キリスト教の間違った先入観(18)
発行日時: 2007/6/20新約聖書と旧約聖書、それは「新しい契約の聖書」と「古い契約の聖書」という意味ですが、契約について、聖書辞典や註解書を参考にして、ここでもう一度復習します。
まず「シナイ契約」とは何か?です。
神と神の民との間の契約で最も重要なものは、シナイ山での神とイスラエルとの契約です。
神はイスラエルをエジプトの奴隷状態より救出し、エジプトから約束の地カナンへと導かれる途中、シナイ山において、イスラエルと契約を結ばれたのです(出エジプト記19‐24章)。
この契約は、神の救済を背景とし(同19:4)、十戒(十のことば、おきて)を含む律法を契約条項として(同20:1‐23:33)、イスラエルを神の民とすべく結ばれるものでした(同19:6)。
イスラエルは神から提示された契約条項を受け入れ、神と契約を結び、神の民となったのです(同24:3‐8)。
このシナイでの契約は、律法遵守を契約条項とするため、「行いによる救いの道」を示すものであるかのように見られることもありますが、実際はそうではありません。
この契約は、神が、アブラハムにおいてすでに選んでおられた選びの民イスラエルを、エジプトから救出されたことを背景としています。そのことに注目してください。
イスラエルは、神の恵みを獲得するために律法を遵守するのではなく,すでに神に選ばれ,恵みを受けている民として、当然のこととして、律法を遵守すべき立場に立つべきであったのです。
このことをぜひ理解してください。
さらに、シナイ山で啓示された律法の中には、いけにえの規定があって(レビ記1‐7章)、罪の赦しの道も備えられていたのです。
このことも、イエスの十字架の原型として、とくに注目すべき重要なことです。
これらのことがわかっていなければ、新約聖書は理解できないと言えましょう。
律法を契約条項とする神と神の民との契約は,モアブの野においても繰り返されています(申命記1:5,29:1)。
これは、シナイで契約を結んだ最初の世代の次の世代を当事者として結ばれた契約であり、本質的には、シナイ契約と変るものではありません。
新約聖書においては、契約の概念は、旧約における神と神の民との契約を背景として、神と民との新しい関係を表すのに専ら用いられています。
その新しい契約とは、古い契約の時代にすでに、神が定められておられたのです。
そのことは、預言者に与えられた啓示から明らかで、すでに度々述べたごとくです。
(続く)
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