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ダビデの苦悩と主なる神への信頼
発行日時: 2008/3/14ダビデ王の三男アブシャロムと彼が引き起こしたいわゆるアブシャロムの乱についてもう一度復習します。
アブシャロムの容姿の美しさは「イスラエルのどこにも,アブシャロムほど,その美しさをほめはやされた者はいなかった」と言われているほどで,妹のタマルも美しかった.その美しさのゆえにタマルは異母長兄アムノンに恋され,汚されてしまった.
それを知って怒ったアブシャロムは,機を見てアムノンを殺したが,父ダビデの怒りを恐れてゲシュルに逃げた.
3年の亡命生活の後,ヨアブの尽力でエルサレム帰還を許された.それから2年間は父の前に出ることを許されなかったが,ヨアブの仲介の労によりようやくダビデに迎えられた.
アブシャロムは王位をねらって自分の傭兵を蓄え,人心を得るよう努力した.4年を経て機が熟すると,口実を設けてヘブロンへ行き,そこで即位の宣言をした.
そこは彼が誕生した地であり,ダビデが首都をエルサレムへ移して以来の住民の不満を巧みに利用したのであろう.
アブシャロムに従った者の中に,ダビデの有能な議官アヒトフェルと,ダビデの友フシャイがいた.フシャイはダビデの密命を帯びてアブシャロム側に派遣されていた.アヒトフェルの勧めで,アブシャロムは父が王宮の留守番に残したそばめたちのところに入った.
アヒトフェルのすぐれた作戦計画はフシャイの計略的な反対で退けられ,その間にエルサレムを脱出していたダビデは軍勢を整えることができた.
エフライムの森で戦いが行われた時,アブシャロムの軍はたちまち破られ,彼はあえなく戦死した.
ダビデからアブシャロムを穏やかに扱うように命じられていたのを無視して,ヨアブは樫の木に引っかかっていたアブシャロムを槍で刺し殺した.その知らせを聞いてダビデは大変悲しんだ
さて皆様は、詩篇第3-4編の詩をご存知ですか?
ダビデがその子アブシャロムからのがれたときの賛歌と題されています。
註解を読む前にご自身で読んで黙想してください。
詩篇
3:1 主よ。なんと私の敵がふえてきたことでしょう。私に立ち向かう者が多くいます。
3:2 多くの者が私のたましいのことを言っています。「彼に神の救いはない。」と。
3:3 しかし、主よ。あなたは私の回りを囲む盾、私の栄光、そして私のかしらを高く上げてくださる方です。
3:4 私は声をあげて、主に呼ばわる。すると、聖なる山から私に答えてくださる。セラ
3:5 私は身を横たえて、眠る。私はまた目をさます。主がささえてくださるから。
3:6 私を取り囲んでいる幾万の民をも私は恐れない。
3:7 主よ。立ち上がってください。私の神。私をお救いください。あなたは私のすべての敵の頬を打ち、悪者の歯を打ち砕いてくださいます。
3:8 救いは主にあります。あなたの祝福があなたの民の上にありますように。セラ
詩篇
4:1 私が呼ぶとき、答えてください。私の義なる神。あなたは、私の苦しみのときにゆとりを与えてくださいました。私をあわれみ、私の祈りを聞いてください。
4:2 人の子たちよ。いつまでわたしの栄光をはずかしめ、むなしいものを愛し、まやかしものを慕い求めるのか。
4:3 知れ。主は、ご自分の聖徒を特別に扱われるのだ。私が呼ぶとき、主は聞いてくださる。
4:4 恐れおののけ。そして罪を犯すな。床の上で自分の心に語り、静まれ。
4:5 義のいけにえをささげ、主に拠り頼め。
4:6 多くの者は言っています。「だれかわれわれに良い目を見せてくれないものか。」主よ。どうか、あなたの御顔の光を、私たちの上に照らしてください。
4:7 あなたは私の心に喜びを下さいました。それは穀物と新しいぶどう酒が豊かにあるときにもまさっています。
4:8 平安のうちに私は身を横たえ、すぐ、眠りにつきます。主よ。あなただけが、私を安らかに住まわせてくださいます。
皆様よくご存知のPCバイブル「聖書の達人」のなかにある詩篇の概説から引用します。
(以下引用)
表題によれば,この詩篇の背景はサムエル記下15‐17章である.ダビデは息子アブシャロムの謀反による逃亡生活の中で神に対する信頼を告白している.
3篇は朝の祈り,4篇は夕べの祈りと呼ばれるが,3篇のほうが時間的に早い緊迫した状況を示しているようである
さらに注解では、次ぎのように解説されています。
1節でアブシャロムに加担する者の数が増えているというダビデの言葉に,ダビデの不安と息子の謀反に対する父親である自分の責任の自覚をうかがうことが出来る.
2節.〈神の救いはない〉とは,どんな助けもない絶望の状態だという人々の判断.(サムエル記下16:5‐8)
3節.〈しかし,主よ〉.人々の判断にもかかわらず,ダビデには〈主〉なる神がおられる.これは23篇で告白されているダビデの信仰であり,サムエル記上16:13の油注ぎに始まる神からの召しと,以後の苦難からの救いによって確かめられた主なる神への信頼である.
頭を覆って逃げ出したダビデのかしらを高くして下さるのはイスラエルの歴史においてご自身を「主」として表して下さった約束と救いの神である.
4節.〈呼ばわる〉とは,継続・繰り返しを表す.〈聖なる山〉とはエルサレムのことであり,ダビデが運び入れた主の契約の箱の所在地である.
ダビデは逃亡に際して,主の箱を移動することを禁じた(サムエル記下15:24‐29).ダビデの信頼は契約の箱にあるのではなく生ける主にあったのである.また主が共にいて下さるなら,再び聖なる山に主が伴い帰して下さるという期待を持っていた
5節.〈身を横たえ〉〈眠る〉〈目をさます〉は完了形が用いられており,実際の状況と共にダビデの確信を表明している.
不安や危険の中で安らかな眠りを与えられたことが,またダビデの主に対する強い信頼となって告白される.それは〈主がささえてくださるから〉という継続・繰り返しを表す未完了形で表明されている.
6節の表現はサムエル記17:1,11から,決して誇張ではない.しかしダビデの確信は詩27:1,34:7に告白されている通りである
7節.〈立ち上がってください〉とは民数記10:35にあるモーセによるイスラエルの旅立ちの時の祈りの言葉であり,詩68:1にも見られる.
神の敵に対しては神ご自身の出動を求めるのが最善策である.〈敵の頬を打ち〉〈悪者の歯を打ち砕いて〉とは,大牧者である主が羊であるダビデや主に信頼する者たちを襲う猛獣を追い返し,その牙を砕かれるようにという祈りであり確信である.
8節.〈救いは主にあります〉とは息子の謀反と父親の責任という困難の一切の解決が神の手にゆだねられ,神に栄光が帰され,国の秩序と繁栄が回復されることを願うダビデの祈りである.
〈救い〉とは謀反者に対する救いでもあることが特にダビデの意図であったことが〈あなたの祝福があなたの民の上に〉という祈りの言葉に表されている
王として父親としての責任を自覚し,国に平安を,民に信仰を,愛する息子とその仲間に主のあわれみを求めるダビデのとりなしに倣う者でありたい ・・と解説者は言います。
この解説者の言葉に注目してください。
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