神なき人々のための聖書(13)
発行日時: 2007/11/21仏教とキリスト教の根本的な違い −西奥さんの解説から引用−
(1) 仏教の根本は、人々に「仏知見」を教え、育むことにある。「仏知見」とは、真実を見、真実を知る智慧力ともいうべきものである。
(2)仏教にとって、この世界は本来、善でもなく悪でもない。人間も本来、善でもなく悪でもない。世界を善たらしめ或いは悪たらしめるのは、世界人類がなすところの因縁の如何である。
(3)仏教は、因果説を基本とする。
善い行ないは善い結果を生み(善業善果)、悪い行ないは悪い結果を生む(悪業悪果)。
ということは、只今の状況がどんなに悪くとも、努力して善いことをすれば必ず好転する。反対に、今、最高の状態であるからといって、慢心していい加減な行ないをしていけば状況は必ず悪くなる。これが、諸行無常の教えである。
(4)生きること・老いること・病気になること・死ぬこと、即ち生・老・病・死は自分の思い通りにはならない。
仏教では、思い通りにならないことを「苦」とする。生・老・病・死は、苦の根本である。
(5)思い通りにいかなくても、それに動じない積極的な心、それに打ち勝つ強い心を育むことが仏教の眼目である。
何物をも恐れない心、何物にも誘わされない心を持つ時、精神は自由自在となる。
これが、解脱である。解脱はこの世界からの逃避ではない。
(6)結局、苦も悪もすべて自分自身に由来する。
自制と忍耐と理法を知る智慧が仏教でのキーとなる徳目である。
(7)キリスト教では神と人とは相交わることのない関係であり、屯体と客体の対比も含あて二元論である。
仏教にあっては仏・世尊と人は同一線上にあり、同根の関係である。
仏教では結局すべては自他不二・自他融合の関係にありとする。
自他不二とは、自他の区別なき絶対平等の関係ということである。
(8)仏教ではキリスト教の愛に代わるものとして他利を最高の徳目とする。
!)キリストの「信ぜよ、しからば救われん」に対して仏教では「信解ー教えを信じて理解・納得する」を基本とする。
仏教には「無量義」という言葉がある。信者の一人ひとりが仏教の教えを理解・納得するために無量の教え方・説き方があるということである。
無量義といわれるくらいのたくさんの教えを総括した教えとして「七仏通戒偈」(「釈尊の戒めの詩)」というのがある。
諸悪莫作(まくさ) もろもろの悪をなすことなく、
諸善奉行(ぶぎょう) もろもろの善をなして、
自浄其意(しい) 心を清くせよ。
是(ぜ)諸仏教 これが諸仏の教えである。
仏教の教えの根本は仏・釈尊への盲目的な崇敬と讃歎の言葉ではなく、或いは死者のための葬祭と仏事・法要でもない、また、迷える悪霊のための鎮魂の加持祈疇でもない。
仏教に帰依する人の一人ひとりが得心する、日常生活の中で守るべき戒の実行・実践である。
村川注)最後のこの部分は重要な指摘で、日本人の仏教に対する考え方を批判しています。
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