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歴代誌とは
発行日時: 2008/4/15旧約聖書の歴代誌上第1章を開けてください。まずは読まないでいいですから、見るだけ見てください。
歴代誌上 1:1 アダム、セツ、エノシュ、
1:2 ケナン、マハラルエル、エレデ、
1:3 エノク、メトシェラ、レメク、
1:4 ノア、セム、ハム、それにヤペテ。
1:5 ヤペテの子孫は、ゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メシェク、ティラス。
1:6 ゴメルの子孫は、アシュケナズ、ディファテ、トガルマ。
1:7 ヤワンの子孫は、エリシャ、タルシシュ、キティム人、ロダニム人。
1:8 ハムの子孫は、クシュ、ミツライム、プテ、カナン。
1:9 クシュの子孫は、セバ、ハビラ、サブタ、ラマ、サブテカ。ラマの子孫は、シェバ、デダン。
1:10 クシュはニムロデを生んだ。ニムロデは地上で最初の権力者となった。
この後さらに延々と系図が続き、終わるのは、ずっと先の9章です。
「旧約聖書に親しみましょう。旧約聖書を読んでこそ、初めて新約聖書の意味が理解できるのです」と言う私ですが、この系図をはじめから読みなさいなどとは到底言えません。
歴代誌は、時代的にはサムエル記と列王記に並行しています。しかし、比べてみると、神殿の建設が中心テーマであることがすぐにわかります。
歴代誌第一(歴代誌上)の後半にダビデ王による神殿の建設の準備、第二の前半にソロモン王による実行が記されています。
そしてこれらは、捕囚(その意味については先に説明しました)から許されて帰って来たユダヤ人に、神殿礼拝の回復を促すため、編纂されたものと言われています。
では、歴代誌という書をもっと詳しく見てみましょう。
1.系図 歴代至上1‐9章
(1)アダムからイスラエルまで(1章)
(2)ユダの子孫(2‐3章)
(3)その他のユダの子孫(4:1‐23)
(4)シメオンの子孫(4:24‐43)
(5)ルベン,ガド,マナセの半部族の子孫(5章)
(6)レビの子孫(6章)
(7)その他諸部族の子孫(7章)
(8)ベニヤミンの子孫(8章)
(9)帰還後エルサレムに住んだ人々(9:1‐34)
(10)サウルの系図(9:35‐44)
2.ダビデの物語り 歴代誌上10‐29章
(1)サウルの死(10章)
(2)ダビデ王の勇士たち(11‐12章)
(3)神の箱の移動(その1)(13章)
(4)王権の確立(14章)
(5)神の箱の移動(その2)(15章)
(6)賛美と感謝(16章)
(7)神殿建設の意図を巡って(17章)
(8)ダビデ王とその軍勢の勝利(18‐20章)
(9)人口調査の罪(21:1‐22:1)
(10)神殿建設の準備(22:2‐19)
(11)奉仕の組分け(23‐27章)
(12)晩年のダビデ王の励ましと賛美(28‐29章)
3.ソロモン王の物語り 歴代誌下1‐9章
(1)統治の開始(1章)
(2)神殿の建設(2‐4章)
(3)奉献式(5‐7章)
(4)その他の統治(8章)
(5)知恵と富(9章)
4.歴代の王たち 歴代誌下10‐36章
(1)レハブアム(10‐12章)
(2)アビヤ(13章)
(3)アサ(14‐16章)
(4)ヨシャパテ(17‐20章)
(5)ヨラム(21章)
(6)アハズヤ(22:1‐9)
(7)アタルヤ(22:10‐23:21)
(8)ヨアシュ(24章)
(9)アマツヤ(25章)
(10)ウジヤ(26章)
(11)ヨタム(27章)
(12)アハズ(28章)
(13)ヒゼキヤ(29‐32章)
(14)マナセ(33:1‐20)
(15)アモン(33:21‐25)
(16)ヨシヤ(34‐35章)
(17)最後の王たち(36章)
これらの王たちについて、そのよい点と悪い点が、教訓として、牧師の説教に引用されることがありますので、王たちについて、知識を持っておくとよいでしょう。
つぎに、聖書辞典では、歴代誌上および下について、その特徴を解説していますので引用します。
(1)壮大な系図
この書の冒頭には,諸種の系図が連綿と続く.これは私たちには冗長な名前の羅列と映るかもしれないが,当初のユダヤ人読者にとって,これらの系図やリストは重要不可欠のものと考えられた.
この系図の部分を読んで感ずることは,その壮大さである.
四、五百年の先祖をたどることも容易でないが,これは,人類の始祖アダムにまでさかのぼる視野で記されている.
(2)神殿建設準備者としてのダビデ
サムエル記で,あれほどの頁数を費やして描かれているサウルの姿は,この書では,わずか,1,2の章にしか見られない.それも,ダビデの即位の伏線として言及されているのみである.
ダビデの姿も,勇ましい戦士,有能な統治者としてよりは,むしろ,敬虔な礼拝者として,神殿建設を切に願いながら,それを許されず,その子ソロモンの時代における実現を夢見つつ,懸命に資材を整え,ソロモンや臣下たちを励ましている王として描かれている.
これは,ダビデの実像を理想化したものでも,改変したものでもない.サムエル記も列王記も,そしてこの歴代誌も,それぞれ,ありのままのダビデを描写しつつも,それぞれの著者の視点の違いが,ダビデのある面を強調してとらえる結果を生み出しているのである.
バテ・シェバとの姦淫の罪その他(サムエル記下11章以下)を省略した歴代誌の著者は,彼を美化する意図があったわけではない.歴代誌上21章には,ダビデの人口調査の罪が,そのまま記されている.
(3)神殿建設施行者としてのソロモン
上記(2)と同様のことは,ソロモンについても言える.
彼の驚くべき知恵,その例証についての細かな描写,王位を巡る確執,晩年の背教,おびただしい妻妾についての言及は,その詳細を列王記に譲り,著者はひたすら,神殿建設施行者および奉献式における礼拝者,あつい祈りの人としてのソロモンを描こうとしている.
これも,彼を美化したのではなく,単に,その方面での実像を,著者の目的に従って浮彫にしたまでである.
(4)南王国ユダとその王たち
列王記との比較において,容易に発見できることは,著者が,ダビデの家系に属する南王国ユダの諸王の歴史に的をしぼって書いていることである.
北王国イスラエルの王の名前が出てくることはまれで,南王国の王と交渉があった時に言及される程度である.
この書を通じて一貫して示されているものは,主を尊ぶ者は尊ばれ,主をさげすむ者は軽んじられる,という真理である(参照サムエル記上2:30).
これは,神を礼拝し,神殿を尊び,みことばに従った諸王には,物質的繁栄,軍事的勝利,長寿が与えられ,逆に,主に対して不信を重ね,神殿を汚し,偶像礼拝に走った諸王には,敗戦,病,恥辱,滅亡などが与えられるという歴史的真理である.
そして,著者はその中の前者,つまり敬虔な諸王については,アサ,ヨシャパテ,ヒゼキヤ,ヨシヤなどのように,背信の王たちに比べて,幾倍もの紙数を用いて書きつづるのである.
一方,著者は決して,悔い改めた王に対する神の恵み深い赦しを強調することも忘れてはいない.
その顕著な例は,マナセについての記事である(歴代誌下33章).列王記の並行箇所にも見当らないこの記事は,聖書中でも有名であり,この書の圧巻とも思われる歴代誌下16:9や17:12などと共に際立っている.
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