メルマガイドよくある質問サイトマップ

2008メルマ!ガ オブ ザ イヤー発表
2008メルマ!ガ オブ ザ イヤー発表

きゃりあ・ぷれす

RSS
トップ > 仕事&就職 > 就職 > きゃりあ・ぷれす
最新号をメルマガでお届け

この記事の発行者<<前の記事次の記事>>最新の記事

【きゃりあ・ぷれす】vol.234「MINOHODOism」レポート vol.4-3《三日目》「ブータン雑記」その3

発行日: 2006/10/27

********************************************************************
   仕事と社会のこれからを考えるリポート&アクションマガジン
         「きゃりあ・ぷれす」vol. 234
            2006・10・27(金)発行
********************************************************************
………………………………………………………………………………………… 
【特集企画】「MINOHODOism」レポート vol.4-3  《三日目》      

            ◆GNPからGNHへ。        
              GNH(国民総幸福)を国の指標とする        
              小国ブータンの壮大な試み         

              <「ブータン雑記」その3>       宮崎郁子     
…………………………………………………………………………………………  

…………………………………………………………………………………………
鎖国によって守られた自然や文化を資産として充分認識し、誇りとする国 
…………………………………………………………………………………………

■伝統医療と近代医療の融合をめざすブータンの医療  

ブータンは、古い経典の中で「薬草の地」と呼ばれていたらしい。今でも3
00種を超える薬効植物が自生している。その中には、伝説の「冬虫夏草
(トウチュウカソウ)」もあるという。冬は虫で夏は草、イモムシに寄生
し、やがて宿主の体を奪い取ってしまう菌類のことだ。(小学生のころ
「カムイ伝」というマンガで、私は初めてその名を目にし、ちょっとグロテ
スクな神秘性が子供心にとても印象的だった。)  

ブータンの薬草は古来、伝統医療の中心であるチベットにも供給され、ブー
タン人医師はチベットで伝統医療を学び、帰国後何世紀にもわたってその伝
統を受け継いできた。  

開国後、ブータン政府は西洋近代医療システムの整備に重点的に投資を行な
ってきたが、その一方、首都ティンプーに「伝統医学院」を設立し、伝統医
療の提供と伝統医学医師の養成を図っている。 
ブータン人は病気に際し、伝統医療や宗教儀式と共に、今では国内650カ
所の様々なレベルの近代医療施設で無料のサービスが受けられると聞く。そ
のことにより、妊婦や幼児の死亡率は大幅に減少したらしいが、神経外科な
どの高度な医療は、インドに頼らざるを得ないのが現状のようだ。  

今後ブータンは、近代医学のレベルアップを図りながら伝統医学との融合を
進めていくことをめざすということだが、それがどのような具体像になって
いくか大いに注目したい。  

近代医学はあくまで個人の生命を最大価値とするコンセプトをもつ限り、臓
器移植などを含むその延命、さらには個の複製としてのクローン技術の追求
などに邁進せざるを得ないだろう。一方伝統医療は、仏教の転生という概念
を包含しつつ、生の質の向上や自然への回帰である死への尊敬と親しみをベ
ースにしているように思われる。これらの高いレベルでの融合は、私たちに
とっても大きな関心事であることに間違いない。ブータンのチャレンジは、
ホリスティック医療という視点においても大いに注目され、日本とブータン
の医学界な何らかの共働がなされることを期待したい。   


■ハイバリュー、ローインパクトの「元祖 エコツーリズム」  

7月掲載の「ブータン雑記」その2にも書いたように、ブータンの観光政策
は大変ユニークである。その背景には、GNHというコンセプトの基本にある
「自国の自然環境や文化に誇りをもち、資産として尊重することこそ、ブー
タンの独自性、独立性をもった存続を可能にする」という毅然とした姿勢が
はっきりと見てとれる。こうした言い方が、単なるレトリックでないことが
わかる一例として、こんな事実があるようだ。  

ブータンには7000mを超える未踏峰が20もあるのだが、一時は受け入
れていた外国の登山隊への門戸を、政府は1970年代末に閉ざしてし
まったという。エベレストの入山料は、ネパールの例では1人1万ドルだそ
うだ。それ以外にも登山隊を受け入れれば、政府や住民は多くの経済的恩
恵に浴するというのに、なぜなのだろう。  

その理由は、峰々のふもとの高地一帯で家畜を飼って暮らしている遊牧民た
ちが「神聖な山々を汚すのはやめてほしい」と、国会に陳情したからだとブ
ータン政府発行の資料にはある。 
さらに、もう少し資料の引用を続けると次のようである。  

−−−−これは、人々の心の平安が物質的な利得より大切であるというブー
タンの確固とした政策の基準を示す、ほんの一例である。国土の72%が森
林に覆われ、26%以上を自然保護区や国立公園として保護し、また宗教と
伝統文化の精神を必死にまもろうとしているのも、同じ理由だ。  

「もしわれわれが文化と環境の保護政策をこれほど徹底して実行していなか
ったならば、ブータンは経済的自立により近づいていたかもしれません」
と、ロンボ・ジグミ・ティンレ総理大臣(当時)は、1998年に、21世
紀の諸問題を議論する国際会議での演説で述べた。
「しかし、経済的利得のために外国からの文化流入を野放しにし、自然環境
の悪化に目をつぶっていたならば、ブータン社会はその特徴を大きく損なう
結果になっていたでしょう」−−−−(引用ここまで)  

ブータン政府が遊牧民たちの素朴な訴えを受け入れ、政策を変えた背景には


おそらく隣国ネパールでの状況に対する憂慮があったのではないだろうか。
ネパールはカトマンドゥという首都名でもわかるように、ヒマラヤ登山のメ
ッカとして知られている。また、エベレスト南麓に住む高地少数民族「シェ
ルパ族」の名前は、山岳ポーター登山ガイドの一般名称とも言えるほど有名
で、彼らなくしてはヒマラヤ登山は成立しないと言われるほど重要な存在に
なっている。  

しかし、シェルパ族の実態は、ネパール人の平均収入と比べて高収入ではあ
るものの、命の危険と隣合わせの重労働を強いられる上、保障制度も全く整
っていない。しかも欧米や日本などの登山隊の花々しい登頂成功の際も、ま
た遭難の場合にも、まるで人としてその数に入っていないかのような扱いで
ある。登山隊の名誉のための道具のようである。 
ブータンが標榜するGNHとは、全く相容れないものというのははっきりして
いる。  

さらに、ヒマラヤでは登山による環境破壊も問題になっている。登山隊は、
登頂を成功させるために、使い終わった装備はどんどん捨てていく。それを
回収するのは至難の技である。(登山家の野口健氏などが取り組んでいるよ
うではあるが) ヒマラヤはゴミの山なのだ。  

しかし、一旦入山料やガイド料などを手にしてそれに馴れてしまうと、国も
住民も、それを手放すことはほとんど不可能に近い。国は苦労なく外貨を稼
げ、住民は遊牧など在来の生活文化やノウハウを継承しなくなってしまうか
らだ。   

ブータンは、あくまで自分たち文化や自然環境などの優れた特徴に対し関心
と敬意をもって訪れる旅行者のみを受け入れ、心からのもてなしをしたいと
考えている。
 国営航空会社ドゥク・エアのみの乗り入れ、「ブータン雑記」その2に書
いた最低旅行費用の設定や「アマンコラ」「ウマ・パロ」の大変コンセプ
チャルな豪華リゾートのみの外資観光資本の受け入れ、踏破することが最大
目標である登山ではなく、ブータン自身が「最も素晴らしいヒマラヤ体験」
として提案する常識はずれのトレッキングプログラムの提供など。これらは
全て、受け入れ人数を限った上で最高の体験を旅行者に提供し、さらにブー
タンの素晴らしさ、稀少さを世界に示そうとするオリジナリティあふれた観
光施策である。まさに、ハイバリュー、ローインパクト。こうした施策は、
エコツーリズムという概念そのものが生まれる前から行なわれているという
ことで、「元祖 エコツーリズム」と言えそうだ。


ブータンは、先進国やそのやり方に巻き込まれたアジアの国々の姿を冷静に
見つめている。そして、その問題点を把握し、オルタナティブを常に模索、
実践しようとしている。 
様々なフェーズで、大変興味深いブータンについて、次号以降ももう少し書
いていきたいと思っている。  

よろしければおつき合いください。(次号に続く) 



..............................................................◆◇◆

_PR_______________________________________ s o l a r i u m N E W S=
代官山と恵比寿から徒歩5分の多目的レンタルスペース、       ==
『パンゲアソラリアム』を普段より少しだけお安く、         ==
お借りいただけるおトクな情報をお届けします!           ==
_______________<http://www.pangea.co.jp/solarium/mm/mm.html>PR___==

..............................................................◆◇◆

==================================
◆このメールマガジンの配信は『まぐまぐ』『melma』の2つのサービスを
利用しています。
◆購読を解除した覚えがないのに、メールマガジンが来なくなったという方
 がいらっしゃいましたら、編集部までお知らせくださいませ。
◆登録メールアドレスの変更:
【1】登録している配信スタンド名
【2】古 いメールアドレス
【3】新しいメールアドレスを明記の上、「件名」を「アドレス変更」とし
て、c-press@pangea.jp までご連絡ください。編集部でアドレスの変更手続
きをいたします。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
◇バックナンバーと登録・解除:http://www.pangea.jp/c-press/
◇ご意見・ご感想メール宛先:c-press@pangea.jp※いただいたメールは
掲載されることがあります。本名での掲載を希望されない場合はペンネーム
を忘れずにお書きください。
==================================
●「きゃりあ・ぷれす」編集部 渋谷区恵比寿西1-24-1(株)パンゲア
●発行人:宮崎郁子
●編集:全いるち 陳敦琳 溝口究 山崎義高 田中景子 高橋信夫 包山奈保美
....................................................................
      (c) 2006 PANGEA inc. All rights reserved.
    本メールマガジンの無断複製・転載を禁止します。
==================================

この記事の発行者<<前の記事次の記事>>最新の記事

 
  規約   
>> メルマ!の会報誌もお届けします

ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to Google

この記事へのコメント


コメントを書く
コメントはありません。

このメルマガの最近の記事





おすすめメルマガ詰め合わせ2009年 あなたの今年の運命は?ゆく年くる年メルマガ!

メルマ! ガ オブ ザ イヤー 受賞メルマガ2008年度の受賞メルマガ
2007年度の受賞メルマガ
2006年度の受賞メルマガ
2005年度の受賞メルマガ




melma! ご利用規約 │ メールマガジン発行規約 │ マスコミに関するお問い合わせ │ 会社概要 │ プライバシーポリシー
インターネット広告 サイバーエージェント