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政治ジャーナリスト・花岡信昭が独自の視点で激動の政治を分析・考察します。ときにあちこち飛びます。




花岡信昭メールマガジン574号

発行日: 2008/5/25


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★★花岡信昭メールマガジン★★574号[2008・5・25]


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<<政権「なぎ状態」は嵐の前の静けさ>>
【SANKEI EXPRESS24日付「福田政権考」】再掲


支持率20%を割り込む世論調査結果が目立ち始めた福田康夫首相(71)だが、低落傾向もそろそろ「底」を迎えるのではないか。これ以上の急激なダウンは回避できそうな雰囲気になってきた。


 通常国会の攻防戦が大きなヤマを越え、民主党が問責決議案の提出を見送ったことで、当面、与野党激突の場面はなくなった。そうした国会情勢が作用している。


■サミット後「電撃退陣」も


 この国会は6月15日までだ。一時は大幅延長論もあったのだが、当初の会期通りに閉幕することになった。厄介な法案は9月に予定される臨時国会に先送りされるようだ。


 というわけで、福田首相はこのまま7月7日からの北海道洞爺湖(とうやこ)サミットを迎えることになる。福田首相のことだからサミットが終わったら「電撃的退陣表明」もあり得ないことではないという不気味な観測もある。いわゆるサミット花道論である。


 年金未納問題で、いともあっさりと官房長官を辞任した「前例」も引き合いに出される。確かに政治家の出処進退は、大方が予想しない状況下で電光石火に打ち出せば特大効果を生む。


 そんなことを考えていたら、1989(平成元)年6月の竹下登首相(1924〜2000年)の退陣を思いだしてしまった。確かに、その直前、「オレの支持率、消費税(当初3%だった)に近づいちゃったよなあ」と苦笑しながらぼそっと漏らしたのを耳にした。だが、そこまでの決断を固めていたとは想定外だった。


 某紙に「竹下首相、きょう退陣表明」と抜かれたのである。いまだに悔いが残る現役時代の苦い思い出だ。竹下氏はことあるごとに「もののふの進退は瞬時にして決すべし」と力説していたのだが、それを実践してみたのであった。


■「3強派閥」軸に


 福田首相はどうか。党内基盤は想像以上にしっかりしている。とにかく総裁選では9派閥のうち対立候補の麻生太郎氏(67)の麻生派以外の8派の支持を得たのだ。ここへきて、古賀派と谷垣派が合併して新生・古賀派が誕生したことも大きい。


 これによって、自民党の派閥は町村派、津島派、古賀派の「3強」体制となった。福田首相はこの3派を軸とした構図で支えられているわけだから、党内の政治基盤は以前よりも強固になったともいえる。なににつけ、三脚で固定するのが最も安定度を生む。


 民主党はなぜあれほど言っていた首相問責決議案を避けたのか。法的拘束力はないのだが、問責を受けた首相ということになると、政治的ダメージは大きい。


 問責決議案を野党多数の参院で可決してしまうと、「問責された首相のもとでの審議」には応じられなくなる。長期審議拒否は必至で、これは国民の批判を浴びかねない。


 つまり、民主党の小沢一郎代表(66)にしてみれば、問責決議の効果が出てこないとなると、衆院山口2区補選の勝利で党内求心力が回復したといわれているのに、その状況をくつがえしかねないことになる。


 危険はおかさずに、この状態のまま9月の代表選挙を迎えるほうが得策、と踏んだのではないか。


 となると、しばらくは福田首相も安泰ということになる。道路特定財源の一般財源化、年金制度崩壊を避けるための消費税アップなど、難問は山積している。自衛隊海外派遣の恒久法にも着手しなければならない。


 この「なぎ状態」は、予想される秋の一大決戦を前にした「嵐の前の静けさ」ということか。






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<<読者から>>

★低所得者の一般市民を抹殺するような持論を唱えられては困る。消費税20%で一般市民が生きていけると思おうているのか。あなたは、弱肉強食の世界に国民を誘うつもりですか。愚論はいい加減にしていただきたい。あなたの愚論には、怒り以外にない。(一市民さん)

[花岡コメント]
 前号コラムの「消費税20%時代」に対して、こういう反応が出るであろうということは予想していました。愚論と切り捨てるのも結構ですが、EU諸国の大半が15−20%の消費税を導入しているのは、愚論を実践した国家ということになりますね。消費税20%時代には、法人税、所得税、相続税などが桁外れに引き下げられているのです。相続税などはなくなっているでしょう。医療や年金のシステムが破綻してしまったら、目も当てられません。消費税は1%で税収が2・5兆円。20%だと50兆円。いまの税収全体をまかなえるほどの規模ですね。大きな視点でどうか冷静に考えて見てください。


★ 年金問題にしろこの度の後期高齢者医療制度にしろ、大方の社会福祉制度の崩壊は目に見えています。これらの多くは非課税層の増加と先送りで優先課題を先送りしてきた政治に大きな責任があります。自分たちの票田を失わないように、耳障りの悪いことは避けてきたツケが今日に至っているのです。
民主党の言い分を聞いていても何ら説得力のある具体策もなく、政局絡みの情緒論でマスコミを通して国民をごまかしているに過ぎず、もっと抜本的に与野党で協議すべきでしょう。すべての人たちを将来的に救おうと言うのには無理があります。自助努力の無い者は区別すべきであり、年金・保険制度にはその点を明確にした制度にすべきであります。その上で公平な消費税による税源確保により、一部を社会保障へと振り向けるべきでしょう。(岡目八目さん)

[花岡コメント]
 ご指摘のように、自助努力と国家が果たすべき役割とのバランスが重要かと思います。


【お知らせ】

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花岡のコラム『我々の国家はどこに向かっているのか』連載中。毎週木曜更新。

<<Janet>>
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<http://www.japancm.com/sekitei/>
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<<そのほか花岡の論文・コラムなど>>
★正論6月号 「総力特集 胡錦濤訪日で問われる日本の「覚悟」 福田さん、それでも“熱烈歓迎”ですか」
★カレント(潮流社)5月号 「『馬英九の台湾』とどう付き合うべきか」
★WiLL3月号 「民主党の腫れもの小沢一郎」
★Voice4月号  渡辺喜美行革担当相インタビュー「霞が関との戦いに勝つ」
★道経塾(モラロジー研究所)50号 「国家としての汚名を晴らせ」
★激論ムック「反日マスコミの真実2」(オークラ出版)
★コメントライナー(時事通信)4月25日付 「問われる『胡錦濤来日』への対応」
★政経往来5月号 「政局展望 不透明政局の行方を追う」
★交詢雑誌(財団法人交詢社) 507号「当面の政局動向と日本の行方を考える」
★季刊・現代警察(啓正社)120号 「セレクト情報・国内政治・この不毛政局をどう見るか」
★JAPAN TAIWAN(日華文化協会)158号 「『大連立』は必ずよみがえる」
★時事評論(647・8合併号) 「自民党の手のひらの上で踊らされる民主党」


 
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>[花岡コメント] 「消費税20%時代」。20%だと50兆円。いまの税収全体をまかなえるほどの規模ですね。大きな視点でどうか冷静に考えて見てください。

との理解は甘いのではないですか。特別会計を含めた「2006年度の国庫予算歳出純計は258.7兆円」、借換債100兆円です。抜本的な行財政改革なくして国家は破産です。消費税で逃げるのは愚作です。
日時:2008年5月25日


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