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正直言って「Encyclopedia」と名付けている割には
歴史的研究の面が不備ですが、プロの占星術師が書く
ものはえてして文化史的観点とか、天文学上の観点が
おろそかになっております。
で、この書物によると、問題の周期は本来、中国史
の研究から発見されたらしいです。
なんでもJ.S.リーとかいう歴史学者が中国の歴史を
研究していて、紀元前221年から589年にかけての809
年の周期と、589年から1368年にかけての779年の周
期を発見したということです。この2つの周期を平均す
ると、ものの見事に794年となり、大会合40回分とぴ
たりと一致するというわけです。
そしてこの約800年の周期の前半には強力な中央政
権の下で比較的安定した時代が続きますが、後半は、
群雄割拠の分裂時代となるということです。
では、改めて中国史を見てみよう、ということで、
紀元前221年はいわずと知れた秦の始皇帝による統一。
その後の項羽と劉邦の争いやら呉楚七国の乱などのご
たごたはありましたが、けっこう短期に収まっており、
前漢・後漢を通じて強力な、まとまった政権が続きま
した。
漢の滅亡が220年ですが、184年の黄巾の乱以来、
すでに政権はがたがたでした。
というわけで、紀元前221年から184年までは404
年(紀元前後を挟んだ計算は注意がいります)の安定
政権時代と言えます。みごとに周期の半分になります。
その後は有名な三国史の時代、晋の統一はありまし
たが、内乱続きですぐに五胡十六国の動乱から南北朝
時代というわけで、この状態が589年の隋による統一
まで続くとするわけです。
王朝はすぐに唐に交替しますが、やはり全土を統べ
る強力な中央政府が確固たる支配を及ぼします。その
唐が滅びたのが907年。期間にして318年で、今回は
ちょっと安定期間が短めになります。
その後は五代十国の動乱、979年に宋がとりあえず
統一はしますが、西夏だの金だのに周辺を脅かされ、
1127年に麟安に遷都して南宋となります。リーによ
れば、この状態は1389年の明の建国で終止符という
ことになります。
以上が794年周期説のあらましですが、もちろんい
くつか疑問もあります。
まず、安定期から動乱期への移行がいつ始まるのか
はっきりしません。
最初の周期における安定期は404年続きましたが、
次の周期では318年で終止符となります。
それに、この周期に従えば、現在の中国は動乱の時
代に入っているということになりますが、共産党政権
はもう50年も本土に強力な支配を続けております。
もっとも、台湾という存在がありますから、分裂状
態にあると言えないこともありません。
さらに、仮に中国の歴史にこのパターンが適用でき
るとしても、他の国の歴史に適用できるかどうかは不
明です。
ところが、この794年周期を他の国にもあてはめよ
うとした人物がいます。それが前回述べたチャールズ・
ジェインです。
本業が占星術師ですから、彼はこの周期を木星と土
星の会合周期に関連させ、794年の前半である397年
を安定期、後半を動乱期としました。
つまり、大会合20回分ごとで仕切ったわけです。
さらにジェインはこの周期を日本の歴史にも当ては
めようとしたようです。
というわけで、やっとこの周期と日本との関係にた
どり着きました。
ジェインは、1186年に発生した大会合から1583年
の大会合までが動乱の時期であり、その後安定期が
1981年まで続いたとしております。
というわけで、またしてもあらためて歴史を眺めて
みます。
奇しくも1180年には源頼朝が挙兵し、源平合戦を
経て1192年に鎌倉幕府を開きますが、将軍家は3代
で終わり、その後文永・弘安の役、建武の中興、南
北朝時代を経て応仁の乱と、この間政治的に安定した
時期は確かに短期間です。
さらにジェインの言う安定期は、秀吉による天下
統一が達成された時期から、徳川の太平の時代へと
続きます。
もちろんその後も明治維新だとか太平洋戦争だと
か歴史的事件がいくつも起こっているので、はたし
て単純に安定期と混乱期に分けるのはどうかと思わ
れますが、視点を変えて中央政権が統一的に権力を
行使する時代と、地方勢力が力を持つ時代、あるい
は事実上の分裂時代と捉えた場合、明治維新も太平
洋戦争敗戦も、政権交代はあったものの、強力な中
央政権の権力は維持されたとも言えます。
そして問題の分裂時代の始まりが、1981年、バブ
ル景気の直前ということになります。
ジェインによれば、分裂時代は今後400年ほど続
くわけですが、折から地方分権やら道州制やら、地
方自治体への税源移譲やら財政再建団体転落やらが
ささやかれておりますので、何となく気になるとこ
ろではあります。
0界通信オンラインNo.160完−
関連HP:www016.upp.so-net.ne.jp/o-world/
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