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記者コラム「インターネットで読み解く!」

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「インターネットで読み解く!」[ブログ時評63]

発行日: 2006/9/4

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┃  記者コラム「インターネットで読み解く!」2006/9/3 (毎日曜刊)

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  ------ オーマイニュースの可能性ほぼ消滅か [ブログ時評63]------


 8月28日にオープンしたオーマイニュース日本版
http://www.ohmynews.co.jp/MainTop.aspx
は、初日にトップアクセスを記録した『嫌韓流』批判記事「インターネット上
ではびこる浅はかなナショナリズム〜この国の未来を支える若者の論理は…」
http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000000046
が2ちゃんねらーによる心にもない「釣り記事」だったと判明する一方、多く
の「左寄り」市民発の記事がコメント欄で2ちゃんねらー等の集中砲火を浴び
「炎上」している。9月2日にはオーマイニュース編集部とブロガーの対話集
会が早稲田大で開かれて、開設に至る内幕が明らかになった。

 「ブロガーXオーマイニュース『市民メディアの可能性』」レポート(1)
http://ultrabigban.cocolog-nifty.com/ultra/2006/09/post_eefc.html
(BigBang)が伝える鳥越俊太郎編集長の発言「僕はJanJanもライブドアニュー
スも見たことが無いのでわかりません。(会場凍る)」が最も衝撃的なデータ
である。市民参加型メディアとして先行している存在を全く勉強せずに、韓国
の成功経験だけで市民メディアを立ち上げてしまったとは……。「会場凍る」
に出席したブロガーら100人の顔が見えるようだ。

 「『ブロガー×オーマイニュース〜市民メディアの可能性』にいってきた」
http://ameblo.jp/kobe830sa77-hzj77/entry-10016579257.html
(未熟者隊長の四輪連絡帳)はこう批判する。「ネットをするしないじゃなく、
普通、物事を始めるときは、その周辺の環境を調べて、体験してから始めない
か?」「さらに、『市民記者の原稿だから・・・』みたいな発言多々あった。
だから質の悪い記事を出してもいいという?読者にとって市民だろうが、プロ
だろうが、匿名だろうが、実名だろが、オケラだって、カエルダッテ・・・・
関係無い。読者にとって重要なのは『おもしろい』『斬新な』『しらない』テ
レビ番組じゃないけども『へぇ』をいえる記事かどうかのはず」「『市民記者』
に代表される新しい価値は、オーマイさん家の都合なだけで、読者にはどうで
もいいことになる。そのあたりも全く分かっていないようだった」

 オープン1週間の記事を私もなるべく多く読んでみた。大多数は独り善がり
の書き方しか出来ておらず、ネットの良さを生かして根拠になる文書やデータ
にリンクを張る程度の努力も無い。市民記者以外に依頼したと思われる記事に
ついても同傾向だから、新聞記者経験者はいてもプロの編集者は皆無なのだろ
う。編集部の校閲力は商業メディアの水準には全く届かず、びっくりするよう
な誤変換が転がっている。「英霊を静かに眠らせよ 〜鈴木邦男コラム」
http://www.ohmynews.co.jp/OhmyColumn.aspx?news_id=000000000183
の「首相の『男の維持』が原因で、アジア外交は目茶苦茶だ」が好例。これは
「男の意地」だろう。従って次のような結論が出ても不思議ではない。

 「続・オーマイニュース考」
http://blog.goo.ne.jp/talleyrand_2006/e/8819cec1e9a899eaa74ba49aafbaafdd
(Talleyrandの備忘録)は厳しい。「市民参加型メディアを謳い文句にしていた
はずだ。それにもかかわらず、自分の所属団体の運動をそのまま記事にしたも
のを掲載していていいのだろうか(ここではどれだとは指摘しないが)。現在、
掲載されている記事すべてがそうだとは言わないが、編集部のセンスを疑わざ
るを得ない。普通の新聞ならどんなにがんばっても、読者の声欄行きだろう」
「オーマイニュースが、『既存メディアとは一線を画すんです。これでいいん
です』というのなら、まあそれでいいが。しかし、そうであるならば、オーマ
イニュースのメジャー化はなくなるし、市民運動に熱心な皆様のコミュニティ
に堕してしまうだけである」

 もちろん、まだ見放していない人もいる。「オーマイニュースについて(2):
私案」
http://www.h-yamaguchi.net/2006/09/2_8d72.html
(H-Yamaguchi.net)は存在理由を打ち出せる提案をしている。「マスメディアで
見かけないものが1つあるのではないかと思う。それは、『右翼』と『左翼』の、
きちんとかみ合った議論だ。そんなものはどこにでもあると思われるかもしれな
いが、意外に少ないのではないか、というのが私の考えだ。マスメディアなどで
は、たいてい両者は同席しない。同席しても、互いの意見をいうばかりで議論が
かみ合わない。『朝まで生テレビ』などでも、両者(と思しき人々)は大声で同
時に怒鳴りあうだけで、ちっとも議論にならない」「これこそ、他のメディアに
は出ていない内容ではないか。つまり、『右翼』シンパの市民記者と、『左翼』
シンパの市民記者が、記事を通してバトルする、これこそがオーマイニュース日
本版の目玉にすべきテーマではないか。相手を罵倒するのではなく、事実を積み
重ねることによる言論バトル。『責任ある言論』だから、暴言などはチェックし
てはじく。これなら、マスメディアの議論に不満な向きにも、2ちゃんねるやブ
ログの議論に不満な向きにも、価値のある議論の場と考えていただけるのではな
いだろうか」

 記事の投稿で筆者実名主義を通す限りは無理と思われる。「ネット右翼」と目
される人たちは実生活では右翼的言動をしないことが知られつつある。

 「第67号:オーマイニュースの明日はどっちだ!? シンポジウム報告」
http://bunjin.cocolog-nifty.com/bunjinlog/2006/09/67_6a31.html
(「まるぽ」にうす)も「うまくやればいけるんじゃないか」とみる。「『炎上』
をどうとらえるかというのも見方次第だ」「オーマイニュース編集次長の平野日
出木氏は、オーマイニュースの役割について、完成された書き手が完成された記
事を書くだけでなく、さまざまな人が言論を世の中に発表するという、『回転す
るプラットフォーム』を提供するものだとしている。いわば『輪転機』だという
のだ。さまざまな質の記事があり、輪転機を通ったからといって、すべての記事
が残るとは限らない、それでいいというものだ。なるほど、ひとつの見識である」
「だとすれば、コメント欄の『炎上』も『回転している』と考えればいいわけで、
それほど心配すべきことではないということになる」

 当のオーマイニュース編集部が至ってお気楽なのには驚く。「ブロガーXオー
マイニュース『市民メディアの可能性』」レポート(2)
http://ultrabigban.cocolog-nifty.com/ultra/2006/09/post_7eb0.html
(BigBang)は平野編集次長の発言としてこう伝える。「例の田中さんの、釣られ
ちゃった記事ね(会場から笑)あれは初日で60,000行きました。まああれは我々
も楽しませてくれたというか(爆笑)そうか、左よりの甘い言葉を散りばめた記
事は釣りかもしれないとか、そういう読み方をするようになっちゃって(笑)作
られていないかと要チェックとか(会場笑) いいのがあっても釣りじゃないか
とか」「目標としては市民記者年内5000人、PV(ページビュー)で月1500万ですね。
月400万PVいかないと広告が入らない。今はなんとか(話題になったので)そのペ
ースは越えている」

 つまり、編集部はノルマのアクセス数が稼げれば中身はあまり気にならない様
子なのだ。しかし、「NoranaiNewsオーマイニュースにノラナイニュース」
http://noranainews.kaei-6.com/
が9月1日に「昨日のアクセス数は約9000(ユニーク)でした」と報告している。
ここは掲載拒否された記事を2ちゃんねらー達が集めて、採用傾向を知ろうとす
るウェブで、実数で9千人もが来ているなら、その何倍かが1日に何度もオーマ
イニュースに行くことを考えると、アクセスの非常に大きな部分は2ちゃんねらー
が占めている可能性が高い。「ネットウォッチ@2ch掲示板」
http://ex9.2ch.net/net/
など、彼らの間に「もう飽きた」との声が見え始めており、やがて潮は引いてし
まおう。広告が取れないアクセス水準に落ち込むのは目に見えている。

【関連】市民記者サイトは高い敷居を持つべし [ブログ時評30]
http://dandoweb.com/backno/20050731.htm




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◆◇編集後記

 オーマイニュース編集部は毎日、共同通信、日経、北海道新聞など記者経験者
を含め9人だそうです。これまでの市民参加メディアでは期待できる布陣と思っ
たのですが、あまりにもネットの世界について知らな過ぎます。現状では日本語
にすら問題がある小田某が率いるライブドアPJとも選ぶところが無い有様です。
もっとも、出席したブロガーのひとり、毎日新聞の磯野さんは
https://my-mai.mainichi.co.jp/mymai/modules/isono8/index.php?p=39
「新聞にとって、今はそれほどこわい存在ではないけれど、そうなる可能性はあ
ると思った」とのコメントを出しています。



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