私たちはなんのために生きているのでしょうか?どうしたらもっと生きがいのある人生を送れるのでしょうか?それは聖書のイエス様と共に生きること。みんなで本当の生き方を分かち合いませんか?
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祖先崇拝
発行日: 2005/11/12「仏教とキリスト教(いのちのことば社)」の著者久保田周さんは、大阪キリスト教学院神学部卒業後仏教大学大学院博士課程終了という学歴をお持ちの方です。その著作の中で、仏教の祖先崇拝と旧約聖書の十戒の「父と母を敬え」の比較をされていますので、引用させていただきます。
日本では、「祖先崇拝」というしきたりというか、宗教というか、そういうものがあり、それを軽視する者はその者自身が軽視される向きがある。キリスト教はここで言う「祖先崇拝」を否定する宗教であり、したがって「祖先崇拝」が、日本で福音が浸透する際の大きな障壁となっている。
「祖先崇拝」の源はインドにまでさかのぼる。インドの都市発達や農耕文化の発達にともない、仕事の世襲制度が確立すると、そのために必要とされてくる親の代と子の代との密接な関係を結ぶ何らかの宗教行事が自然発生的に成立する。つまり、親の財産と仕事に対する尊敬が、やがて崇拝にまで高められ、固定化していくのである。
中国や日本では、その「祖先崇拝」がそれぞれの民族性と呼応し、特に中国では祖霊信仰と結びつき、子の側の義務行為として定着してくる。日本でも同様な信仰が神道の氏神にとって代わり、仏と祖霊とが相互交換的に自由なかたちで結びついて、供養をすれば一家の繁栄や子孫の栄えなどの幸せを得るといったものへと実にスムーズに発展していく。
ところで、日本人である私たちのもつ祖先に対する感情は、具体的な祖父や曾祖父に向けられるものではなく、むしろ個人に対する尊敬の域をはるかに越えて、漠然とした祖霊ないしは守護霊といったものに対するものであり、あえて言えば、そのようなかたちでこそ身近に感じるものをもっている。したがって、仏壇に先祖の位牌を置き、朝に夕に、あるいは命日ごとにお祀りしてこそ、自分たちは守られて、大きな幸せの中に安心して日々を暮らすことができると思っている。
仏教では、このあたりの信心の対象については実に大らかに考えており、それが阿弥陀仏であろうと先祖の霊であろうと、極端な言い方をすれば動物であってもいっこうに平気のようである。要するに祀る側の利益が中心で、家を守り、自分を守るための手段として信仰のことを考えているところがある。
しかし、キリスト教はそうではない。私たちクリスチャンは、決して祖霊信仰に立つ者ではない。聖書の教えはむしろ、祖先に対する尊敬の念にこそ中心がある。
モーセの十戒の第五戒に、「あなたの父と母を敬え。あなたの神、主が与えようとしておられる地で、あなたの齢が長くなるためである」(出エジプト20:12)とあるが、クリスチャンはここにその立場の根拠を据えている。このことばの背後には、平和な人間関係、すなわち互いが尊敬し合い、ゆずり合っていく関係の中にこそ、真の意味での安心と繁栄が成立するという意味が隠されている。
いくら祖先を崇拝していても、現実には世代のズレからくる意見や思想の食い違いによって互いにいがみ合う結果となってしまっているとすれば、それはたいへん不幸なことである。もしここに、父母への尊敬が中心となって生活が平安の内に進められるとすれば、聖書の倫理徳目こそ最上のものであると言わねばならないだろう。
悲しいことに世間では、現実の父母を粗末にしがちであり、その反対に儀礼的・形式的に祖先崇拝を大事にしているように見える。クリスチャンは決してそのようであってはならない。
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