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聖書物語のはじめに戻って

発行日時: 2008/4/11

いかがでしたか?内田和彦牧師の聖書各書の要約は。

各書の内容を実にうまくつかめるように工夫されていますね。だったら、創世記からもう一度見てみたいとおっしゃる方もおありかと思い、はじめから引用します。

映画館に入ったら、聖書物語と言う映画はすでに始まっていて途中だったので、その映画が終わった後も席に残って、その映画の初めの部分を見るみたいなことになります。

旧約聖書は、神が、その存在すなわち唯一絶対で全知全能の創造神であることを全ての人類に広く伝えようと、まず選ばれたイスラエル民族の歴史と言うことができます。

では、創世記に戻って、内田牧師の要約を読んでみましょう。

創世記

創世記は「創世」について、つまり世界の創造について語る書です。この宇宙が偶然生じたものではなく、驚くべき知恵と力をもった人格的な神が創造したものであること、また人間は「神のかたち」に創造されたが、神にそむいて罪を犯すものとなったことなどが、最初の3つの章に記されています。
これが聖書の世界観であり、人生観の土台です。

(村川注)
日本人は、創世記も古事記や日本書紀と同じく神話だと片付けてしまいますが、創世記には、内田牧師が指摘されているように、神から与えられた啓示としての聖書の世界観、人生観の土台があります。
一方、古事記と日本書紀は、天皇による日本国土支配を正当化しようとして、意図的に作成された神話にすぎないと言えましょう。
正しい歴史認識に立つ政治家なら、伊勢神宮参拝はしないでしょうね。

もうひとつの問題は、創世記の教える創造論と科学が教える進化論とどちらが正しいのか?です。
いろいろな意見がありますが、神の創造を信じることに問題はありません。

しかし何も知らない人に対し「進化論は科学的に誤りだ」とか「創造論は科学的に正しい」という科学知識に基く信念を吹き込むのは問題であるという意見に私個人は賛成です。
(注終り)

続いて大洪水が起こります。ノアとその家族だけが洪水から救われ、そこから人類は増え広がります。その中から神はアブラハムを選び、彼の子孫を通して人類全体を祝福することを約束します。
アブラハムの孫ヤコブがイスラエルと呼ばれ、彼の12人の息子たちがイスラエル民族(ユダヤ人)の先祖となります。

(村川注)
神はアブラハムを選び、彼の子孫を通して人類全体を祝福することを約束されました。にもかかわらず、人間たちは神に従わず、その祝福を受けられなくなりました。しかし神はそのような人間たちをも見捨てることはなく、救いの計画を立てられ、聖書の歴史は、旧約から新約へと展開していきます。
(注終り)

大飢饒が起こって、ヤコブ一族はエジプトに助けを求めますが、そこで、死んだと思っていた息子のひとりヨセブと劇的な再会をします。ヨセブはエジプトの宰相になっていました。そのヨセブの死をもって「創世記」は終わります。

(村川注)
ヨセフの物語で、聖書は、「主がヨセフと共におられ、ヨセフがすることを主がうまく計らわれた」ことを繰り返し教えています。

出エジプト記

ヤコブの子孫はエジプトで奴隷の民となってしまいました。しかし、王宮に育ったヘブル(イスラエル)人モーセに率いられて、脱出に成功します。

戦車を駆って彼らに迫るエジプトの軍勢は紅海の水にのまれてしまいました。

(村川注)出エジプトの物語は神がその民に与えてくださった最初の救いの恵みでした。
神はエジプトを出立する神の民にモーセと言う指導者を与え、さらにその民を導かれたのです。
創世記 13:21 主は彼らに先立って進み、昼は雲の柱をもって導き、夜は火の柱をもって彼らを照らされたので、彼らは昼も夜も行進することができた。
13:22 昼は雲の柱が、夜は火の柱が、民の先頭を離れることはなかった。・・とあるようにです。
(注終り)、

ヘブル人たちはカナン(パレスチナ)を目指しますが、苛酷なシナイの荒野で不平をもらします。しかし、神は彼らにマナという食物を与え養いました。

また十戒を中心とする教え(律法)を与えます。さらに、神を礼拝する幕屋や神の臨在を表す聖所の建設に関する規定、そこで働く祭司についての指示も伝えます。

記されていることの多くは、今日の私たちには無縁のように見えるかもしれませんが、それは神との関係を中心にして生きることの大切さを教えているのです。(内田牧師はこのことを強調しています。)

レビ記

レビ記に私たち日本人は違和感を感じるかもしれません。そこには神がモーセを通して命じた、「全焼のいけにえ」、「和解のいけにえ」、「罪過のためのいけにえ」といったいけにえの規定や、いけにえをささげる祭司に関する規定が記されているからです。
けれども、動物たちのいのちを犠牲にしなければ、罪が赦されないということから、人間の罪の深刻さが知らされます。

(村川注)
レビ記は古代イスラエル人の祭儀の規定で、現代とは無関係だなどと思わないでください。
動物たちのいのちを犠牲にしなければ、罪が赦されないという旧約の規定に基づいて、主なる神は、人間をその罪から完全に救うために、そのひとり子イエス・キリストを十字架につけて、贖罪のいけにえとされたのです。
(注終り)

なお「レビ記」という表題は、祭司として働くアロン(モーセの兄)とその子孫が、イスラエルの十二部族のひとつレビ族であったことによります。

民数記

民数記すなわち、民の数という名称は、1章と26章に出てくる人口調査に由来しています。しかし、全体としては、イスラエル人が荒野を進んで行く様子を語るものです。

特に目立つのは、人々の不平不満がつのっていく様子です。不信仰と不従順の結果、彼らは荒野に四十年間さまようことになってしまいます。世代が替わるまで、彼らは約束の地カナンに入ることができなくなりました。なんとモーセまで、入ることができなくなってしまったのです。

申命記
その四十年の終わりにもう一度荒野の生活を振り返り、自分たちに対する神の顧みを回想するのが申命記です。

村川注)申命記という書名は難しいですね。これは、

申命記17:15 必ず、あなたの神、主が選ばれる者を王としなさい。
17:18 彼が王位についたならば、レビ人である祭司のもとにある原本からこの律法の写しを作り、
17:19 それを自分の傍らに置き、生きている限り読み返し、神なる主を畏れることを学び、この律法のすべての言葉とこれらの掟を忠実に守らねばならない。 

から来ているのです。

申命記(Deuteronomy)という書名は中国語訳によるもので、「律法の写し」(申命記17:18)のギリシア語訳に基づく。
この場合「申」は、かさねる、繰りかえすの意味です。ですから、「申命」は、かさねて命令することであるとされています。

申命記は、モーセの告別説教という形で記されている。モーセは、荒れ野の旅の後、ヨルダン川を渡る直前に死ぬことになった。約束の地カナンを目前にしながら、その一歩手前で無念の死を迎える。

その理由は、「荒れ野の旅の間にイスラエルの民が犯した罪のため、指導者としてその責任を負わねばならなかったからである。

注)申命記◆モーセの願い

 3:23 わたしは、そのとき主に祈り求めた。

 3:24 「わが主なる神よ、あなたは僕であるわたしにあなたの大いなること、力強い働きを示し始められました。あなたのように力ある業をなしうる神が、この天と地のどこにありましょうか。

 3:25 どうか、わたしにも渡って行かせ、ヨルダン川の向こうの良い土地、美しい山、またレバノン山を見せてください。」

 3:26 しかし主は、あなたたちのゆえにわたしに向かって憤り、祈りを聞こうとされなかった。主はわたしに言われた。「もうよい。この事を二度と口にしてはならない。

 3:27 ピスガの頂上に登り、東西南北を見渡すのだ。お前はこのヨルダン川を渡って行けないのだから、自分の目でよく見ておくがよい。

 3:28 ヨシュアを任務に就け、彼を力づけ、励ましなさい。彼はこの民の先頭に立って、お前が今見ている土地を、彼らに受け継がせるであろう。」
(注終り)

申命記は、約束の地で神に信頼してどのように生きるのか、それも教えています。モーセはイスラエルの民に対し、もし神に従うなら祝福を受けるが、従わないならのろわれたものとなると語ります。そして偉大な指導者モーセは死を迎えます。

創世記から申命記までを「モーセ五書」といいます。ユダヤ人はこれを「律法」(トーラー)と呼んで、旧約聖書の中でも特に重んじています。

ヨシュア記

モーセの後継者となったのはヨシュアでした。イスラエルの民はヨルダン川を渡り、カナンに侵入しました。まずエリコという町を攻略し、他の町々を征服していきます。

そして土地と町々を十二の部族に割り当てていきます。

くりひろげられる戦いは、今日の視点から見れば侵略戦争のように映るかもしれません。しかし、それはあくまでもカナンの先住民族の腐敗(たとえば子どもをいけにえにささげるようなこと)に対する神のさばきでした。それは特殊なケースですから、それに基づいて戦争を肯定したり、「聖戦」を正当化したりすることはできません。

士師記、ルツ記
ヨシュアの死後、指導者を欠いたイスラエル民族は弱体化していきます。「そのころ、イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた」という士師記の結びから、当時の状況がうかがわれます。

周囲の民族に圧迫された苦しみの中で彼らが神に助けを求めると、神は強力な指導者を与え、彼らを窮地から救い出します。

エフデ、デボラ、ギデオン、サムソンといった「さばきつかさ(士師)」が活躍します。

神に従うことにおいて中途半端なため失敗を繰り返す人々の姿、そしてそれでもあわれみをもって助けの手を伸べる神の姿が描かれています。

ルツ記

この書も同じ時代の書です。夫に先立たれたモアブ人の女性ルツが、姑についてユダヤのベツレヘムにやって来ます。そこでボアズという親戚の畑で落ち穂拾いをして生活するようになるのですが、誠実に姑に仕えるルツをボアズは妻としてめとることになります。ダビデという王は彼らの子孫です。そしてイエス・キリストもやがて彼らの子孫から生まれることになるのです。

サムエル記第一、第二

この二つの書物は、士師の時代の終わりからダビデ王の時代までのイスラエルの歴史を記したものです。話は、中心人物である預言者サムエルの誕生から始まります。長じて彼は「さばきつかさ」となり、サウルという人物をイスラエル最初の王に任命します。

しかし、サウルは神の意思にそむいたため、見捨てられることになってしまいます。
人々の心もサウル王から離れ、家来であったダビデに傾いていきました。

サムエル記第一は、ペリシテ軍との戦いでサウル王と王子ヨナタンが戦死したところで終わります。
ダビデはすでにサムエル記第一、16章で、王となるべく油を注がれています。しかし、実際に王国全体を掌握したのはサウルの死後のことです。

サムエル記第二は、まず全イスラエルの王となったダビデの全盛時代を語ります。しかし、やがてダビデ自身の失敗もあって、王位継承をめぐる内紛が起こり、特に三男アブシャロムの反乱に際しては、みじめにも都エルサレムから逃げ出さなければならないほどでした。

列王記第一、第ニ
サムエル記に続いてイスラエルの歴史をつづるのが、列王記第一、第二です。

列王記第一はダビデの死とソロモンの即位に始まり、神殿の建築を含めてその全盛時代を語ります。しかしソロモンは晩年に入ると、その繁栄のゆえに心が神から離れてしまいました。そのため王国は、彼の死後、北のイスラエルと南のユダに分裂しました。

南王国ではダビデ王朝が続きますが、北王国では次々と王朝が交替します。紀元前721年、イスラエルがまずアッシリヤに滅ぼされ、紀元前586年にはユダもバビロニヤに滅ぼされることになります。

分裂王国時代、北には19人、南には20人の王が立てられました。彼らの歴史をつづっているということで、この書に「列王記」という名前がついたのです。

形式的には王が治めていても、神のことばに従うよう民に命じた宗教的な指導者は預言者たちでした。列王記第一に登場するエリヤは代表的な預言者です。

列王記第二ではその弟子エリシャが活躍します。預言者たちは神の意思を伝えました。また神に従った王も一部いました。それでも両王国は滅亡を迎えることになりました。

歴代誌第一、第二

歴代誌を開くと、歴史がふりだしに戻った感じがするでしょう。

最初の人アダムから始まる系図が綿々と続くからです。そしてサウル、ダビデの時代、ソロモン、王国の分裂、南王国ユダを中心とする歴史が語られ、ユダの滅亡とバビロン捕囚、ペルシャ王クロスによる帰還命令をもって終わります。

歴代誌は、年代的にはサムエル記と列王記に並行しています。しかし、比べてみると、神殿の建設が中心テーマであることがすぐにわかります。

歴代誌第一の後半にダビデ王による神殿の建設の準備、第二の前半にソロモン王による実行が記されています。

捕囚から帰って来たユダヤ人に神殿礼拝の回復を促すため、編纂されたものと思われます。

エズラ記、ネヘミヤ記、エステル記

この三つの書物はいずれも捕囚後の歴史を伝えています。紀元前538年、ペルシャ王クロスの勅令によってバビロンからの帰還を許されたユダヤ人たちは、神殿の再建に着手しました。そして18年間の中断がありましたが、預言者ハガイやゼカリヤに励まされて完成させることができました。

聖書物語の映画第一巻はこの辺で終わります。

「捕囚」とはなんでしょうか?ここから聖書物語の映画第ニ巻に入りましょう。
(続く)

 
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