【IOMニュース】レバノン -国内避難民の帰還、移民の保護とジェンダー
発行日時: 2006/8/18━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□■ IOM国際移住機関メールマガジン "Migration" ■□
2006年8月18日号 国際移住機関(IOM)駐日事務所
--- IOM International Organization for Migration ---
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= 多様化する世界の人の流れに向き合う国際社会の求めに応えて =
IOMは国際的な人の移動(移住)の問題に取り組む国際機関です
◆━━ CONTENTS ━━◆
【1】プレス・ブリーフィング・ノート日本語版
レバノン 国内避難民の南部への帰還支援を開始
イエメン 子どもの人身取引対策を強化
【2】移民の保護とジェンダー
−移住と開発に関するハイレベル討議に向けて Vol.6−
【IOM駐日事務所からのお知らせ】
IOM人身取引対策ポスター展他
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【1】プレス・ブリーフィング・ノート日本語版
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↓写真入りの記事はこちら↓
http://www.iomjapan.org/news/press_058.cfm
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◆レバノン 国内避難民の南部への帰還支援を開始◆
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IOMは今週、レバノン南部への国内避難民の帰還支援を開始した。
IOMは地元のNGO、Islamic Medical Societyと協力し、国内避難民約800人を乗せた20台のバスと3台のトラックで、ベイルートからティーレと周辺地域への帰還支援を開始。IOM他がその先の交通手段を用意するまで、帰還民はティーレ地方政府が運営する一時滞在センターに留まる。
「出来る限り同じ村の出身者を同じバスに乗せています。そうすれば最終目的地まで行くのが容易だからです。しかし、ティーレで待たなければならない人々は必ず出てきます。」とIOMジョージズ・ブライディIOM政府連絡担当官は語る。
被害を受けたティーレ – ベイルート間の沿岸道路が混雑する中、レバノン南部の移民労働者が空のバスでベイルートへ帰還できるように、IOMはティーレ地方政府と調整を行っている。
一方で14日の停戦を受け、どの位の移民労働者が避難を依然希望するかはっきりしないため、IOMは近く国外避難の支援を休止する予定。
「今後しばらくは少なくとも1,000人以上の移民が避難を希望すると予想していますが、ほとんどの人々は様子見の状態です。条件が良い仕事に就いている移民は、停戦が続くのであれば残りたいのです。」と在ベイルートのジャン・フィリップ=ショージー広報官は述べる。
IOMは16日までに、移民11,457人のシリアへの避難を支援。そのうち11,256人の本国帰還を支援した。9割は女性で家庭内労働に従事しており、出身国はそれぞれ、スリランカ4割、フィリピン3割、エチオピア2割、バングラディッシュ1割弱。その他、イラク、ベトナム、スーダン、ガーナ、ネパールの出身者を支援した。
「これらの国々はレバノンで働く多くの国民を抱えていますが、大規模な避難を実施することは困難です。」とビンセント・ハウヴァーIOMベイルート事務所代表は語った。IOMの支援で避難する移民のほとんどが爆撃に恐怖を覚えているが、紛争が終わればレバノンに戻るか、中東の他の地域で給料が良い別の仕事を探したいと考えているという。
「一部の女性は不当に扱われていますが、他の人々は給料も良く、雇用者の待遇も良い。特に長年レバノンで働いてきた人は帰る当てもなく、避難に消極的です。」とショージー広報官は語る。
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◆イエメン 子どもの人身取引対策を強化◆
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IOMは今週、人身取引対策の専門家2人をイエメンに派遣し、政府の人身取引対策や、子どもの被害者の帰還、社会復帰支援の強化を支援する。
ハッジャ、アルマハウィット、ホデイダの各州で調査を行い、子どもの人身取引被害者の出身コミュニティでの適切な帰還・社会統合支援の方法を探る。また、新設された「子どもの人身取引に対処する省庁間委員会」の運営や、子どもの人身取引に対する政府行動計画の策定を支援する。
国連児童基金(UNICEF)の資金援助とイエメン社会問題・労働省との協力で1年間の活動として実施する、IOMの同国における人身取引対策の一環。子どもの受け入れ施設の改善、政府職員への研修、保護施設のガイドライン策定、州・国レベルでの啓発活動なども行う。
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【2】移民の保護とジェンダー
−移住と開発に関するハイレベル討議に向けて Vol.6−
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今年9月14-15日に国連総会の特別セッションとして「移住と開発に関するハイレベル討議」が開催されます。移住に対する国際的な関心の高まりを受けたものです。近年課題となっている移住に関するトピックをシリーズで取り上げます。
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↓写真入りの記事はこちら↓
http://iomjapan.org/act/act_011.cfm
移民は、言葉や習慣の違う社会で困難を乗り越えながら生きていかなければなりません。特に女性の場合、「外国人で、しかも女性」という二重に弱い立場に置かれているため、差別や搾取に遭いやすく特別な保護を必要としています。
"Feminization of migration"というのは、1990年代以降顕著になってきた女性移民の増加を示す表現としてしばしば移住問題に関する英語の文献に用いられています。もう少し正確に言えば、これは男性移民の扶養家族としてではなく、独立した移民労働者として移住する女性の増加のことを指しています。
図らずもレバノン危機の進行に伴い、フィリピンやスリランカといった国々から中東に出稼ぎに来ている女性移民の境遇が新聞やテレビでも取り上げられていますが、そのほとんどがドメスティック・ヘルパーと呼ばれる住み込みの家庭内労働者で占められています。日本にも一昨年まで年間8万人ものフィリピン人女性が興行資格で入国してパブやクラブで働き、しかもその中に多数の人身取引被害者が含まれている実態が国内外で批判を受けました(注) 。家庭内労働や興行のような職業は、公的な監視の目が行き届きにくく、基本的人権の保障に困難が付きまといます
「人身取引」と呼ばれる人権侵害を受ける人たちの問題は特に深刻です。性的な搾取を受けることが多い女性の場合、人身取引によって身の自由を奪われるだけでなく、暴力や感染症などのせいで生命の危険にさらされることが少なくありません。2000年に「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人、特に女性及び児童の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書」(人身取引議定書)が採択されたのを受けて、加害者の処罰と被害者の保護を強化するための法制度の見直しや行動計画作りが各国で進んでいます。IOMは人身取引被害者の出身国と受け入れ国の双方で、被害者の保護、防止、加害者の訴追を柱とする包括的な人身取引対策を実施しています。日本でも昨年5月から政府機関やNGOと協力して被害者の自主的帰還と帰国後の社会復帰を支援しています
その一方で女性の移住には、家庭や出身コミュニティーにおける独立した稼ぎ手としての地位の向上という側面もあります。元々本国で十分な収入を得る機会が不足していることが移住の背景となっていることを考慮すれば、人身取引や不正規移住対策と並行して、正規のルートによる女性移民の保護を強化することが現実的な対応と言えます。特に、移住に至るプロセスで、女性の移住希望者が、雇用条件などに関する正確な情報に基づく意思決定を行い、出国前のオリエンテーションで受入国の法律、雇用、社会保障制度、文化、移民の権利と義務、トラブルに遭ったときの対処法などに関する十分な研修を受けてから移住することが極めて重要です。
移住の可能性はあくまで選択肢の一つとして個人に提示されるべきものです。「家族のために止むに止まれず」といった自己犠牲のような形で行われる移住は、本当の意味で自発的な選択とは言えないでしょう。特に女性の場合、社会的性差(ジェンダー)の観点から、社会経済的な自立(エンパワメント)を促す支援を進めることが、意思決定の主体性を保障することにつながります。
国際社会が2015年までに達成することを公約している「ミレニアム開発目標」にうたわれている「貧困削減」や「女性の地位向上」といった課題は、以上のような移民の保護の問題と密接に結び付いています。NGO、政府、国際機関などこの問題に関心を持つ団体や個人がそれぞれの立場から行動を起こしていくことが重要なのです。
(注)日本政府は2005年2月に法務省令の改正を行い、興行の在留資格の上陸許可基準の厳格化を実施した。
<関連のサイト情報>
・今年5月ニューヨークで、国連人口基金(UNFPA)との共催で行った「女性移民に関するワークショップ」
詳細→ http://www.un.int/iom/Fem%20Mgts.html
・今年6月ニューヨークで、国連訓練調査研究所(UNITAR)と国連人口基金(UNFPA)との共催で行った「移住と人権に関するワークショップ」
詳細→ http://www.unitarny.org/en/migrationhr.html
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「移住と開発に関するハイレベル討議に向けて」シリーズの
バックナンバーはこちら→ http://iomjapan.org/act/act_005.cfm
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◇◆―IOM駐日事務所からのお知らせ―◇◆――――◇◆――――◇◆
【IOM人身取引対策ポスター展】
主催:財団法人 人権教育啓発推進センター
場所:人権ライブラリー 展示スペース
東京都港区芝大門2-10-12秀和第3芝パークビル4F
(財団法人 人権教育啓発推進センター内)
http://www.jinken.or.jp/library/
期間:2006年8月21日(月)〜9月22日(金)9:30〜17:30
(土・日曜日、祝祭日は休館)
お問い合わせ:03-5777-1919
【人身取引対策アニメ「夢のゆくえ」ビデオクリップ掲載】
「夢のゆくえ」は主に東南アジア地域で、若者の人身取引への意識を高める活動や、被害者の社会復帰支援、入国管理局などの政府関係者やNGO職員向けのトレーニングで使用されているアニメーションです。
駐日事務所が作成した日本語吹替版について、NGOや自治体、学校関係者などから、研修や授業の教材として使用するために多数お問い合わせをいただいています。ウェブサイトで是非一度ハイライトシーンをご覧ください。
↓ハイライトシーンやDVDの入手方法など詳細はこちら↓
http://www.iomjapan.org/act/trafficking_006.cfm
【IOM本部のウェブサイトがリニューアルされました】
人道復興支援だけでなく、移住に関する幅広いIOMの活動を、テーマ別に見やすく紹介しています。
駐日事務所ウェブサイトと合わせて是非一度ご覧ください。
詳細→ http://www.iom.int
【外務省・IOM共催シンポジウム -報告】
3月9日(木)開催
「外国人問題にどう対処すべきか− 外国人の日本社会への統合に向けての模索 −」
↓当日のプログラムと配付資料(PDF)はこちらからご覧ください↓
http://www.iomjapan.org/news/symposium2006.cfm
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発行:
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国際移住機関(IOM)駐日事務所 駐日代表 中山暁雄
お問い合わせ 広報 後藤裕子
〒105-0001
東京都港区虎ノ門1-1-12虎ノ門ビル8階
Tel: +81(0)3 3595 2487 Fax: +81(0)3 3595 2497
E-mail: iomjpmagazine@iom.int
Website: http://www.iomjapan.org/(日本語)
http://www.iom.int/(本部英文)
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