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ダビデの一生(16)
発行日時: 2006/12/26ダビデはイエスキリストの祖先であると聖書は語りますが、彼は栄光だけに生きた英雄ではなく、その一生には「光と影」がありました。
しかし、王国が繁栄を誇り、ダビデの全盛時代とも言うべき時に、バテ・シェバ事件が起ります。そのことについては先に述べました。
部下が戦いに出ている間、ダビデは安逸をむさぼり、ヘテ人ウリヤの妻バテ・シェバと不倫をしました。それならばまだしも、その罪を覆い隠すため、夫ウリヤを戦いの最前線に送り込み、戦死させてしまったのです(2サムエル11章)。
この時ダビデは預言者ナタンからきびしい叱責を受け、その苦悩は詩51篇に赤裸々に告白されています。
そして、ダビデの悔い改める砕けた心のゆえに、主なる神は、彼を見捨てることはなさいませんでした。
今日の政治家や企業経営者の中には、不正が明るみにされ始めると、「私は潔白です」と言い張ったり、追求されても巧みに弁解したり、「記憶にありません」などと逃げる人がいます。やがてそれが嘘と分かって失脚していきます。
ダビデの一生の記録は、バテ・シェバ事件の重大さから、聖書の記述には適さないものとも思えます。しかし聖書は、人間の赤裸々な姿を、神との係わり合いにおいて描き、かつ何事も隠さずに述べているのに驚きます。
さらに、悔い改める人たちを神は赦してくださることを、聖書は繰り返し述べています。
紀元362年のラオデキア公会議、392年のヒッポ公会議、そして397年のカルタゴ公会議と長い年月をかけた聖書の編集会議において、ダビデの一生の光と影の影について、影の部分を意図的に記述から外すことはありませんでした。それもまた神のみ言葉だったからです。
こうして編纂された聖書は、人間が意図的に書いたものではなく、全てが神のみ言葉なのです。
ダビデの影の部分は、子供の養育にあったとも言われています。外に対しては向かうところ敵なしという勇将ダビデも、家庭の管理という点では失敗したのではなかったでしょうか。
聖書には、長子アムノンが異母妹のタマルを辱める事件や(2サムエル13章)、三男アブシャロムが父ダビデに反逆して王位をねらう事件などが詳細に報告されています(2サムエル14‐18章)。
ダビデの死の直前、王位継承を巡って、ソロモンとアドニヤが激しく争いますが(列王記上1章)、これもまた、彼が子供の養育に失敗した証拠であろうと述べている聖書註解書もあります。
さらに、先に述べましたが、晩年ダビデが行った人口調査は神の怒りを招き、国民の上に神のさばきをもたらしたことも、彼の影の部分でした。
すなわち3日間疫病が猛威を振い、合計7万人が死ぬという事件が起きたのです(2サムエル24:1‐17)。その原因はダビデの中に高慢な心が起り、神よりも、自分の力や兵士の数に頼るという罪があったためでしょう。
しかし、ダビデはこう祈りました。
2サムエル 24:17 ダビデは、民を打っている御使いを見たとき、主に言った。「罪を犯したのは、この私です。私が悪いことをしたのです。この羊の群れがいったい何をしたというのでしょう。どうか、あなたの御手を、私と私の一家に下してください。」
そして2サムエル記は次の記述で終わっています。
24:25 こうしてダビデは、そこに主のために祭壇を築き、全焼のいけにえと和解のいけにえとをささげた。主が、この国の祈りに心を動かされたので、神罰はイスラエルに及ばないようになった。
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