ベイビイアゴーゴーのメールマガジンです。
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ベイビイマガジン 遠距離恋愛は続く 特別編6/12〜/31
発行日: 2008/6/19------------------------------------------------------------------------------
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遠距離恋愛は続く 特別編6/12〜/31
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日吉から岳人への手紙 03sideB
日吉からきた手紙を読んでいると、侑士が帰ってきた。
最近は研修、研修でまともに家に帰る日も少なくなっているけど、
「俺がしてるのはこーゆー事やで」って言って「ブラックジャックによろしく」
の本を全巻リビングに出している。
興味がないわけでもないけれど、その本はもう二度も三度も読んだので、
最近は暇つぶしにも読まなくなった。
それに多分、侑士はこんな風に熱く研修を受けたりはしていないだろう。
それは、なんとなく分かっている。
「ただいま〜、」
最近は、疲れて帰ってきたお父さんみたいな風体でリビングのドアを開く。
ぐったりとしているのは、本当に疲れているからなんだろう。
「おかえり。ごはんできてるよ」
俺も、まるで長年主婦をしてきた嫁のような返事をする。
一ヶ月も似たような生活が続けば、そんな事に対する気恥ずかしさもまるでなくなった。
もしかして、俺たちはずっとこんな風に年老いていくんじゃないかと心配になるくらいに、リアルな空気の漂う一般家庭になろうとしている。
だけど侑士は俺の顔を見ると、笑うんだ。中学生の時のままの笑顔で。
まだ、全身で俺に対して「めっちゃ好きやで!」って言ってるみたいな顔で。
「ありがとう〜。やっぱりコンビニの弁当あかんなあ!すぐに飽きるわ〜」
お坊ちゃん育ちらしいせりふにも、いい加減かちんとしたりしなくなった。
侑士がにこにこしてテーブルの向かいに座る。
そこで、テーブルに置いた写真に気付いた。
「あれ?こんな写真あったっけ」
侑士が写真を手に持った。顔に近づけてその写真をじっと見る。
それは日吉が手紙に同封してくれた写真だ。昔の俺たちが写っている。
日吉が手紙に書いていたように、俺も侑士もこの写真はもって居なかった。
いつ撮ったのかも、もう思い出せない。
けれどそこに写っている俺たちは紛れもなく、中学三年生のあの夏の頃の俺たちで、
みんなで笑って肩を組んでいる。
場所は、学校のテニスコートの中だった。
もしかしたら、部員か後輩の誰かが撮って、
それが一学年したの日吉のところに回ってきたのかもしれない。
「どうしたん?これ」
掃除でもしてたの?侑士の視線が俺にたずねてくる。
俺は首を横に振って、
「日吉に貰った」
と答えた。
一緒に送ってきた手紙は、侑士がテーブルにつく前に鞄の中に仕舞ったのでばれていない。
いつ、貰ったのか。
侑士はその疑問を口にしなかったので、俺は結局日吉に手紙を貰ったことを言わなかった。
(別に言っても良かったけど)
でも、聞かれなかったので答えなかった。
俺は、侑士に嘘をついていることになるのかな。
「懐かしいな〜。宍戸めっちゃ髪の毛短い」
中学生のときの、なつかしいみんなの写真を見て侑士が目を細めている。
ああ、もう働きつかれたお父さんみたいだ。
俺はそんな侑士を見て寂しいことを考えてしまったので、
両手を伸ばして侑士の腰のところに巻きつけた。
「…どしたん、岳人」
こんな写真を出してきて、もう寂しくなったの?帰りたいの?
侑士の優しい声が、耳元でする。
「そんなんじゃないよ……」
帰りたいわけじゃない。ここで、侑士とふたりで生活するのは全然悪くない。
ただ、俺たちの関係がこのまま平行線になってしまうのが怖い。
いつか、侑士がただの「同居人」になってしまうことが怖い。
額を、侑士の胸のところにぐりぐり押し付けると、
侑士は笑って俺の髪の毛をくしゃくしゃにした。
「がくと〜、あんまり甘えんといて〜、」
かわいい!と言って侑士は俺をぎゅっと抱きしめてくれる。
自分でもばかだなあ、って思うんだけど、
侑士がこうして俺にメロメロだ!って確認すると、少しは安心できるんだ。
(俺って…性格悪い……)
そうして、安心したあとに、ちょっとだけ反省する。
侑士が風呂に入ってからテレビでドラマを見始めたので、
俺は携帯電話を取り出して、
以前侑士とデートをして撮った写真を画像ファイルの中から呼び出した。
太陽の塔や、白鳥のボート。芝生の上に座ってお弁当を広げた。
今は忙しくて外でデートなんてできないけど、この時は本当に楽しかった。
「せや、岳人」
今までテレビを見ていた侑士が、ふいに思い出したように後ろを振り返る。
「なに、」
「ちょ〜、これ見て!京セラドームの阪神戦チケット取ってもろてん!
8月やけどな。一緒に行こう!空けといて〜」
侑士が見せてくれたのは、野球のチケットだった。
俺は巨人が好きだって言っているのに、絶対に阪神VS巨人戦のチケットは取ってくれない。京セラドームの試合だって広島戦の試合だった。
でも、チケットを見せてくれた侑士の顔は本当にとても嬉しそうで、
仕方ないのでその笑顔に免じて許してやることにした。
「嬉しい?岳人」
「うん、うれしい!」
2006-06-19
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忍足が見ているのは火曜10時の「無理な恋愛」です。
まちゃあきを見て「うわ〜、おっさんがんばれ!」って応援しているのを
岳人は後ろから「…おっさんだな…侑士は」と思っているとおもいます。
実際口に出しているかもしれない…!(笑)
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