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湯河原に面白い政治家がいる。元宣教師の彼は、汚れた政治の世界に我慢ならない。腐敗した政治と社会を浄化したい。破壊された自然環境を回復するために役に立ちたい。エゴ社会をエコ社会に変えたい。そのような使命を持つツルネンが貴方に毎週新鮮なメッセージを送る。




ツルネンメルマガNo:338 「ワシントン訪問を振り返って」

発行日: 2008/6/24

ツルネンメルマガNo:338 

「ワシントン訪問を振り返って」

 日米議員会議に参加できたことを本当に有り難く思っている。会議が有意義であったことはもちろん、会議の前後に行われた要人との表敬訪問や意見交換も米国の政治状況を垣間見る上で大いに勉強になった。さらに、最終日に半日ほど市内を見て回る機会を持てたことも、ワシントンDCを初めて訪れた私にとっては良い経験だった。
 日米間では以前から非公式の議員交流が行われてきたが、公式議会交流は今回が初会合であった。日米の議会が資金を出し合い、今後は毎年、日米交代で行われる予定。このような公式会合を呼びかけ、実現に尽力したのは、日系の上院議員である米民主党のイノウエ議員である。構成を簡単に言うと、日米両国とも議員団は超党派であった。ただ、日本側が衆参両院議員から構成されていたのに対し、米国側は上院議員のみであった。

 訪米中、丸一日の会議が上院の議員会館で行われた。日米両国から12名ずつの議員が参加の予定であったが、上院本会議で採決が行われる日だったので、米国側の議員たちの中には、公務を理由に途中退席する議員もいた。
 この日、午前の会議では、主に外交・安全保障について集中的に話し合われた。基調演説の後、両国議員より議題に関して自由討論が行われた。私は、他の議員の質問や発言を2時間ほど聞いた上で、次のように発言した。
「残念ながら軍事力による安全保障の必要性も認めざるを得ないものの、対話による外交や安全保障が極めて大切である。例えば、今年3月に中国チベット自治区で起きたチベット動乱において、僧侶らによる独立を求める抗議活動を中国が武力によって抑えたことについて、日米から中国に対し人権侵害をしないようもっと強く抗議すべきではなかったか」
 米国側の議員の中には、私の顔を見ながらうなづく議員もいた。

 午後の会議では、地球温暖化などの環境問題が取り上げられた。
 二酸化炭素の排出量を削減するために、太陽光、風力、バイオマスなどの自然エネルギーの推進の重要性は皆が認めていたが、それらがエネルギー源の主力となるまでには時間がかかりすぎ、温暖化を食い止めるには間に合わないという意見が多かった。日米両国とも、現時点での最も有力な解決策はやはり原発であるというのが多数の意見であった。これは、私にとっては理解に苦しむことであった。
 また、バイオ燃料も議題にのぼった。「トウモロコシなどの食糧からバイオエタノールを生産するのは、食糧不足や食糧価格の高騰につながるから見直す必要があるのではないか」という日本側からの質問に対し、米国側の議員たちが、「穀物の値段の高騰にはエタノール生産がほとんど影響ない」と主張したのは残念だった。後で知ったことだが、バイオエタノール推進派の議員の出身州では、トウモロコシからバイオエタノールを生産するビジネスが大いに儲かっているとのことだった。なるほど、米国でも「しがらみ」が政治に影響を及ぼしていると再確認した。
 他方、会議では米国側から脱化石燃料に関してすばらしい提案を聞くこともできた。イノウエ議員から、今こそ政治のリーダーシップが求められているという発言を聞いたときは、非常に心強く感じた。自動車メーカーはガソリンに代わる燃料を探しているものの、はっきりした方向性が定まっていない状況では、新しいエンジンの開発はリスクが大きすぎる。だから政治がリーダーシップを発揮して方向性を定めることが必要だと言うのだ。
 私もこの意見には賛成である。例えば、ブラジルではサトウキビから作ったバイオエタノールが非常に普及しているので、自動車メーカーもそれに合わせた製品開発に力を入れることができる。もし、水素エネルギーを利用する燃料電池が石油代替エネルギーの主役になることが明らかになれば、それに向けて開発も進むはずである。しかし、現時点ではそうした開発に巨額の資金を投じることはリスクが大きすぎるというのは、理解できる話である。
 いずれにしても、地球温暖化対策が急務であるということで両国議員たちの意見が一致したのは、良いことであったと思う。私は、有効な対策をとるためには、政府・議会・企業・国民が一丸となって取り組むことが大切であることを再認識した。

 要人との意見交換では、大統領選挙が主な話題になった。現時点ではオバマ候補が有利であり、米国初の黒人大統領の誕生の可能性が高い。そして大統領選挙と同時に行われる議会選挙では、共和党が多くの議席を失うのがほぼ確実な状況とのことだった。
 同時に、米国の要人の多くは、「大統領選挙において日米関係は大きな争点になっておらず、選挙の結果がどうなっても日米関係は大きく変化することはない」と説明していた。外交については、「米中関係の方が大きな問題である」という声が多かったのは事実であるが、ただしこれは決して悪い意味ではなく、「日本との友好関係が上手くいっているからこそ、日米関係が大きな争点にならないのだ」と言われた。
 今回の大統領選挙で大きな争点になりそうなのは、米中関係などの外交問題というよりは、何と言っても経済問題のようだ。米国にとっては、自国の経済をいかに回復させるかが現時点での最重要課題であるようだ。

 紙幅の都合で、今回のメルマガでは主に会議や要人表敬訪問などの概要について書いたが、ワシントンDCで感じたアメリカ人のライフスタイルなどについても、いずれ報告したいと考えている。また、私自身、オバマ候補の政治姿勢には非常に興味があるので、これについても別の機会に触れることになるだろう。短い期間の訪米であったが、得るものは本当に多かったと思う。

  ツルネン マルテイ


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