した.
捕囚からの帰還後,預言者エズラとネヘミヤは,エルサレムで,律法を宗教生活の原理とする「捕囚から帰って来た人々の集団」(エズラ書10:8)を形成した.彼らは神殿儀式を否定したわけではないが,神殿がなくとも信仰を維持できる体制をつくり出した.
律法の朗読と研究による宗教生活は,特に外国の地に散らされているユダヤ人にとって有意義であった.
これまでの神殿中心の宗教から,会堂中心の宗教へ,儀式宗教から書物の宗教へと移行していった.
(聖書辞典からの引用終り)
ユダヤ教は、唯一絶対の創造神を主と仰ぎ、主なる神が与えた旧約聖書の律法を遵守するものだったのですが、それがやがて律法主義、形式主義へと変化していったのです。
イエスは、そのことを弾劾されました。それが、イエスとパリサイ人との論争として福音書の記載されています。
(続く)
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