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花岡信昭メールマガジン631号

発行日: 2008/10/12


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★★花岡信昭メールマガジン★★631号[2008・10・12]

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<<日本外交の敗北だ>>

 アメリカがついに北朝鮮のテロ支援国指定を解除した。8月11日の発効期限からちょうど2カ月遅らせたが、これがアメリカの「アリバイづくり」ということだろう。指定解除はブッシュ政権の置き土産として、すでに決まっていたとみるべきだ。
 
 日本にとっては、外交の敗北以外のなにものでもない。アメリカは「拉致」への配慮を口にしてはいたが、やはり、「核・ミサイル」のほうが重要だった。
 
 これは別にいぶかしいことではない。およそ、あらゆる国家は「国益」を踏まえて行動する。アメリカにとっては、イラクやアフガン、イランなど中東対応が優先されるのであって、いま、朝鮮半島にかかわっているゆとりはない。
 
 北朝鮮の金正日総書記は核施設の再稼動や核実験再開などのそぶりを見せて、アメリカを揺さぶった。もともと日本など眼中になく、アメリカだけを相手にするというのが金正日戦略だ。
 
 世界最強のアメリカを相手にここまでの譲歩を引き出したのだから、北朝鮮外交の勝利ということになる。金正日総書記の病気の程度がどのくらいのものか分からないが、もし酒を飲める状態にあるのなら、さぞかし美酒に酔いしれているのであろう。
 
 北朝鮮の「暴発」をふせぐという点では、東アジアの緊張要因がちょっと低下したということになるのかどうか。日本外務省がどういう総括をするのか、注視したい。
 
 であるにしても、日本には「拉致」という揺るがせに出来ぬ問題がある。日本人を大量に拉致し、いまだに全容が解明されていない国家犯罪である。北朝鮮は「再調査」を約束しながら、なんらの誠意も見せていない。
 
 日本は日本の「国益」を踏まえて行動すればいい。まず、アメリカに厳重抗議すること。同盟国でありながら、事前にテロ支援国指定解除をめぐり十分な意思疎通をはかったこなかったことを、思い切りなじる必要がある。ここで黙っていたら、独立国家の名が泣く。
 
 そのうえで、日米同盟の再確認をはかることが求められる。そして、対北経済制裁を一段と強化することだ。これによってテロ支援国指定解除のもたらす北側の「利益」を、日本が減少させる努力をはかる。そこに日本の役割を見出すべきだ。
 
 その前提としては、インド洋の給油支援をストップさせるような同盟の信頼関係を損なわせる態度には金輪際出ないという強固な意思表明が必要だ。沖縄基地問題も同様で、普天間移設問題を早急に解決しなくてはならない。
 
 やるべきことをやらないで、アメリカの対応を批判するだけでは説得力に欠ける。
 
 日米同盟は戦後日本外交の基軸である。政策選択として、この道を選んだのであって、その基本戦略は貫かれるべきだ。これに代わる道はない。
 
 であるからこそ、アメリカには率直にものを言える環境を常につくっておく必要がある。
 
 米下院の「慰安婦非難決議」を許してしまったことといい、国連常任理事国入りを果たせなかったことといい、日本外交の脆弱さはいかんともしがたい。
 
 「麻生外交」が試される局面が早くもやってきた。
 
 



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<<読者から>>

★ 爽快屋伝右衛門です。
花岡さんのメルマガからは、新聞報道でブラインドになっている部分や、逆張り的に違う視点から話していただいたりと、一般ピープルが問題を考える重要なエッセンスやヒントをいただけて真にあり難く感じております。
我々国民にとって、極めて直接的で身近なところにあるはずの政治を、これだけ複雑かつ難解にしてくれている責任の一端はまさに「マスコミ」にもあるように思えてなりません。

政治家の危機管理の甘さについては今更いわれることではありませんが、これは一重に政治家が同じ高さで国民と対峙する、という公僕意識のなさの表れでもあろうかと思います。
10/7の東京新聞紙上で、評論家の内田樹氏が今の政治の体たらくを「問題は人間です。特に(政治家や官僚など)公人が劣化している」と指弾し、「マニフェストなんかより、候補者が公人としての責任を強く感じている人なのか、それとも自己利益の追求を最優先する人なのか、そこを見極めないと、どうにもならない」と指摘していたが、残念ながら一般国民はそこを「見極める術」など殆ど持っていないということをどう考えるのだろう。

私はこここそマスメディア(=新聞)が担うべき報道領域ではないかと考えるのです。ネット情報は、かなり手だれたユーザーが深く入り込んだ検索をすれば、そのような情報をどこかのサイトから得られるかもしれない。しかし一般国民全てにそれを求められてもそりゃムリというもの。

そういう判断材料が新聞報道から得られるとなれば、国民はもっと政治を自分の問題としてみることが出来、自分のこととして考え行動することができてくるのではなかろうかと考えます。10/8サンケイの「主婦の選択」にあった、「首相を選ぶ国民投票」などは私も以前から感じていた「首相公選制」の実現と符合する国民ニーズの一つだろうと思います。

[花岡コメント]
 ありがとうございます。ご指摘のように、新聞の役割、責務は一段と重くなっていると思います。それが、おぼつかなくなっているのも事実でしょう。こういう言い方は不遜かもしれませんが、「活字メディアの雄」としての新聞の真価が問われています。

★「失言」をことさら誇張し、「大臣の首を取る」ことに奔走するのでは、メディアの「劣化」という側面から改めて検証する必要があるように思える。

 日本の政治を駄目にしている三大元凶
1) 破壊的言動を弄して、価値観を検証せずにジャンク候補を政界に送り出す素になっているマスコミ群。
2) 見栄えや、時の流行に左右され、マスコミの中身のない報道に翻弄されているオバチャマ族。
3) 日々を享楽的に過ごし、携帯やゲームにうつつを抜かして刺激を求めている若者や学生たち。
 こうした元凶を矯正しないことには政治は正常化できません。(岡目八目さん)

[花岡コメント]
 仰ることはよく分かります。この実情の中で、何ができるか、微力ながらあがいていきたいと思います。



【ご案内】
<<拓大に地方政治行政大学院>>
 拓殖大学大学院に来年度、地方政治行政研究科が新設されることになりました。小生、専任教授として就任予定です。「地方の時代」を担う人材育成を目的とし、一般学生のほか、社会人(現役の地方議員、自治体公務員、政治家秘書など地方政治行政に関心のある方ならだれでも)を対象とします。
 詳細はこちらを。
http://www.takushoku-u.ac.jp/graduate/local_govt/index.html
☆大学を出ていなくても、大学院を受けられる資格を与えるシステムがあります。この申し込みは11月17日―21日。書類審査のみ。
☆お問い合わせは大学院事務課へ。
 〒112-8535東京都文京区小石川3−4−14 電話03−3947−7854(直通)


【お知らせ】
<<産経新聞コラム>>
 花岡のコラム『政論探求』は原則火曜付ですが、紙面の都合でときどき水曜付となります。
<<SAFETY JAPAN>>(日経BP社サイト)
<http://www.nikkeibp.co.jp/sj/>
花岡のコラム『我々の国家はどこに向かっているのか』連載中。毎週木曜更新。
<<Janet>>
 時事通信サイトJanetの花岡コラム『官邸ウオッチ・風測計』。月末に更新。
<http://janet.jw.jiji.com/apps/do/auth/login.html>

<<そのほか花岡の拙稿など>>
★Voice11月号 「決戦!総選挙」
★正論9月号 「たばこのみを狙い撃つ“空気”への大いなる違和感」
★JAPAN TAIWAN(日華文化協会)160号 「『たばこ千円』の怪」
★リベラルタイム11月号 「ばらまきの民主党は第2の自民党」
★政経往来11月号 「『麻生―小沢』歴史的決戦へ」
★時事評論(潮流社・654・5合併号 ) 「福田政治が問われたもの」
★激論ムック「民主党政権が誕生したらこうなる」(オークラ出版)
★コメントライナー(時事通信)9月24日号 「さあ、『麻生・小沢』決戦だ」
★季刊・現代警察(啓正社)121号 「セレクト情報・国内政治・政権維持に腐心する福田首相」
★人形町サロン 「自民党と民主党の『成熟度』の違い」
http://www.japancm.com/sekitei/hanaoka/hanaoka27.html

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