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旧約聖書の人々(33)ヨシュアに学ぶ(その7)
発行日時: 2007/5/17糸川英夫博士は宇宙ロケットのパイオニアです。「逆転の発想」から地球環境まで、夢を持ち続けた大衆的科学者ですが、手束牧師はその言葉を引用して、こう言っておられるのです。
イスラエルの国というのは殆ど砂漠ばかりである。それから比べると、日本の春夏秋冬の変化、また自然の恵みというのは他のどんな国にもないほどに豊かで、美しく優しい。
まるで日本人は天国に住んでいるようなものだ。
しかしイスラエルの民はそうではない。荒涼とした砂漠の中で彼らは生き、生活を営んでいる。その厳しさは私たち日本人の想像を絶するほどのものである。
この砂漠の中に果樹園があった。そして、その果樹園の果物を食べた時に、糸川英夫博士は大変驚いたという。
それは日本のどんな果物にも味わえないおいしさがあった。これはどうしてなのか。日本に
住んでいた時には、こんなにおいしい果物を食べたことがなかった。どうしてなのか。
どうしてあの荒野で、あの砂漠でこんなにおいしい果物を産み出すことができるのか。
水が少なく、その上、地中には多量の塩分も含んでいるという。しかし植物は、そういう逆境や困難の中を必死に戦って、そして成育していくのである。
逆境の中のストレスと戦い、全力を尽くして彼らは育っていく。その結果あれほどのおいしい果物が生み出されるのだというのである。
その時に糸川氏は、中国の孟子の言葉を思い起こしたという。それはこういう言葉である。
「天の将に大任を是の人に降さんとするや、必ず先ず其の心志を苦しめ、其の筋骨を労せしめ、其の体膚を餓えしめ、其の身を空乏(窮)せしめ、行には其のためさんとする所(意図)を払乱せしむ。心を動かし性を忍ばせ、其の能くせざる所を曾益(増益)せしむる所以なり」。
要するにこういう意味である。天、すなわち神がその人に大きな使命を果たさせようとする場合、まず、その人を徹底的に苦しめ悩ます。
苦しく辛く悶え叫ぶほどに、神はその人を練り鍛え、苦しめ悩まして、そしてそれに合格した時に初めて、その人に大きな使命を与えていくのだというのである。
そのようにして、神は私たちの内側から全ての甘え、依頼心、なおざりにする心、それらを絞り出し、そして私たちを自立した、成熟した、聖められた人間に造り変えていかれるのである。
逆境の中にあってこそ、私たち人間は実を結んでいく。
あのモーセもやはりそうであった。王子という栄えある地位、そして何の不自由もない王宮での生活に浸っていたモーセ、しかし、そのような状況のままで神はモーセを用いることはできなかった。
したがって四十年間荒野ミデアンの地において、彼は鍛えられなければならなかった。
荒野での四十年間の生活。何と長い生活だろうか。そこで、彼は王宮での生活習慣、すなわち甘えや依頼心、なおざりにする心を徹底的に絞り出された。
そして全く生まれ変わった時に、あの出エジプトという大偉業を神は彼に託されたのである。
あの使徒パウロもまたそうである。(続く)
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