藤原雄一郎のクルーズワールド:リティ・サミット乗船記
発行日時: 2005/10/28PR----------------
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メールマガジン035号 2005/10/28日発行(月・水・金発行)
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□□ セレブリティ・サミット乗船記 □□
50才を過ぎれば・・・
「女性は思いっきり人生を楽しむのよ!!」
セレブリティ・サミットで出合ったレッド・ハットの女性たち
一日も早くセレブリティの世界に飛び込みたいとの念願がかなって、メキシカ
ンリビエラ6泊7日のサミットに乗船することになった。ロスでの前泊はただ
ひたすら時差解消の睡眠に費やして、いざターミナルへ!
チェックイン:目立つ赤い帽子に紫の洋服
14時集合を知りながら12時にターミナルに到着したが、すでに大勢の人が
チェックインに並んでいる。当然私たちも列の中へと入ってゆく。「乗船前の
楽しみは、気持ちの良い仲間を見つけること」と心得ている私たちは、早くも
会話の中にうまく入り込んだ。そして話ながらあたりを見渡すと、紫の服に、
赤い帽子をかぶった女性の一団があちこちに目立つ。
「あなた達は何者なの?」と集団のひとつに声をかける。「私たちはレッド・
ハット・ソサエティなのよ」「そんなの聞いたことが無いけれど・・・」「あ
らこれは世界中でやってるのよ。日本にもあるはずよ。インターネットで調べ
て見たら」と70才を越えているとおぼしき女性から「インターネット」の言
葉が帰ってくる。
「何だかわからないけれど、あなた達目立つから、写真撮らせてよ」「いいわ
よ!そのかわり一人につき5ドルだからね。ハッハッハ」とまことに屈託がな
い。そこで早速一枚パチリと撮影させて貰う。
それからほどなく憧れのサミットの船上の人となった。チェックインの時、話
しかけた家族とはその後、船内のあちこちで出合い、ご主人はしきりと難しい
話をするので、私たちは彼のことを「哲学者」と名付けた。
今までアメリカでのクルーズと言えば白人のアメリカ人がほとんどであったけ
れど、今回は黒人もかなり見かけた。中国人にクルーズでは珍しい韓国人など
東洋人をはじめ色々の人種を見かけた。そして子供連れの家族にも数多く出く
わした。何か特別のキャンペーンをしたのだろうか?
憧れのサミット
さて憧れのサミットの感想はといえば、「これはやはりクルーズだ」というこ
とだ。最近のクルーズは時代の流れとはいえ、フリースタイルが定着しつつあ
る。それはそれで気楽で楽しいものではあるが、「少し構えて、自分自身を緊
張させて」クルーズに参加することから言うと、少々物足りない。
その点、サミットでは、夕食は伝統的な固定席の二回制であるし、フォーマル
ナイトにはタキシード着用率こそ低いが、男性であれば黒のスーツが大部分で
あり、正装の雰囲気が漂う。そして小さな子供たちまで、大人同様に正装を決
めこんでいるではないか。子供たちに「大人の社会に出入りするには、このよ
うにするのだよ」と教育をしているようなものだ。とても必要なことだと思う。
日本でも結婚式には子供といえども正装するではないか。このような場がもっ
と日常的にあれば、マナーや社会人としての振るまいの良き訓練になると思う。
その意味で子供連れの多い今回のサミットは大変気に入った。
乗船の時に出合った哲学者はスコットランドのキルト(スカートみたいなの)
に身を固め、キリリとしたいでたちである。そして私たちにどうして着物を着
ないと迫ってくる。家紋をつけた紋付きを着ろという。「伝統を守ることは大
切なことだ。君は日本での教育現場での荒廃を嘆いていたではないか。家紋を
付けた着物を正式の場で身につけることこそ、民族に対する教育ではないのか
?」そばで奥さんがやきもきして「あなたいい加減にしたら?」ヤレヤレ疲れ
る。
サミットは大型船であるにもかかわらず、「これでもか!」といったエンター
テイメントが少ない変わりに、クルーズの呼び物であるプロダクション・ショ
ウのレベルはすこぶる高い。「大人が、気の置けない人を見つけて楽しい会話
をかわす」そのようなクルーズ本来の楽しみを思い起こさせてくれる船だとの
印象を持った。
人生50を過ぎたら楽しまなくっちゃ!
さてレッド・ハットにもどろう。この運動の趣旨は「50才を越えた女性が子
育てもほぼ終了し、これからは人生を思う存分に楽しもう」とのことで志を同
じくする人々が相集う会のようである。今回は本部の呼びかけに応じて、アメ
リカ人約150名が参加した。この運動の趣旨にセレブリティ・サミットはま
さにピッタシと私は思う。
「赤い帽子に紫の服」はとても目立つ。ついつい「レッド・ハット」が縁で話
がはずみ、とても親しい雰囲気が出来上がる。私も数多くのレッド・ハットに
声をかけ、写真を撮り、「インターネットで日本人に皆さんの楽しみ方を大い
に宣伝するからね」と約束した。声をかけた人すべてに共通するのは、とても
気さくで顔が輝いていることだ。
「ご主人はどうしたの?」と聞くと「家においてきたわ」と答える。そして「
どうしてそんなことを聞くの?」と言った顔つきで、「今朝はねパジャマ・パ
ーティでね。パジャマ姿で大騒ぎしたわ。とっても楽しかった。」と話はドン
ドン自分たちがどんなに楽しんでいるかに移ってゆく」「3時には私たちのテ
ィーパーティがあるけれど、男性は出入り禁止よ」とのたまう。本当に楽しん
でいるなとチョッピリ羨ましい。
フォーマルデイが来た。今日はレッドハットに紫の服にお別れだろうと期待し
ていると、どっこい期待は見事に裏切られて、正装用の紫のドレスに艶やかな
レッド・ハットが乱舞する。なんとも目立つことだ。家内のミエコがソッと聞
くと、平均して十種類の帽子を持ち、今回は四種類の赤い帽子を持参したとの
こと。これは筋金入りだ。
エンセナダに上陸した。街をそぞろ歩くと、顔見知りになったレッド・ハット
とそこここで出合う。テラス・カフェでレッド・ハットの写真を一枚撮る。「
あなた、名前忘れたけれど、これ食べて見ない。美味しいけれど少し辛いわよ」
ありがたくほんの少し頂いて「レッド・ハットの日本でのPRにこの写真を役
に立てるからね」と早々に退散する。
ショウの呼び物であるプロダクション・ショウを見る。素晴らしい演技に時間
を忘れる。あっという間にフィナーレ。観衆は総立ちで拍手を送っている。ふ
と見ると数多くのレッド・ハットが先頭に立って拍手をしているではないか。
確かに彼女たちは全てを忘れてクルーズの楽しみに没頭している。レッド・ハ
ットの面目躍如である。カジノでも赤い帽子が目立つレッド・ハットを何人も
見た。
「一生懸命家事に、子育てに汗をかき、その山を越したら50才を超す年齢に
到達していた。これからは自分の楽しみを追求するのだ」との趣旨と実際に楽
しんでいる姿を見ると、妙に感動する。彼女たちもつかの間の旅を終えると、
また良き母、良き妻に戻るのであろう。気分転換に格好の場をセレブリティの
サミットは提供したようだ。
やっぱりね!
エレベータでの会話。「ご主人のこと気にならない?」「全然!!」赤い帽子
がエレベータを出て行くと、アメリカ人がウインクをして「彼女は家に帰った
ら第二のハネムーンさ!」なるほど、なるほど。
別の場所で「ミエコ、実はホームシックにかかって昨日電話したの。5人の子
供がいて、ネブラスカは天気が悪く、調子が悪いらしいの。早く家に帰りたい
わ」見るところ、まだ小さな子供がいるようだ。やはり子育てを卒業しないと、
立派なレッド・ハットになれないようだ。
6泊7日は夢のようにあわただしく過ぎ去った。「女性は人生50才を過ぎた
ら、思う存分楽しまなくっちゃ」という声がいつまでも耳の奥底に止まって離
れない。クルーズを眺める視点がひとつ増えたような気がする。
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