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【IOMニュース】ペルー人身取引ホットライン、レバノン女性移民労働者

発行日時: 2006/9/1

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□■ IOM国際移住機関メールマガジン "Migration"  ■□
 2006年9月1日号   国際移住機関(IOM)駐日事務所
 --- IOM International Organization for Migration ---
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= 多様化する世界の人の流れに向き合う国際社会の求めに応えて =
 IOMは国際的な人の移動(移住)の問題に取り組む国際機関です


◆━━ CONTENTS ━━◆
 【1】プレス・ブリーフィング・ノート日本語版
     ペルー IOM人身取引対策ホットライン利用者 月1000件
 【2】レバノンの戦火を逃れた女性移民労働者 虐待の経験を語る
    −移住と開発に関するハイレベル討議に向けて 番外編−
 【IOM駐日事務所からのお知らせ】
    IOM人身取引対策ポスター展他
 

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
    【1】プレス・ブリーフィング・ノート日本語版
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↓写真入りの記事はこちら↓
http://www.iomjapan.org/news/press_060.cfm

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◆ペルー IOM人身取引対策ホットライン利用者 月1000件◆
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ワラルで人身取引による性的搾取被害を受けた娘を持つ母親、リマで強制労働させられた若い男性、ピウラで助けを求める隣人の叫び声を聞いた女性。全てが人身取引被害者を保護するために設置されたIOMホットライン(0800-2-3232)を利用した。

ホットラインは、月平均1000人の被害者、被害者予備軍、一般市民からの助けや人身取引の情報を求める電話に応対している。

人身取引によって強制労働をさせられていた若い男性は、IOMホットラインの番号を見て、自由になるために電話をかけたと語った。「ホットラインのおかげで私を部屋に閉じこめていた女は私を解放し、さらに今までの賃金も支払ったのです。」イキトス出身のその男性は「雇用主」が解放してくれないのではないかと恐れ、ホットラインに電話をかけるのをためらっていた。

「夢が叶いました。娘がやっと家に帰ってきたのです。」と売春宿に捕らえられていた若い娘を持つ母親は語った。

3月のホットラインの開設以来、寄せられた情報により人身取引ブローカー30人が告訴された。

ピウラの街では、助けを求める叫び声を聞いた近隣住民がホットラインに電話をした。「電話をかけて、ほんの20分で警察が到着しました。そして性的サービスを強いられていた少女たちが救出されました。」

ピラー・ノーザIOMアンデス地域代表は、「ホットラインに寄せられる電話の状況で、ペルー国内で人身取引の問題が深刻化しているのがわかります。無事に解決されるのはまれなケースで、未だに被害に遭っている多くの人たちがいるのです。」と語った。

24時間体制のホットラインは無料で、提供者の希望により情報は匿名で扱う。

「アメリカ国務省人身取引レポート2006年版」によると、ペルーは人身取引の送り出し国であり、経由国、目的国だとされている。ペルーでの人身取引は国際的な取引の一部であるが、IOMが2005年に行った調査によれば、人身取引のうち8割のケースは国内で行われていた。ペルー国内で数千人の男女が、性的搾取や、家庭内労働、材木の生産地や鉱山地帯での強制労働などの人身取引の被害に遭っていると見られる。

IOMホットラインは内務省人権局との協力で運営されている。また、ペルーにおけるIOMの人身取引対策プログラムは、アメリカ国務省人口・難民・移住局の支援で実施している。



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【2】レバノンの戦火を逃れた女性移民労働者 虐待の経験を語る
   −移住と開発に関するハイレベル討議に向けて 番外編−
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今年9月14-15日に国連総会の特別セッションとして「移住と開発に関するハイレベル討議」が開催されます。移住に対する国際的な関心の高まりを受けたものです。近年課題となっている移住に関するトピックを当メールマガジンでシリーズで取り上げましたが、今回はその番外編です。

IOMはレバノンにおける治安の悪化を受けて、避難を希望する移民労働者に対し、隣国シリアへの陸路による移送とシリアから母国への帰国の支援を行いました。7月20日から8日25日までに、13,077人の移民が母国へ帰還するのを支援しました。ほとんどがドメスティック・ヘルパーと呼ばれる、住み込みで家庭内労働に従事していた女性でした。

レバノンでの危機は図らずも、スリランカ、フィリピン、エチオピア、バングラデシュなどの出身の女性が多く中東に出稼ぎに来ている実態と、彼女らが置かれる境遇を明らかにしました。以下、シリアからの報告です。
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↓写真入りの記事はこちら↓
 http://iomjapan.org/act/act_012.cfm

◆━━レバノンの戦火を逃れた女性移民労働者 虐待の経験を語る━━◆

                IOM職員 Ranjitha Balasubramanyam

彼女たちは一見観光客に見えるかもしれません。マットレスや二段ベッドに気持ち良さそうに身を横たえ、にぎやかにおしゃべりをしています。バルコニーから日の光が差し込み、一段と心地よい雰囲気を醸し出しています。ここは、シリアの首都ダマスカスから25km程離れた丘の上に建つ、Mar Touma修道院です。

「こんにちは、みなさん。」私は開け放たれたフランス窓から声をかけました。「お邪魔してもよろしいですか。」

「こんにちは、どうぞ入って。」フィリピン人女性たちは私を温かく迎えてくれました。私が手すりを越えて部屋に入ると、彼女たちはベッドの上に起き上がって衣服のしわを伸ばしながらおじぎをしました。

「ここは素敵な場所ですね。みなさん気持ちよく過ごされているようですね。」と私は言いました。

「戦争から逃げてきたけれど、みんな楽しく過ごしています。」と一人が答え、女性たちに笑いがどっと起きました。

私は部屋の中央の床に座っているグループのそばに歩み寄りました。彼女たちは昼食の真っ最中でしたが、私に熱心に話しかけました。

「無事でいられてよかった。」エリザベス(39歳)が言いました。「もっと大事なのは、雇用主から逃げられたことです。」と付け加えました。ベス(彼女は家族や今一緒にいる新しい友人たちからそう呼ばれています)は、部屋の他の女性たちと同じ気持ちでした。

「そうよ。」女性たちは叫び、拍手が沸き起こりました。

IOMは7月20日以来、ベスとその友人たちのような、移民労働者13,000人のレバノンからの避難を支援しました。欧州委員会とアメリカ政府の支援により、IOMはシリア各地での宿泊を用意し、母国へ帰るまでの間、避難者に食事や医療サービスを提供しました。

IOMは修道院と協力して、他の移民労働者とともにこのフィリピン人女性のグループを受け入れました。この女性たちは他のグループより少しばかり長くシリアで過ごしています。彼女たちが目にした爆撃によるトラウマから回復し、リラックスするための時間が必要なのです。

移民労働者の多くは、レバノンの雇用主は親切で、避難できるように出身国の大使館まで連れて行ってくれたと言います。実際、アメリカに住むレバノン人が数週間前に私にメールを送ってきて、レバノンにいる家族がスリランカ人のメードを故郷に帰したいのだが、どのようにIOMにコンタクトをとったらいいか問い合わせをしてきました。しかし、程度の差こそあれ、雇用主の横暴さやこれまで受けた虐待について訴える移民労働者もまた多くいます。

ベスの場合、雇用主とは良好な関係を保っていました。しかし空爆の開始を境に暮らしぶりが一変しました。ベスは怖くてフィリピンに帰国したかったのですが、雇用主が許しませんでした。爆撃が激しくなる間、恐怖のあまり働けないと言って、雇用主に帰国を願い続けました。

「私はレバノン人ではないし、ここは自分の故郷ではない。帰らせてほしいと言いました。」

そしてベスは、その家の「女主人」が彼女の腕をつかんで壁に押し付けた様子を再現してくれました。「この傷を見て。」

彼女の友人がシャツの袖をまくり、皮膚が変色した彼女の上腕があらわになりました。ベスは数日間部屋に閉じ込められ、家の鍵は取り上げられたと言います。途中で帰国するのは契約違反になるので、もし帰国したいのなら1,200ドル払うように言われたのです。彼女はこの非情な雇用主を出し抜こうと決心しました。

「私は不満を言うのをやめ、家周りの雑用を始めたのです。主人は私が帰国をあきらめたと思って、鍵を返しました。私は前のように戻ったと見せかけて、こっそり荷造りを始めました。それからどうしたと思います?」彼女はにこにこして私に聞きました。

「ある日、私はいつものようにゴミを出しに外に行きました。誰も私の荷物がゴミ袋に入っているとは気付かなかった。疑われずに家を出ることができました。」

移民労働者の全てが幸運に恵まれる訳ではありません。雇用主からの帰国の許可を得られなかった女性たちのうち、逃亡を決意した女性は多くいました。彼女たちは落ちたら怪我をするとわかっていながら、窓から飛び降りたり、壁をよじ登ったりして逃げてきました。

「私は2階の窓から逃げて来たんです。勇気あるでしょう?」一人の女性が言いました。仲間から歓声が上がり、彼女は笑いました。

他の女性は、追加の給料を支払われず雇用主の母親や友人の家でも働かされたと言います。
「レバノンで過ごした11ヶ月で10キロやせました。充分な食事をもらえず、冷蔵庫には鍵がかかっていて食べ物に触ることもできませんでした。」

30歳のジョブリンは少しはにかみやのように見えました。「私はいつも祈っているんです。」と言って、私を修道院内の礼拝堂に案内し、そこでこらえきれずに泣き出しました。彼女は最近、フィリピンに暮らす夫ががんで死の床にあるのを知りました。雇用主はこのことを隠そうとしていたのです。ジョブリンは夫を看病するために帰国を願い出ましたが、雇用主は許しませんでした。

「私は11ヶ月働きましたが、給料は一度ももらっていません。家族はお金が必要で、一生懸命働いたのに、お金は全くないんです。」

私たちが礼拝堂から戻ると、みんながテラスに集まっていて、一人が歌をうたってみんなを楽しませていました。それから、全員でフィリピンの歌をうたい始めました。彼女は修道院に泊り込んで付き添っているIOM職員に、音楽をかけるように頼みました。

「踊りましょう。」と彼女が呼びかけました。即興のパーティの始まりです。

それは楽しい光景でしたが、彼女たちが味わった苦痛や苦悩とは裏腹です。何人かは爆撃が始まる前から苦しんでいました。爆撃は皮肉にも、多くの移民労働者に母国での生活が厳しいとしても、不親切な雇用主や横暴な雇用主から逃れる格好の機会を提供したのです。

他の女性たちが歌って踊っている間も、ジョブリンは物思いに沈んでいました。彼女の心は病気の夫のことや将来への不安でいっぱいだったのです。


【注】紹介した虐待に関する訴えは実証されていません。レバノンから避難してきた移民労働者の個人的な証言に基づくものです。


◆――――◇◆――――◇◆――――◇◆――――◇
↓「移住と開発」コラムバックナンバーはこちら↓
 http://iomjapan.org/act/act_005.cfm

↓「移住と開発」コラムの内容をコンパクトにまとめた
 パンフレット(PDF版)もご覧ください↓
 http://iomjapan.org/archives/Migration&Development.pdf

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◇◆―IOM駐日事務所からのお知らせ―◇◆――――◇◆――――◇◆
【IOM人身取引対策ポスター展】
 主催:財団法人 人権教育啓発推進センター
 場所:人権ライブラリー 展示スペース
    東京都港区芝大門2-10-12秀和第3芝パークビル4F
    (財団法人 人権教育啓発推進センター内)
    http://www.jinken.or.jp/library/
 期間:2006年8月21日(月)〜9月22日(金)9:30〜17:30
   (土・日曜日、祝祭日は休館)
 お問い合わせ:03-5777-1919

【人身取引対策アニメ「夢のゆくえ」ビデオクリップ掲載】
「夢のゆくえ」は主に東南アジア地域で、若者の人身取引への意識を高める活動や、被害者の社会復帰支援、入国管理局などの政府関係者やNGO職員向けのトレーニングで使用されているアニメーションです。 
駐日事務所が作成した日本語吹替版について、NGOや自治体、学校関係者などから、研修や授業の教材として使用するために多数お問い合わせをいただいています。ウェブサイトで是非一度ハイライトシーンをご覧ください。
↓ハイライトシーンやDVDの入手方法など詳細はこちら↓
http://www.iomjapan.org/act/trafficking_006.cfm

【外務省・IOM共催シンポジウム -報告】
3月9日(木)開催
「外国人問題にどう対処すべきか− 外国人の日本社会への統合に向けての模索 −」
↓当日のプログラムと配付資料(PDF)はこちらからご覧ください↓
http://www.iomjapan.org/news/symposium2006.cfm

◇◆――――◇◆――――◇◆――――◇◆――――◇◆――――◇◆  


発行:
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国際移住機関(IOM)駐日事務所  駐日代表 中山暁雄
          お問い合わせ  広報 後藤裕子
〒105-0001
東京都港区虎ノ門1-1-12虎ノ門ビル8階
Tel: +81(0)3 3595 2487 Fax: +81(0)3 3595 2497
E-mail: iomjpmagazine@iom.int
Website: http://www.iomjapan.org/(日本語)
         http://www.iom.int/(本部英文)
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ペンネーム : iomjpmagazine

  • IOMは世界的な人の移動(移住)の問題に取り組む国際機関です。人道復興支援、人身取引対策、移送支援、保健衛 生など、移民個人への直接支援から関係国への技術支援、移住問題に関する地域協力の促進にいたるまで、移住問題に対応する幅広い活動を世界各地で実施しています。

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