創立35年の老舗「三島由紀夫研究会」の会報を兼ねた、あらゆる角度からの総合研究メルマガ
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三島由紀夫研究会メルマガ
発行日: 2006/12/15
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『三島由紀夫の総合研究』
三島由紀夫研究会 メルマガ会報
平成18(2006)年12月15日(金曜日)
通巻 第105号
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(読者より その1)
昨日(12月10日)は、三島由紀夫研究会前事務局長の三浦重周氏の1周忌にあたる“早雪忌”に参加した。
三浦重周氏は昨年の12月10日、郷里新潟にて壮絶な割腹自決を遂げた。私は三浦さんにはそう何回もお目にかかったことはなかったが、憂国忌や三島由紀夫研究会に参加するたびに何度かお話した機会がある。
お酒の席でも大変ユニークにお話をする方であった。
その三浦さんが、酒席において突然、「君も一つの会の代表をしているけれど、ときには大変なこともあるだろう」と遠くを見るような優しい眼差しで話していたのをよく覚えている。私ごときは、大した代表ともいえないが、それでも人にいえないことのひとつやふたつくらいは心にある。
ましてや責任ある一つの会の代表や一つの会社の社長というものにかかる重責は並みのものではない。
しかも三浦さんの場合、その責務が日本国、そして三島由紀夫に関わる責務であったのだから。その三浦さんにささやかな会の代表を務める私に、そうおっしゃって頂き、大変感激したことを覚えている。
遺書が残っていないので、その心境を拝察することはできないし、ここで私がその理由を推察するのは僭越に過ぎているだろう。
なぜ、三浦さんが自決に至ったのか、そのことを噛み締めながら時間をすごした。参列者も多く、非常に心温まる良い一周忌となったのではないか。
心から三浦さんを偲べるひと時であった
(岩田温のブログより)
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(随筆)
カフカ流の無国籍文学「村上春樹」と三島由紀夫について
宮崎正弘
たまたま「三島由紀夫と現代日本」と題するテレビ番組のシンポジウムの録画があって、桜チャンネルのスタジオに朝から夕方近くまで缶詰(?)になった。
なにしろ三時間番組である。
出席は西尾幹二、松本徹、宮崎正弘、山崎行太郎、富岡幸一郎、遠藤浩一。司会は水島総。(各氏敬称略、発言順)
その席で印象深いことが一つ。
それは司会の水島総さん、桜チャンネルの社長でもあるが、その昔、映画監督、シナリオライターの経験者。武道家でもある。小生が知っていたのは、水島氏が早稲田文学部卒業でトーマス・マンを卒論のテーマにしたことだった。
三島由紀夫は大学でドイツ語を選択し、トーマス・マンをおおいに参考にしたのは有名な逸話。三島が27歳の時に初の外遊で、携帯した本はマンの『ベニスに死す』だった。
この両者の比較については過日、水島氏と小生のふたりの討論番組がある。
さて話は白熱した中段になって水島さんがいきなり「私は村上春樹の同級生、したがってよく作品は読んでいる」と言いだしたことだった。
えっ。
村上春樹は直近にも中欧で有名な文学賞「カフカ賞」に輝き、日本人作家としては次にノーベル賞に最も近い人だが、小生儀、残念ながらこの作家、大江健三郎の亜流という認識で一冊も読んだことがない。初期の翻訳はみずみすしい、文体の艶もあって読んだが、小説を読んだことがない。理由は、この人の作品に「日本の臭い」「日本の歴史」「日本の伝統」がないからだ。
おなじ無国籍文学と言っても、安部公房には情念があり、日本人が躍動していた。『砂の女』にも『榎本武楊』にも。
あまりに無国籍、インタナショナルという意味で村上春樹の文学は、三島由紀夫の対極にあり、三島が書いた「あの日本の根からおいたった暗い熱血」(『奔馬』)の日本、伝統の日本、天皇のくに、日本とは無縁に近いといって良いだろう。
しかし中国で書店に入ると「日本文学コーナー」は渡辺淳一と村上春樹、ついで吉本バナナ。欧米では村上春樹がダントツの人気をほこり世界三十ケ国に翻訳されている。中国では『ノルウェイに森はない』などという村上作品をパロった小説までベストセラーだ。
さて水島さん曰く。
「村上は三島の対極をめざして、グローバリズムの作品を書いた。外国にも住んで、日本とはまったく無縁の世界を書きつづけた。そして現在、かれの作品は行きつまりを見せている。ミシマは死後も成長し続けるが、村上はグローバリズムの限界に達したところで、同時に限界を打った」。
なんとも印象的なひとことだった。
(下記の投書は宮崎正弘のメルマガ12月6日付けより転載です)
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(読者の声1)私は村上春樹のファンで彼の本はかなり読みました。
ご指摘のように彼は日本的なものという要素はまったくなく民族という意識もありません。彼の変わらぬテーマは「意識」とは何か、「意識に実体があるのではないか」、という心理学的というかむしろオカルティズムであると思います。
このテーマは全世界的に関心を持つ人が多く、彼は何かを主張するのではなく意識の持つ不思議さを物語化しているだけで、誰が読んでも抵抗なく読めるのです。人間の意識の深層、それと現世とのかかわりの面白さをしつこく追求しているのです。私は「精神世界」に趣味として長年かかわってきましたが、彼のは「精神世界」的読み物であり文学だとおもって読んだことは一度もありません。したがってこれがなぜ中国でもてはやされるのか、あるいはノーベル文学賞の候補になるのか不思議という気持ちです。カフカ賞は分かる気がします。
最近の「海辺のカフカ」や「アフターダーク」は水島さんがおっしゃるように行き詰まりを感じさせます。新鮮さに欠け、あるいは無理して書いているなという気がします。
このテーマだけで過去の彼の傑作を凌ぐものを書くのはもう難しいのではないかと思います。
(TW生、練馬区)
(宮崎正弘のコメント)村上氏が学生時代を過ごしたのは目白台にある“和敬塾”です。この学生寮のモデルと思われる場面が、作品に出てきている、と多くの文藝評論家が指摘していますが、教育の倫理と理想をかかげての寮生活は、いってみれば門限もあったほどの保守的で、かれは、この原点を逃れようとしたのかもしれません。
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“現代の北一輝”はかく考え、かく行動し、かくして憤死した!
三浦重周(前三島由紀夫研究会事務局長)の遺稿集第二弾
『国家の干城、民族の堡塁』(K&Kプレス)。
定価税込み2310円。
すでにお申し込みの皆様、18日に発送します!
遅くとも20日、21日には到着します!
日本の核武装を予見する政治論文に加えて、前作『白骨を秋霜に曝すを恐れず』でも好評だった随筆のエッセンスを選んだ。
また巻末には資料として三浦が「早稲田大学国防部」時代の共同論文「満州国の理想」を再録、さらに多くの関係者の追悼文を附録に掲載。
お申し込みは下記へ
yukokuki@hotmail.com
お名前、ご住所、〒番号をお知らせ下さい。書籍到着後、同封されている振込用紙を使用して書籍、郵送寮とも2600円をお振り込み下さい。
特価キャンーペーンハ終了しました!
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三島由紀夫研究会 HP http://www.nippon-nn.net/mishima/contents/
メール yukokuki@hotmail.com
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(C)三島由紀夫研究会 2006 ◎転送自由
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