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花岡信昭メールマガジン572号
発行日: 2008/5/22
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★★花岡信昭メールマガジン★★572号[2008・5・22]
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<<国家の責務は危機管理だ>>
【産経新聞連載コラム「政論探求」20日付】再掲
中国・四川大地震の被害は、底知れぬ広がりを見せている。地震大国・日本も他人事ではないが、国家の究極の責務は「危機管理」なのだ、という思いを新たにする。
地震は「天災」だから避けようがないのだが、いったん起きてしまうと「人災」の要素が一気に噴き出す。耐震の備えがあったのかどうか、救助システムは完備されていたのか、対応の遅れはなかったか、といった点である。
中国の現状を見る限り、「備えあれば憂いなし」にはほど遠かったようだ。温家宝首相に続いて胡錦濤国家主席も現地入りした。国家の枠組みそのものを揺るがしかねない事態なのだという深刻さを象徴しているように見える。
ひるがえって日本はどうか。平成7年1月の阪神・淡路大震災は6300人余の犠牲者を出した。自衛隊の出動要請が遅れ、当時の村山富市首相の「なにぶんにも初めてのことですので」という国会答弁が顰蹙(ひんしゅく)を買った。
そのときの状況からどれほどの改革が行われてきたのだろうか。
たしかに、平成10年に内閣危機管理監が新設された。だが、イージス艦「あたご」の漁船との衝突事故の報告がただちに首相官邸に入らなかった事例などを見る限り、危機管理対応は万全とはいえないようだ。
日本政府は北朝鮮の工作員による日本人大量拉致事件を許してしまった過去を持つ。米政府にはテロや災害に即応する機関として、CIA(中央情報局)、FBI(連邦捜査局)、FEMA(連邦緊急事態管理局)などがあるが、日本にはこれに相当するセクションがない。国家システムの基本的欠陥といって過言ではないようにも思える。
日本版NSC(国家安全保障会議)の創設構想も、福田政権になってどこかへ消えてしまった。安全保障と危機管理は同レベルの国家的使命であるはずなのだが、「のどもと過ぎれば」がまかり通っている。
「国民の生命・安全を守る」が国家の至高の役割であって、「小さな政府」論も突き詰めればそこに行き当たる。誤解をおそれずに言えば、ガソリンの値段を1カ月だけ下げるぐらいのことで大騒ぎする政治の現状はあまりに寂しい。
<補足>
福田首相は支持率ダウンの挽回策として、「消費者庁」の設置に執心している。これを政権浮揚の切り札としているようだ。
その気持ちは分からないでもないが、実は、いまの日本に最も必要なのは、消費者庁ではなく「危機管理庁」なのではないか。
アメリカのFEMAは、「9・11」後に発足した国家安全保障省に組み込まれている。それを参考にすれば、やはり日本版NSCがほしい。その中に、CIA的な国際情報収集システムや危機管理庁を包含してもいい。
中国に派遣された国際緊急援助隊は高い評価を受けた。国内で同様のことが起きた場合、迅速、果敢、大規模な救援体制は完備されているのか。ほかの国では活躍して、国内体制が追いついていなかったなどということがあれば、これは本末転倒だ。
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<<読者から>>
★ 今国会は 再可決と審議拒否による 与野党の不毛なせめぎあいが続いています。これでは 国民のための政治 国民のための国会とは とても言えないでしょう。サミットを控えているという事情はありますが、ここはやはり 解散しかないでしょう。『政界再編成』を含むドラマテックな展開が待ち受けているかもしれません。国民の審判を受けていない政権は 解散による審判を受けるのが 本来の姿だと考えます。(HIさん)
[花岡コメント]
安倍、福田両政権はたしかに衆院総選挙というかたちでは国民の直接の審判を受けてきませんでしたから、早い時期の解散、総選挙を求める声が高いのは分かります。しかし、新政権ができたら解散して信を問うということを常態化してしまったら、たえず総選挙をやらなくてはならないことになるかもしれません。建前としては、衆院の任期は4年、衆院総選挙の結果で多数を占めた勢力が政権を担うというのが議院内閣制ですね。
★ 本来ならこれほど落ち込んでいる支持率の内閣が、ここまで維持されている道理は無いはずです。
しかし、もともとどうにもならない状況下で担がれた福田総理にとっては、支持率云々などはそれほど眼中にはないものと思われます。政権与党たる自民党議員の大半は、火中の栗は拾うまいとしただけであり、少しでも情勢が変わり曇りのち晴れの気運次第では総裁の椅子争いの動きは出始めるでしょう。
これを承知の民主党からすれば、問責決議など出しても効果はなく、場合によっては政局のごり押しとしか取られかねないでしょう。
国民にとって問題なのは、あらゆる負担が国民の側に降りかかって来ていることです。これは道路特定財源を中心とする歳出の在り方について論議されて以来、その両面にある公務員制度改革について何ら論議がされていないことです。
民主党にしても、あれだけ国交省を的にした不祥事を暴露しながらそこについてのまともな議論に立ち入らず、ここを見ていても如何に官僚の力が政界全体に隠然たるものを見せつけているかが分かります。
とくに族議員の動きは、彼らの動向にエールを送る以外の何物でもなく政官一体の国民負担が構築されつつあるだけやに見えるのは、福田内閣の支持率にもっとも影響を与えているものと思います。( 岡目八目さん )
[花岡コメント]
仰るように、福田政権は「官僚にやさしい内閣」のように見えますね。小泉さんは実にたくみに官僚と戦う姿勢を見せ、これが高い支持につながりました。
<<重要注目記事>>
★「朝鮮日報」08/05/17
世界競争力:日本後退、米国の天下はいつまで?
世界1位を誇る米国の国家競争力はいつまで持続可能か。ス
イスの国際経営開発協会(IMD)が主要国の競争力ランキング
を発表して20周年になるのを機に投げかけた疑問だ。かつて世
界的な競争力を維持していた国も永遠にその地位を守り続ける
ことはできないからだ。ランキングの発表が始まった1989年に
「国家競争力1位」で他の追随を許さなかった日本は今年は22
位に後退した。当時3位だった米国が日本を追い抜いて以来15
年が過ぎた。
しかし、米国が強い競争力を持つ現在の構図も長続きしない
というのがIMDの見方だ。国家競争力ランキングの評価責任者
を務めるステファン・ガレリ教授は「中国、インドなど新たな
強者が登場し、国家競争力の地殻変動が起きている。今年は米
国が競争力1位の座を維持する最後の年になる可能性も高い」
と話した。2位のシンガポールと米国の競争力格差は数年前か
ら急速に縮まっている。両国の競争力点数は米国が100点、シ
ンガポールが99.3点でほぼ肩を並べている。
1990年代に日本の国家競争力が後退した過程は、現在の米国
が直面しているサブプライム住宅ローンの状況と似通っている
。日米両国ともに競争力が危機に陥るシグナルが表れる以前に
長期間の好景気と不動産バブルがあり、政府による監督を受け
ない無分別な金融商品が金融市場を混乱させた。
日本は1989年に株価暴落、92年に不動産バブル崩壊、94−98
年に金融機関破たんという流れをたどり、国家競争力が急速に
低下した。その結果、日本の国家競争力ランキングは最近、20
位前後で推移しており、昨年に続き今年も中国(17位)、マレ
ーシア(19位)、イスラエル(20位)の後じんを拝した。
米国も住宅不況で信用危機が拡大しており、無分別なデリバ
ティブ金融商品を媒介とした住宅担保ローンで金融会社の損失
が雪だるま式に膨らんでいる。米国が来年にも競争力1位の座
を失うことになれば、日本と同じ轍(てつ)を踏むことが懸念
される。IMDは「金融セクターで問題が生じると、競争力があ
る国も容易に崩れることがある。小さな穴でも大きな船を沈没
させるには十分だ」と指摘した。
★「中央日報」08/05/17
‘EEZ’韓日対峙…GPS確認で誤解解ける
韓国の漁船が日本の排他的経済水域(EEZ)侵犯したかど
うかをめぐり、韓日両国の警備艇9隻が海上で7時間にわたり
対峙するという事態が起こった。
釜山(プサン)海洋警察署によると、16日午後1時35分
から慶尚南道(キョンサンナムド)紅島(ホンド)南17マイ
ルの海上で釜山船籍の底引き網漁船「97セジン」(134ト
ン)と「98セジン」が日本側EEZを侵犯したかどうかをめ
ぐり、日本海上保安庁所属の巡視船4隻と韓国警備艇4隻が対
立し始めた。
海上警察はこの日午前11時55分ごろ、「日本海上保安庁
の警備艇に追われている」という「97セジン」の船長キム氏
(48)の連絡を受け、1500トン級の警備艇を現場に急派
した。
日本の警備艇が韓国漁船に到着した時間はこの日午後1時ご
ろ。 35分後、韓国側の警備艇が到着し、双方の警備艇の対
峙が始まった。 韓国海上警察の調査官4人と通訳官1人が海
上警察ヘリコプターに乗って現場に到着、日本海上保安庁職員
10人余が「97セジン」に乗り移って合同調査が行われた。
日本側はレーダー映像資料を提示し、「97セジンが日本側
EEZを侵犯した」と主張した。 しかし韓日間の合同調査の
結果、「97セジン」の衛星利用測位システム(GPS)上に
表れた航跡資料ではEEZを侵犯していないことが確認された
。日本側もこれを認め、双方の対峙は解消された。 釜山海上
警察は「97セジン」が不法操業をしたかどうか調査する予定
だ。
【お知らせ】
<<産経新聞コラム>>
花岡のコラム『政論探求』は原則火曜付ですが、紙面の都合でときどき水曜付となります。
<<SAFETY JAPAN>>(日経BP社サイト)
<http://www.nikkeibp.co.jp/sj/>
花岡のコラム『我々の国家はどこに向かっているのか』連載中。毎週木曜更新。
<<Janet>>
時事通信サイトJanetの花岡コラム『官邸ウオッチ・風測計』。月末に更新。
<http://janet.jw.jiji.com/apps/do/auth/login.html>
<<知的空間・人形町サロン>>
<http://www.japancm.com/sekitei/>
若手研究者らによる「知的空間サイト」。花岡の政治コラム連載。月初めに更新。
<<そのほか花岡の論文・コラムなど>>
★正論6月号 「総力特集 胡錦濤訪日で問われる日本の「覚悟」 福田さん、それでも“熱烈歓迎”ですか」
★カレント(潮流社)5月号 「『馬英九の台湾』とどう付き合うべきか」
★WiLL3月号 「民主党の腫れもの小沢一郎」
★Voice4月号 渡辺喜美行革担当相インタビュー「霞が関との戦いに勝つ」
★道経塾(モラロジー研究所)50号 「国家としての汚名を晴らせ」
★激論ムック「反日マスコミの真実2」(オークラ出版)
★コメントライナー(時事通信)4月25日付 「問われる『胡錦濤来日』への対応」
★政経往来5月号 「政局展望 不透明政局の行方を追う」
★交詢雑誌(財団法人交詢社) 507号「当面の政局動向と日本の行方を考える」
★季刊・現代警察(啓正社)120号 「セレクト情報・国内政治・この不毛政局をどう見るか」
★JAPAN TAIWAN(日華文化協会)158号 「『大連立』は必ずよみがえる」
★時事評論(647・8合併号) 「自民党の手のひらの上で踊らされる民主党」
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