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終わりのとき

発行日時: 2005/11/14

聖書でも仏教経典でも、「終わりのとき」について述べています。

仏教の末法思想は、釈迦の死を基点とする歴史観で、インドで成立した法滅尽の思想と正法・像法の考え方が、中国仏教において末法を加えて、正・像・末の三時説として確立した思想だと言われています。

時代の下るにつれて仏の教えがしだいに衰え、仏法滅尽の世が訪れるという教えです。まず、最初の1000年間は教・行・証の三法がそなわり、釈迦の教えがよく行われる正法(しょうぼう)の時代です。次の1000年間は像法(ぞうぼう)の時代で、教えや修行が像(かたち)だけ残って本質が乱れます。次の1万年は末法(まっぽう)の時代で、ただ教えだけが残っているとされています。そして世の混乱が起こりますが、釈迦が死んだ日から数えて、56億7000万年後に弥勒菩薩がこの世に現れ、乱れた世から私たちを救うと伝えられています。

この説の根拠は、釈迦の予言経典として名高い「大方等大集月蔵経」の一節にそう書かれているからです。この経典には、天変地異、人々の堕落、飢餓、戦争、悪疾などの災いを次々と列挙し、仏の法が滅びた末法の世が、いかに悲惨きわまりないものであるかを説いています。
(これは、聖書の黙示録が仏教に影響したのではないかとも思われます。)

しかし、これは釈迦の教えではないとする説があります。「月蔵経」をその内に含む「大方等大集経」は、釈迦入滅後500年以上経った紀元2世紀から成立し始めた初期大乗仏教経典のひとつであり、とうてい釈迦の説いた教えとは受け取れないというのです。釈迦自身は、こうした予言の類いを無益なものとして退けるよう教えていたからです。

仏教では、釈迦が、自分の後に続いて仏になり衆生を救うと予言した「弥勒菩薩」を信仰しますが、その根拠は「弥勒三部経」で、やはり釈迦入滅から相当の年月が経過した後に編まれています。そこに盛られた思想も、原始仏教から部派仏教、つまり大乗仏教へと思想が発展していく過程で生み出されたものであり、やはり釈迦の説とは認められないとする研究者は少なくありません。

(とはいえ、仏教の創始者釈迦が直接教えたことではなく、後世の仏教指導者や経典の著者が、釈迦の思想を拡大解釈して作った教義であっても、彼らが自分の思想に基づいて考えついた新しいた教義であっても、インドのヒンドゥー教からのものであっても、いずれも信じるのが、分派仏教の特色であるようです。そしてそれらのいずれもが、釈迦が説いたものだとしてしまっているのです。)

などと言うと、聖書に書かれている「終わりのとき」だって、空想でしかないと、仏教を信じている人たちから反論されるでしょう。しかし長い歴史を通じて、異なる聖書記者が独立に書いている記事が、今日でも、決して矛盾していないことに注目して欲しいと思います。イエスがこの世に来られたことなど、聖書の預言(予言)の多くが、すでに実現していることもです。

では聖書では、どう教えているのでしょうか?それは、フランスの医師で占星術師でもあったノストラダムス(1503〜1566)の警世的な予言詩「諸世紀」とも全く異なるものです。

聖書では、歴史は無限に続くものとは考えず、その初め(天地創造)があったように、歴史の目的が達成される終末があると見ています。歴史の目的とは世界万物において神の意志が行なわれ、正義と愛が実現し、かくて神が神として真にあがめられること、言いかえれば、神の支配の確立です。時が来ると、神は世に審判を下してすべての正と邪とを明らかにし、神の義なる支配を打ち立てるのです。内容において聖書の終末論はきわめて明確です。

では、終わりのときはいつ来るのでしょうか。また来ているのでしょうか?

まず仏教の場合です。
日本では、平安時代後期は飢饉や日照り、水害、地震、疫病の流行、僧兵の抗争が続き、貴族も民衆も危機感を募らせ、末法の到来におびえました。末法の第一年は1052年(永承7年)に当たるとされ、末法の救いを阿弥陀仏に求める浄土信仰が盛んになり、この年に関白・藤原頼道が宇治の平等院に阿弥陀堂を建立しました。

仏教では、この時代が経典に説かれる末法の様相と一致したことで、人々に末法の到来を現実のものと意識させることになりました。末法到来の危機感は、末法意識を基底にした仏教の展開を促すことにもなり、法然は称名念仏をすすめ、その弟子親鸞は、絶対他力を強調しました。日蓮は末法に得脱するのには「法華経」の題目を唱えること以外にないと説いたのです。

これに対して道元は,仏教に正・像・末を立てることは一つの方便(仏教用語で、衆生を教え導く巧みな手段。真理に誘い入れるために仮に設けた教え。)にすぎないと、末法仏教を批判したと言われています。

聖書では世の終わりのときについては、次のように述べています。

2ペテロ 3:9-13 ある人たちは、遅いと考えているようですが、主は約束の実現を遅らせておられるのではありません。そうではなく、一人も滅びないで皆が悔い改めるようにと、あなたがたのために忍耐しておられるのです。
主の日は盗人のようにやって来ます。その日、天は激しい音をたてながら消えうせ、自然界の諸要素は熱に熔け尽くし、地とそこで造り出されたものは暴かれてしまいます。
このように、すべてのものは滅び去るのですから、あなたがたは聖なる信心深い生活を送らなければなりません。
神の日の来るのを待ち望み、また、それが来るのを早めるようにすべきです。その日、天は焼け崩れ、自然界の諸要素は燃え尽き、熔け去ることでしょう。
しかしわたしたちは、義の宿る新しい天と新しい地とを、神の約束に従って待ち望んでいるのです。

聖書の終わりの日については、イエスは教えました。

マルコ13:28-33 「いちじくの木から教えを学びなさい。枝が柔らかくなり、葉が伸びると、夏の近づいたことが分かる。 それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい。その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。父だけがご存じである。 気をつけて、目を覚ましていなさい。その時がいつなのか、あなたがたには分からないからである。」
(世の終わりに起こることについては、イエスは、終末の徴しとしてマタイ24章で教えています。)

異端キリスト教とされる「エホバの証人」の教義では、「終わりの日」が1914年に始ったとし、この教義を支える年代計算や地震のデーター発表していますが、1914年を正当化する虚言でしかないと思います。

 
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