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三島由紀夫研究会メルマガ

発行日: 2007/12/26


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  『三島由紀夫の総合研究』 
     (三島由紀夫研究会 メルマガ会報)
        平成19(2007)年12月27日(木曜日)  
             通巻第214号 (12月26日発行)
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 遠藤浩一さんの『三島由紀夫と福田恒存』を読んで。。

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正論今月号のページを繰っていくと「福田恆存と三島由紀夫の戦後」(遠藤浩一氏)に『日本文化』第二十二号所載の宮崎正弘「三島由紀夫の日本回帰」が引用されていました。
私は同じ『日本文化』第三号に収められている「三島由紀夫とギリシア」(同じく宮崎正弘著)を思い出し手に取りました。好きな三島論です。
中見出しが、柔軟な美にあふれた肉体・日本浪曼派の十代・『鍵のかかる部屋』の喪失感・ギリシアへ・憂国三部作へ・青年たちとの出会い、とあり、三島氏の心の揺れと変転が巧みに綴られています。その中に登場する三島作品名を、その順番に並べます。
『禁色』、『椅子』、『仮面の告白』、『潮騒』、『鏡子の家』、『愛の渇き』、『火山の休暇』、『鍵のかかる部屋』、『アポロの杯』、『豊饒の海』、『暁の寺』、『三十四歳と十八歳の肖像』、『金閣寺』、『美しい星』、『葉隠入門』、『憂国』、『喜びの琴』、『林房雄論』、『対談・日本人論』、『奔馬』、『文化防衛論』、『自由と権力の状況』、『反革命宣言』。
三島氏の心と思想の遍歴を辿る必枢の作品群です。
『鍵のかかる部屋』は、書かれた時期、描いた時代とその内容において重要な三島作品です。戦後占領下の世情と政治状況をかわいた筆致でシニカルに暗喩的に描いている特異な作品です。
これが地下水脈として流れて行き『鏡子の家』へ繋がっていきます。『鏡子の家』もかわいた作品で、商社マンの清一郎がニヒリズムの部分を体現していて最重要の三島氏の分身部分を担っています。
一方、『美しい星』も『鍵のかかる部屋』と分水脈で繋がっています。
『美しい星』はUFOに乗って美しい星、地球に飛来した宇宙人一家の物語で、初めて三島氏は小説の中で、あからさまな政治発言をしています。最近UFO談義が政界を賑わせていますが、石原慎太郎は当時この小説の取材でUFOに入れ込んでいた三島氏に誘われてその研究会に入ったのです。
この作品以降、三島氏の思想的表出があからさまになっていき、「みやび」としての文化を護る天皇、天皇を文化の象徴とする天皇論に達します。

天皇論と云えば『諸君!』2月号の対談で長谷川三千子氏が次のように述べています。
(引用開始)
「私は、天皇親政と象徴天皇のどちらが本質というよりも、天皇ご自身が前面に出て何かを決断されるという局面と、日本人の精神的な支えとして象徴天皇に徹するという局面の、ふたつの間を振り子のように行き来しつつ、バランスをとって日本全体をまとめてきた、その構造そのものが重要なことだったのではないかと考えています。三島由紀夫は『文化防衛論』の中で、宮中歌会始の典雅から、天皇みずから軍服をお召しになる勇武まですべて包み込んでいるのが「みやび」の伝統なのだと語っています。天皇がシャーマンであるだけでは、国家の非常時に我が身をなげ打つ姿勢は出てくるはずがない。象徴天皇の裏側には、天皇みずからも身を挺して国難を救おうとされる激しいものが、古代から連綿と息づいてきたのではないか。・」
(引用止め)

これは長谷川氏の天皇への戀闕の情の表出となっています。
三島氏は学生とのティーチ・インで「天皇というものは我々にとってどういう存在なのだろうか。私は、天皇は文化の象徴だと申しました。また「文化防衛論」の中でもしつこく書いたことですが、言論の自由ということが最終的に文化概念としての必要条件であると申しました」と訴えています。
三島氏は中国で毛沢東が文化大革命を始めると、彼らの言論弾圧を憎み、安部公房と語らって川端康成、石川淳の四人で日本ペンクラブとして帝国ホテルで会見を開き、中共政府による言論の自由の抑圧を糾弾する声明を発しました。
文化概念の象徴としての天皇の大事なつとめは言論の自由を保障するこという三島氏の主張は、上記の声明を発した行動によってしっかり担保されていたのです。言行一致の極みです。
三島氏がこれほどまで言論の自由を大切に考えていたことは看過されがちですが、改めて注目したいものです。 
     (西法太郎)

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事務局より
(1)『憂国忌』の記録ですが、第一部シンポジウムは発売中の『WILL』二月号に22ページにわたって特集があります。
第二部の井尻先生の講演録は、『月刊日本』正月号(22日発売)のなかで再録されております。
 なお、賛助会員の皆様には『月刊日本』を贈呈します。年内にお手ものに届きます。
     *******************

(2)憂国忌DVDを受け取られた方で、「画像が映らない」というクレームが二件ありました。もし、ほかの方にも映像のない不良品がありましたら、至急お知らせください。
 いずれも会のアドレスは、下記です。
 yukokuki@hotmail.com
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三島由紀夫研究会 HP URL http://mishima.xii.jp/
      メール  yukokuki@hotmail.com
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(C)三島由紀夫研究会 2006―2007  ◎転送自由
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ペンネーム : 宮崎正弘

  • 文豪三島由紀夫は「死後も成長する作家」といわれ、今日も文学、芸術、思想のあらゆる分野に亘っての研究成果が紹介される

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