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花岡信昭メールマガジン652号

発行日: 2008/11/12


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★★花岡信昭メールマガジン★★652号[2008・11・12]

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<<宝珠山氏の見解>>

 防衛省で官房長、防衛施設庁長官などを歴任した宝珠山昇(ほうしゅやま・のぼる)氏から、以下の所信が届いた。宝珠山氏の了解を得て、掲載したい。
 防衛省、自衛隊の幹部としての基本的姿勢のあり方を説いたものだ。「田母神問題」をめぐる筆者の立場とは異なるが、その真摯なお考えは傾聴に値する。今回の問題はさまざまな角度から議論されるべきだと考える。


 『田母神氏の論文応募問題』に関する、審査委員をされていた立場も踏まえての所論、投稿の公平な掲載に、敬意を表し、感謝しております。改めて、小生の理解をまとめてみましたので、投稿させていただきます。

 「法令順守」は自衛隊の生命

【要旨】法令順守即ち規律の順守と命令に対する服従は自衛隊の生命である。田母神氏は自衛隊の最高指導者群に列しながらこれに違う行為をした。これを慫慂するが如き論議は国益を著しく損なう。

 自衛隊は、高度な部隊行動能力を身につけて初めて任務を遂行できる組織体である。隊員は規律厳守の義務〔法令(憲法、法律、政令、各種規則、極秘のマニュアルなどを含む)を順守し、命令に服従する〕を負わされている。旧日本軍は、重い刑罰を科すことができる軍事特別裁判所を運用し、厳しい教育訓練、厚い処遇などによって、高い規律を確保していた。

 日本国憲法は、特別裁判所の設置を認めていない(第76条第2項)。このため、防衛省・自衛隊は、隊員(文官を含む)に任命するとき、「宣誓書」(後記参照)に署名する契約を結ぶことによって規律を保持することにしている。規律違反に対する罰則は、他の公務員等より重いものとなっているが、旧軍刑法や諸外国の例には及ばない。処遇は一般公務員に準じている。

 緊急事態において、一致団結、規律を厳守し、任務を遂行できるように指揮・指導・訓練するのが、各段階における部隊の指揮官・部隊長、これを補佐する幕僚の責務である。

  田母神氏は、これを率先垂範すべき最高指導者群に列しながら、自衛官に任官するとき署名した「宣誓」、即ち、国との契約に反した行動を取るという大きな誤りを犯したのである。

 その一つは、自衛隊員が職務に関連する意見などを公表するときには文書をもって承認を得ることとされている内部規律を、周辺の諫言をも無視して、守らなかったことである。これは、それがいかに軽度なものであれ、最高指導者としては「脇が甘かった」、「手続きミス」等では済ませられない、重大な失態、自覚不足といわざるを得ない。仮にこれが下部組織に蔓延すれば、自衛隊は任務を達成できなくなるのみならず、旧帝国軍と同じ道に進む危険性をも孕むものである。

 二つ目の反則は、反政府言動とも解される恐れのある主張を公表したことである。これは悪意に解すれば反体制行動を扇動するものともなるもの。その影響は、意図するにしろしないにしろ、階級社会であればあるほど、発言者の地位が上がれば上がるほど、閉鎖社会であればあるほど、大きくなるものである。彼は国の武力集団の指導者としての自覚・自制を欠いていたことになる。

 言うまでもなく、「自虐史観」、「東京裁判史観」、「村山談話」等への批判を展開し、日本の独立度の向上を図ることは自由であり、小生も歓迎している者の一人である。しかし、これが武力集団の構成員である自衛官を宣誓や規律違反も恐れない行動に誘導・扇動することとなれば、著しく国益を害する。論者がこの点に関しても配慮されることを希望・期待する。
 
 自衛隊員の宣誓「私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、技能をみがき、政治活動に関与せず、強い責任感をもって専心職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓います。」(根拠法令:自衛隊法第52条及び53条及び自衛隊法施行規則第39条)
                (2008.11.11:宝珠山 昇 記)  



<<国会招致、民主党は得点を稼いだのか>>

田母神俊雄・前空幕長の参院招致は、結果として、田母神氏の一貫した姿勢が浮き彫りにされたことで終わった。民主党はあれほどいきまいた割には、いったい何を引き出したのか、どうも定かではない。
 
 勝負あった、というのもおかしいが、どうも民主党にはマイナスになったような気がする。
 
 文民統制のあり方をとことん追求するのが民主党の役割だったと思うが、生煮えのまま終始した。
 
 幕僚長を国会同意人事にせよ、と主張する民主党だが、その一事をもってしても、「政治と(事実上の)軍」の関係をめぐる見解のおかしさがついてまわる。
 
 自衛隊のトップはそのときの政権、首相が決めるべきことだ。その人事が政争に巻き込まれるようなことになったら、国際社会であなどられるだけだ。
 
 ただでさえ国会同意人事が多すぎると指摘されているのだから、幕僚長も国会同意をと主張する民主党は「悪乗り」しているだけに見える。
 
 そのあたりの不徹底さが参考人質疑にもにじんでしまった。
 
 それにしても、この注目される田母神氏招致を地上波テレビのどこも中継しないというのはどういうことか。
 
 当然、NHKが中継するものと思っていたら、時間になってもやらない。あわてて、パソコンを開き、国会テレビを見ようとしたら、このところしばらく見ていなかったためか、あるいは料金を支払っていなかったのか、パスワードなどを入れても出てこない。
 
 わが家はケーブルテレビだが、あちこち探しまくって、やっと「日テレニュース24」で中継しているのを見つけた。ところがここも途中で定時ニュースに切り替わってしまった。
 
 知人からのメールだと、参院テレビもパンクして見られなかったという。
 
 これだけ多チャンネル時代になったというのに、関心を呼んだ国会中継を十分にやらない。これは日本のテレビの世界がどこかおかしいことを意味する。
 
 テレビ中継が十分に行われないことが事前に分かっていたら、国会記者会館か参院委員会室に出向いたのだが、その時点では、もう間に合わなかった。
 
 ともあれ、参考人聴取のポイントは、以下の産経イザニュースの詳報項目でほぼ分かる。

・(1)「後世の歴史の検証に耐えうる質疑を」委員長冒頭発言
・(2)「村山談話の見解と私の論文は別物」田母神氏
・(3)浜田防衛相「憲法に関し見解を述べることは一概に禁止されてない」
・(4)「自衛官にも言論の自由。どこが悪かったか審理してもらった方が…」
・(5)「意見が言えないと…どこかの国と同じくなっちゃう」
・(6)「日本を語るワインの会に都合3回ほど出席した」
・(7)「日本の国はいい国だったと言ったら解任された」
・(8)「yahooでは58%が私を支持している」
・(9)「国家観なければ国は守れない」
・(10)「カリキュラムの中身は把握してない」浜田防衛相
・(11・完)「日本だけが悪いと言われる筋合いはない」

 野党側の追及のポイントは、田母神氏と元谷アパグループ代表との「癒着」をあぶりだすところにあったようだが、これも不発に終わった。 
 
 浜田防衛相はもっぱら、「早く辞めてもらうために」定年退職の手段を選んだことを強調した。「立場上、不適切」で通している麻生首相といい、政府側の対応はそれはそれで分かる。
 
 田母神氏がそのまま在職していたら、中国や韓国は指弾し続けなくてはならない。早期に退職となったことで、抑制された反応でおさめることが可能になる。
 
 田母神氏の参考人聴取は、政府側の対応の「巧みさ」をも浮き彫りにする結果に終わった。
 
 民主党は田母神氏や政府側を立ち往生させるだけの論理や事実関係の把握ができていないのなら、参考人聴取をと声高に叫ばないほうがよかった。「非力さ」が伝わってきただけである。
 
 

<<「田母神論文」審査の真実>>
【産経連載コラム拙稿「政論探求」11日付】再掲

田母神俊雄・前空幕長に対する参考人聴取が11日、参院外交防衛委員会で行われる。なにやら審査経過への疑念が浮上しているようなので、審査委員としてかかわった立場から、あえて事実関係を明らかにしておく。誤解に基づいて参考人聴取が行われてはたまらないと思うからだ。

 論文募集を企画したアパグループの元谷外志雄代表は中山泰秀衆院議員(当時外務政務官)に審査委員を依頼、中山氏は快諾したが、2回の審査会に秘書を代理として出席させた。この秘書が「自分は田母神論文に0点をつけた」とテレビで述べたという。このため、田母神氏を最優秀賞にするための工作があったのではないかと疑われる要因となった。

 中山氏の立場も考えて内密にしておこうかとも思ったが、秘書の「0点」というのは事実に反する。これによって、渡部昇一審査委員長はじめ審査に当たった側の名誉が汚されるのだとしたら看過できない。

 寄せられた論文235点をアパ側がまず25点に絞り込み、審査委員は執筆者名が伏せられた作品を読んだ。2回目の審査会の前にそれぞれが最優秀賞から佳作までの候補作品を選び、得点をつけてアパ側に送った。これを審査会で集計し、元谷氏を含めた5人全員が点を入れた田母神論文が最高点となった。

 中山氏の秘書は当初、別枠でカウントすべき学生部門の1作品に最高点をつけてしまい、審査が混乱した。そこで仕切り直しをするといった経緯はあったが、この秘書は田母神論文に明らかに点数をつけていた。「0点をつけた」という話が出てきたゆえんは不明だ。

 もし、間違えて1作品多く点数をつけてしまい、自分の点数表の訂正を求めたというのであれば、削除すべき対象はほかにあった。

 以下は論文応募者の名誉にかかわることになるから、黙っていようと思ったのだが、こういう経過になった以上は明らかにする。

 アパのスタッフがパソコンで検索した結果、25点の中に、盗作の疑惑がぬぐえないものがあった。秘書はこの作品に得点をつけており、削除するならこれを優先すべきであった。

 いずれにしろ、この秘書は田母神氏の受賞を最終的に認め、満場一致で決まったのである。

 政治問題化しているから、保身に走る気持ちは分からないではないが、とんでもない誤解を生んでいる以上、秘書のうかつな発言は重い。




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【ご案内・花岡の講演です】

★第23回呉竹会アジアフォーラム


日時 : 平成20年11月18日(火)
        18:30〜19:00  受付
     19:00〜20:30  講演
  講師 : 産経新聞社客員編集委員 花岡 信昭(当会代表幹事)
場所 : 主婦会館プラザエフ 7階 カトレア
       〒102-0085 東京都千代田区六番町15番地(地図ご参照)
       Tel  03−3265−8111
  会費 : 大人 3,000円   学生 1,000円

☆呉竹会(アジアフォーラム)は、 アジアの中の日本を考え、近代日本史を正視し、頭山満翁の精神を顕彰することを目的にして、平成15年8月8日に 頭山興助氏を会長として設立された勉強会です。HPはこれです。
 http://www.kuretakekai.jp/

 呉竹会アジアフォーラム 事務局
 〒102-0093 東京都千代田区平河町1−7−5 ヴィラロイヤル平河904
 TEL 03-3556-3880   Fax  03-3239-4488


【ご案内】
<<拓大に地方政治行政大学院>>
 拓殖大学大学院(東京・茗荷谷)に来年度、地方政治行政研究科が新設されることになりました。小生、専任教授として就任予定です。「地方の時代」を担う人材育成、スキルアップを目的とし、一般学生のほか、社会人(現役の地方議員、自治体公務員、政治家秘書など地方政治行政に関心のある方ならだれでも)を対象とします。講義は平日夜間、ゼミが土曜昼の設定。入試は、あと3回行われます。詳細はこちらを。
http://www.takushoku-u.ac.jp/graduate/local_govt/index.html
☆大学卒でなくても、大学院を受けられる資格付与システム(書類審査)があります。
☆お問い合わせは大学院事務課(電話03−3947−7854)へ。もしくはこのメルマガに返信していただければ、小生のもとに届きます。


【お知らせ】
<<産経新聞コラム>>
 花岡のコラム『政論探求』は原則火曜付ですが、紙面の都合でときどき水曜付となります。
<<SAFETY JAPAN>>(日経BP社サイト)
<http://www.nikkeibp.co.jp/sj/>
花岡のコラム『我々の国家はどこに向かっているのか』連載中。毎週木曜更新。
<<Janet>>
 時事通信サイトJanetの花岡コラム『官邸ウオッチ・風測計』。月末に更新。
<http://janet.jw.jiji.com/apps/do/auth/login.html>

<<そのほか花岡の拙稿など>>
★正論(産経新聞社)12月号 「日本を貶め続けた河野洋平の遅すぎた引退」
★Voice(PHP)11月号 「決戦!総選挙」
★MAMOR(扶桑社)12月号 「だから、日本は補給支援活動をやめるわけにはいかない!」
★正論9月号 「たばこのみを狙い撃つ“空気”への大いなる違和感」
★JAPAN TAIWAN(日華文化協会)160号 「『たばこ千円』の怪」
★リベラルタイム11月号 「ばらまきの民主党は第2の自民党」
★政経往来11月号 「『麻生vs小沢』歴史的決戦へ」
★時事評論(北潮社・656号) 「政界再編含みのかつてない動き」「中山発言、どこが悪い」
★激論ムック「民主党政権が誕生したらこうなる」(オークラ出版)
★コメントライナー(時事通信)10月24日号 「解散は先送りか」
★季刊・現代警察(啓正社)122号 「セレクト情報・国内政治・『麻生vs小沢』の歴史的決戦へ」
★人形町サロン 「日本外交のパワーダウンを憂う」
http://www.japancm.com/sekitei/hanaoka/hanaoka27.html
★日本国際フォーラム東アジア共同体評議会 政策掲示板・百家争鳴
http://www.ceac.jp/cgi/m-bbs/index.php?title=&form[no]=840

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